マネージャーの仕事は部下の背中を押し、勇気を奮い立たせること|直感を信じ、逆境でこそ先陣に立つ

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マネージャーの役割とは部下を管理することだと考えている人が少なくありません。

しかし、優秀なマネージャーとは部下の才能を引き出し、チームの連携を強化するコーチのような存在であるべきです。

部下が圧倒されてしまうような目標に向かって突き進む勇気を与えられるひとこそ、優秀なマネージャーです。

ここでは相手に勇気を与えることの重要性と、勇気を与える方法についてまとめています。


勇気を与えることの重要性

人は生まれつき失敗を恐れ、リスクを怖がる生き物です。それは狩猟採集時代という何万年もの過酷な環境を生き抜いて生きたヒトに備わっている本能です。

このため大きな目標を目の前にしたときに、おじけづいて自信を無くしてしまうのは普通のことです。

このため、自分でも達成を信じられないような大きな目標に向かって行動するためには、本能に打ち勝つ勇気が必要です。

point

大きな目標を恐れるのはヒトの本能。そこに打ち勝つ術は勇気。


勇気を与えるとは、自信をあたえること

相手に対して何かに立ち向かう勇気を与えるとは、自信を与えることに他なりません。

本人が「自分にはできないかもしれない」と思っているような場合に、「自分ならできる」と思えるようになることが、勇気を与えるということです。

そのためには、人の上に立つ人やコーチなど相談に乗る人は、相手自身ができないと思っていることでも、あなたならできると信じ続ける覚悟が必要です。

point

勇気を与えるとは「自分にはできる」と思わせること。そのためには、相手ができると信じていなくても、こちらが信じ抜く必要がある。


果敢に前進しろと伝える

勇気を奮い立たせるときに「あなたならできる」「自分を信じろ」と伝えることは、必ずしも勇気を奮い立たせることにつながりません。

人は、自分自身が信じていないことを「できる」と言われても簡単に気持ちを切り替えることができないものです。

相手の勇気を奮い立たせるために最も効果的な方法は「檄を飛ばし、考えや行動を促す」ことです。

「そんなしみったれた考えでどうする。もっと果敢に前進する方法を考えろ」「常に大胆であれ」といった声掛けをして、考えや行動を促します。

脳はどんな物事に対しても理由付けを行う性質があります。「できない」という理由を探している脳を一喝して、強制的にできる理由を探させます

また問題に対してどうやって取り組むべきかという姿勢を説きます

自信がないときは失敗を恐れているときなので、大胆に行っていいんだということを伝えることは効果的です。

Appleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務めたビル・キャンベルは次のように語っています。

そんなしみったれたことでどうする。端っこから少しづつかじるんじゃない。可能な限り大胆な解決策を求めろ。

何か大きなことをするときは、細かい物事や問題をあらかじめ知ることなどできない。とにかく思いっきりやる事が肝心だ。

でっかいアイディアがあるんだ。もっと果敢に前進する方法を考えろ!


励ますことは優秀なコーチの条件の一つ

世の中には負け続きのチームに就任し、世界最強のチームにまで育て上げるいわるゆ名将と呼ばれるコーチがいます。

コーチに関する研究で、優秀なコーチには次の3つの資質が重要であることがわかっています。

優秀なコーチの資質
  1. 傾聴力(注意深く聞く力)
  2. 理解する力
  3. 励まし

組織を強くして目標達成に少しでも近づきたいのであれば、人の上に立つ立場の人たちが、こぞって励まし続けなければいけません。

point

常に励まし続けることで力を与える人こそが、優秀なマネージャー。


直感を信じる勇気

私たちには2つの思考が備わっています。即座に感じる直感と、論理的に考える論理的思考です。

多くの人たちが論理的な思考を重要視し、直感は曖昧で裏付けがなく信じるに足りないと考えています。

ですが、この世は言語化された情報よりも、言語化されていない情報の方が圧倒的に多くあります。そのような世界の中で言語化された論理的な思考だけに重きをおくことは本質的なミスにつながります。

時には、相手が自分の直感を信じる勇気や、相手自身が自分の直感を信じて行動できる勇気をもたらすことも重要です。

とはいえ直感を掴むことは非常に難しいことでもあります。その時は次のような質問を投げかけてみると答えが見えてくることがあります。

直感を見つめるための質問

「あなたは、それが正しいことだと心から思ったのか?」

もし、この質問で答えが「ノー」だったら、既に決断を下したあとであっても、前言撤回する勇気が必要です。

苦境のときこそ勇気が必要になる

最も勇気が必要になるのは、組織が苦境に立たされているときです。

社員は毎日ボロボロの状態で仕事に来ます。みんな気が滅入っていて、士気は低い状態にあります。目標を達成することができず、みんなが自信を無くしている状態です。

こういったときこそ、トップやマネージャーの最重要の課題は組織の中に自信を醸成することです。

つまり、みんなに勇気を与える存在であり続ける必要があるということです。


高い基準を設定する

マネージャーが高い基準を設定することも重要です。

部下たちが偉大な存在になれると信じ、だからこそ本人たちが掲げる目標よりも一段高い目標を掲げさせます

そして、目標に届かない時は落胆する。それは、相手がその目標まで到達できると本気で信じているからこそです。

「あなたなら絶対に達成できる」と信じることで、相手はそれに答えようという気持ちが沸き起こり、努力する力になります。

point

相手の能力を、相手が自分で思っている以上に深く信頼する。そして、もっと果敢に大胆に前進するよう檄を飛ばす。



参考

この記事の内容はGoogleのCEOと会長を務めたエリック・シュミットやプロダクト責任者を務めたジョナサン・ローゼンバーグらが書いた「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の内容の一部要約と自分なりの解釈を加えたものです。

ビル・キャンベルはAppleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務め、世の中に偉大なリーダーを何人も送り出してきた人物です。

ビル・キャンベルが貫いてきた生き方やそこにまつわるストーリーには、最高のチームを作るためにリーダーやコーチが知っておくべき考え方や行動が宝の山のように詰まっています。

その考え方はビジネスやチームを成功に導くだけでなく、人として幸せに生きるためのより本質的な知恵でもあります。

この記事に興味を持たれた方は、本書を実際に手に取ってみることをお勧めします。あなたの人生をより幸せにし、成功へと導いてくれることは間違いありません。



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