【部下を伸ばす最高の上司】人を成長させる方法は指図しないこと。目標や目的を伝えどう走るかは本人に考えさせる。

ビジネス
記事内に広告が含まれていることがあります。

部下を持つマネージャーの中には、部下にあれこれと細かい指示を与え、細部までコントロールすることが仕事だと考えている人がいます。いわゆるマイクロマネージメントという手法です。

ですが、自発的に考える機会がなく、自分に任せてもらえないためモチベーションはあがりません。

結果として、部下の成長は著しく遅く、指示待ち人間に育ってしまいます。

組織に中に指示待ち人間が多いことは、上の人にとって都合がいいですが、組織としての成長は見込めません。上の移動や衰退とともに組織は滅びていきます。

ここでは組織にとって戦力になる人材を育てる方法についてまとめています。


指図してはいけない。物語を語り考えさせる

人が成長し、自発的に行動できるようになるために一番重要なことは「指図しない」ことです。

指図や指示なしでいったいどうやって行動に至らせればいいかというと、その方法は「それをやる理由をストーリーとして語り、本人に考えさせる」ことです。

「組織の目的は何か」「チームはどこに向かって走っているのか」をストーリーとして伝えることです。

企業であれば四半期目標などの短期目標が掲げられています。それらを企業のビジョンや現在地を踏まえて、なぜそれをすべきなのかを伝え、チームの中での役割を認識させ、チームのためにどう動くべきなのかを本人に考えさせるということです。

それはサッカーやバスケなどのチームスポーツに似ています。コーチは選手に対して、いちいちここを走れ、あそこを走れといった指示は出しません。

目標は何か戦略は何かを伝えて、どこを走るかはコート上にいる選手たちに任せます

point

上司の仕事は、目標は何か?チームはなぜその目標を追うのかを伝えて、走るコースは本人たちに考えさせること。


心からの納得(やらされにならない)

選手たちはチームの目的から自分が何をすべきかを、自分自身で考えているため、自分の行動に対して心から納得しています

「やらされている」という感覚ではないため、モチベーションや責任感も上がります。


考える時間を与える

なぜその目標を追う必要があるのかをストーリーで語り、本人に考えさせる上で重要なことは、その場でどう行動するかを迫ったりせず、考える時間を与えることです。

当然ですが「指図しない」とは「答えを教えない」ことです。答えは本人自身が導き出さなければいけません。

そもそもこの世に決まりきった一つの答えなど存在しません。山の登り方は人それぞれです。

「今すぐに答えろ」と言われれば人は焦ります。焦って出した答えは「自分の答えじゃない。答えさせられたんだ」という感覚につながります

そうではなく、1日間や内容によっては数日間の期限を切り、それまでに、チームのために自分が何をすべきかを宿題として考えてくる時間を与えるのが大切です。

point

期限を切って、考える時間を与える。


ごまかしや適当を許してはいけない

ストーリーと時間を与えられ、自分自身で考えた結果、どうすればいいかわからないということもあります。

そうしたときにやってはいけないことは、わかっていないことをごまかしたり、適当にはぐらかすことです

良く見せるためや怒られないために取り繕った答えは、心からの納得ではありません。そういった誠実さのない人間がチームの中にいると、チームの輪が乱れます。

相手の答えが本当に考え抜いて自分自身でひねり出したものか、しっかりと吟味する必要があります。それは厳しさを伴います。

言いにくいことでも胸にしまいこんではいけません。むしろ、ずばりと切り込んで痛いところを突くことが重要です。

相手が自分自身の進むべき道を見つけるまで、厳しく誠実に付き添うのも上に立つ人の仕事です。

point

相手にごまかしさせたり、適当にはぐらかさせてはいけない。言いにくいところをずばりと切り込んでいく。


人当たりの悪いギバーになる

人を成長させるために必要なことをまとめると次のようになります。

人を成長させるために必要なこと
  • 指図してはいけない。
  • 「なぜやるべきか」をストーリーで語り、本人に考えさせる。
  • 期限を切り、考える時間を与える。
  • ごまかしや適当を、許してはいけない。

これらは、自己犠牲を払い相手の成長を心から願わないとできないことです。しかし、相手にとっても決して楽なことではなく、厳しく辛いことでもあります。

なあなあな関係ではなく、本気の関係を迫るということです。アメリカの心理学者で名著「GIVE & TAKE」の著者アダム・グラントはこういった人のことを、人当たりの悪いギバーと表しました。

あれこれと細かく指図しないことはほとんどの場合、相手にとって好ましいことです。

一方、答えを教えず考えさせられ、かつ、ごまかしや適当さを一切許さないという厳しさは、決して人当たりがいいわけではありません。

しかし、その人当たりの悪さの裏には、相手を本気で成長させたいという気持ちがあります。


親身になり、厳しく挑戦を促す

多くの人が部下や子供と接するときに、「厳しくする」か「親身になって優しくする」かの2択で考えます。

ですが、親身になって優しくしくなりつつ、厳しくすることも可能です

つまり「親身」や「優しい」と「厳しい」は相対するものではなく、両立できるということです。

人当たりの悪いギバーは、言われて痛いところをズバズバと突いてきますが、内心はだれよりもその人自身の成長を心から願っています。


人は偽りがないと思う人を信頼する

小売りのチェーン店を対象とた調査で、従業員が信頼できる上司とはどういった人か?を調査した結果、人当たりがよくて優しい人よりも「本心を偽りなく話す人」を信頼し、かつ、そういった店舗は売上も高くなるということが報告されています。

point

例え、言いにくいことであっても正直に伝える人が信頼される。ただし、ネガティブなフィードバックで信頼を得られるのは、相手の成長を心から願い、親身になれる人だけ。



参考

この記事の内容はGoogleのCEOと会長を務めたエリック・シュミットやプロダクト責任者を務めたジョナサン・ローゼンバーグらが書いた「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の内容の一部要約と自分なりの解釈を加えたものです。

ビル・キャンベルはAppleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務め、世の中に偉大なリーダーを何人も送り出してきた人物です。

ビル・キャンベルが貫いてきた生き方やそこにまつわるストーリーには、最高のチームを作るためにリーダーやコーチが知っておくべき考え方や行動が宝の山のように詰まっています。

その考え方はビジネスやチームを成功に導くだけでなく、人として幸せに生きるためのより本質的な知恵でもあります。

この記事に興味を持たれた方は、本書を実際に手に取ってみることをお勧めします。あなたの人生をより幸せにし、成功へと導いてくれることは間違いありません。



タイトルとURLをコピーしました