新人にお客様へのビジネスメールの書き方を教える上手な方法|受け取る人になったつもりでチェック

ビジネス
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会社に新しく入ってくる新人など、過去にビジネスメールを書いたことが無い人にとって、ビジネスメールは全く新しいものです。

決められた作法や敬語など知っておくべきことがたくさんあります。

いきなり「ちょっと〇〇さん宛てにメール送っといて」とお願いしてすぐにできるものではありません。

仮に「できる?」と聞いたら「できます!」と言ったので任せたら、とてもクライアントには送れない失礼な文章になっていたということも少なくありません。

ここでは新人にビジネスメールの書き方を教える効果的な方法についてまとめています。


やってはいけないこと

先にダメな教え方をまとめておきます。

丸投げ

一番いけないのは丸投げです。「自分で調べてやっておいて」と言われたところでできるはずがありません。

思考停止してしまい、メール1通書き上げるだけで1日費やすかもしれません

ネットで調べて見よう見まねで書いても、それが良いのか悪いのか本人には判断がつきません。

悪かったと判断がつくのは、クライアントに送って、相手が怒りを表してくれた時です。


テンプレートを渡す

テンプレートを渡す方法もあまりいい方法とはいえません。手っ取り早いのですが、なぜそういう記述になっているのか?がわからないため応用が効かないというデメリットがあります

決まりきった作業を行う人に対しては効果的ですが、実際にお客さんと向き合いコミュニケーションをとる人材を育てるためには不向きです


口述筆記

上司や先輩が「言うとおりに書いて」といって口述したものを書きとらせる方法もテンプレートを渡すのと同じく学習効果が薄いです。

口述筆記をやって得られる能力は、言われたことをタイピングするディクテーション能力であり、お客様へのメールを書く能力ではありません。


メールの書き方を教える方法

ではどうすればいいかと言うと、大きく次の2つのステップになります。

教え方
  1. 概要を箇条書きで伝える。(※時間制限をつける)
  2. お客様さんになったつもりでチェックする。


概要を箇条書きで伝える(※時間制限をつける)

一番最初にやることは「概要を箇条書きで伝える」ことです。

丸投げ放置やテンプレートを渡すなど全てを教えることはしてはいけませんが、メールを書く能力を身に付けてもらうには基本は本人に考え出してもらう必要があります。

そのためには、適切な材料をこちらから提供しなければいけません。

箇条書きで渡す情報の例
  • 〇〇社の製品開発部 〇〇さん
  • 14時からの打ち合わせの依頼
  • 新規商品のパッケージについて
  • 私と〇〇さんの2人で訪問

情報を渡して「調べながらメールを書いてみて」と伝えます。

「20分後に確認するから、できるところまで作って」と制限時間を切ることを忘れてはいけません。初めてやる作業は何からやっていいかわからず頭が真っ白になり、沼にハマることが少なくないためです。

制限時間を切らずに放置すると、翌日に「昨日お願いしたメールちょうだい」→「まだできていません、、」という会話が発生することになります。


お客様さんになったつもりでチェックする

メールの書き方を教える一番重要なポイントは「お客様さんになったつもりでチェックする」ことです。

書いてもらったメールを受け取って赤ペンを入れて修正をするのでは、効果が薄くなります。更に間違ってても上司が修正してくれるという依存の心が発生することになります

制限時間の20分後になったら「じゃあ、さっきお願いしたメールを一緒に確認しようか。私がお客さんになったつもりで読んでみるね」といって新人と一緒に確認します

「いきなり本題に入ったら失礼だから、前置きのクッション言葉が欲しいね。どんな言葉がいいと思う?」

「14時から打ち合わせをお願いします。って書かれたらこっちの都合はお構いなし!?って思っちゃうよ。どうするとこちらの都合を配慮されてるなと感じてもらえる?」

「何人で来るのか書いてないよ。これだとどれだけの部屋を確保すればいいのかわからないな。どういう風に書けばいいと思う?」

このようにして、ポイントを伝えたのち、「もう一度書いてみて、できたら教えて。最低でも20分後までね」と言い、もう一度書き直してもらいます。

そして一緒に確認するという作業を繰り返します。


これだけで、メールに何を書くべきで、それが何故書いてあるのかという理由までわかるようになります

もちろん最初は時間がかかりますが、一度やってしまうとポイントが把握できるので、他のメールへと応用することができるようになります。


相手の立場になって考えるクセがつく

上司が「お客様さんになったつもりでチェックする」というのは、教えているときにわかりやすい、というだけではなく、書いている人は「なるほど、受け取りてはこう感じるのか。確かにそうだな」というように、メールを書きながらその文体が相手にどう感じさせるかを考えるきっかけになります

これを書いてどう感じるか?という気づきさえあれば、他のメールを書くときも「これは合っているか?変じゃないかな?」という考えに及び、調べて修正するという作業を自分でできるようになります。

point

上司がお客さんの気持ちを代弁することで、部下が育つ。


「教え甲斐がある」と考える

最初に提出してもらったメールを見たときにあまりにも酷いメールの内容だった場合に「これは酷い。こいつは無能だ」などと思ってはいけません。

最初にそう思ってしまうと、教えるのが苦痛になります。「頭悪いから教えても意味ない」といった感情が湧いてしまいます。

そうではなくこれは教え甲斐があるな。将来ネタにしてやろうと思うことが大切です。こうすることで、教える側のモチベーションをあげることができます。

point

教える立場の人は、最初にどう受け取るかを自分自身でコントロールすることが重要。


参考

この記事の内容は篠原 信さんの「自分の頭で考えて動く部下の育て方」の内容の一部抜粋と要約です。

なぜ指示待ち人間が生まれてしまうのか、どうすると人が自ら動いてくれるのかがたくさんの実例を踏まえてとてもわかりやすく説明されています。

マネージメントなど人を指導する立場にある人は一読しておくべき指南書です。


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