【あなたは騙されている】無駄な行動ばかりしている人たち|なぜ余計なことをしてしまうのか?(コントロールの錯覚とは何か?)

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私たちは1日の中でいろいろな行動をしています。朝起きて夜寝るまで立ち止まることはほとんどありません。

むしろ「時間がない」「もっと時間をくれ」と叫んでいるほどです。

ですが、私たちの行動は本当に必要なものなのでしょうか?

実は世の中には無駄な行動をしている人が溢れかえっています。中には人の性質を上手く利用して騙されている人も少なくありません。

ここでは無駄な行動とはどういったものか?なぜ人は無駄な行動をしてしまうのか?について解説しています。


無駄な行動

サイコロを振る力

すごろくなどのゲームでサイコロを振る時に、小さい目を出したいときは優しく振って、大きい目を出したいときは力強く振ったことはないでしょうか?

これは無駄な行動の代表例です。

なぜなら、弱く振ったとしても、力強く振ったとしてもサイコロの目には何の影響も与えないからです。

サイコロの目で何が出るかは細工を施していない限り確率次第です。


スポーツ観戦

TVやスポーツバーなどでサッカーやボクシングなどのスポーツを観戦している人たちがやっている無駄な行動があります。

それは、自分たちが選手になったつもりで手や足を動かすことです。

観戦者がどれだけ本気になり思いを込めて足や手を動かしたところで、実際の試合や選手たちには1㎜も影響を及ぼしません。

ただエネルギーを消費しているだけです。


宝くじを自分で買う

宝くじを買う時に自分で買うことにこだわる人がいます。ロト6であれば自分で選ぶことにこだわる人も同じです。

自分で宝くじ買う予定だったお金で、他の誰かが勝手に宝くじを買ってきて渡したとすると「余計なことをするな。お前のせいで当たらなくなった」というような人までいます。

ですが、自分が買おうが、他人が買ってあなたに渡そうが、宝くじの当選確率に違いは一切ありません。

自分で選ばなければ意味ないと考えている時点で大きな勘違いをしています


宗教

宗教団体の中には「波動」や「祈りの力」があると謳っているいるところがあります。

みんなで集まって呪文のような言葉を唱えたり、真剣に祈ることで世界に影響を与えようとします

ですが、これも全く無意味な行動です。どれだけ強く祈っても世界に影響を与えることはできません

何かが起こったとすれば、それは誰かが祈ったからではなく確率論的に発生する可能性があったからです。

祈る・祈らないに関わらずどこかのタイミングで発生します。


自分でやらなければ意味がないと思う

これらの4つは無駄な行動の際立った例ですが、もっと身近な日常の中にもこういった無駄はたくさん潜んでいます。

朝起きてやらなければいけないと思っていること、仕事でやっている業務プロセスなど、実はなくなっても大してマイナスにならないことは至る所にあります。

やってもやらなくてもほとんど変わらないのであればそれは無駄な行動です

なぜ人はこういった無駄な行動をさも当たり前にやってしまうのかというと「自分がコントロールしていると勘違いしている」ためです。

実際は何の影響も及ぼしていないことですら、自分が行動したから結果につながっていると思い込んでいます。

「自分がコントロールしている」という勘違いは「自分がやらなければ意味がない」と考えとして行動に反映されます。

point
  • 人は「自分がコントロールしている」と勘違いする生き物。
  • 「自分がやらなければ意味ない」と思っていることのほとんどは無駄な行動。


「自分がコントロールしている」という勘違い

人が「自分がコントロールしている」という勘違を犯す生き物であることは、1965年にジェンキンスとウォードという研究者の研究によって明らかになっています。

2人はある部屋にライトとスイッチを用意します。そして、被験者にスイッチ自由にスイッチを押してもらいます。

ライトはスイッチと連動している場合もあれば、完全に切り離され別の制御システムで点灯している場合もあります。

つまり、被験者が全くコントロールできない状況もあるということです。

にも関わらず実験の結果、被験者は「自分がライトを制御していた」と自信をもって答えました

つまり人は全くコントロールできないことですら、自分でコントロールできると勘違いする生き物ということです。

これを心理用語でコントロールの錯覚(Illusion of control)と言います。

コントロールの錯覚とは?

コントロールの錯覚とは「自分が全くコントロールできないことですら、コントロールできると思い込んでしまう人の性質のこと」です。


あなたは騙されている?

実は世の中にはコントロールの錯覚を利用したものが隠されています。

なぜならば、全くコントロールできないと思わせるよりも、自分でコントロールできると思い込んでいる人の方が不満を言わないからです。


信号の歩行者ボタン

ニューヨークのマンハッタンの信号には歩行者用ボタンが付いています。ですが、この歩行者用ボタンは信号とは全く連動していません

歩行者用ボタンをつけて人が押せるようにしておくと、「自分がコントロールしている」という感情を抱けるため、信号待ちしている間のストレスが緩和されます

コントロールの錯覚を上手く利用したモノです。


クーラーのリモコン

あるオフィスではクーラーを全て1ヵ所の制御室で集中管理委しています。ユーザーがクーラーの温度を制御することはできません。

ですが、オフィスにはクーラーのリモコンが設置されています。なぜなら「暑い」「寒い」と思った人がそのリモコンを押したことで、自分で室温をコントロールできていると勘違いするからです。

このようにダミーのリモコンを設置しておくだけでも、室温に関するクレームの数が減ることがわかっています。


政治家の政策

色々な政治家が大々的な戦略や方針を打ち立て、私たちの税金を使って日々何かをしています。

ですがそれらは本当に効果を発揮しているのでしょうか?

リーマンショックやバブル崩壊など過去の歴史の中で経済はコントロールできないことが明らかになってます。

にも関わらず、政治家や偉い人たちはコントロールできないものをコントロールしようとします。

政策の結果、偶然にもいい結果が出ると「私の政策は正しかった」と言い張ります。

いい結果が出ないと「経済とは難しいもので、そう簡単に上手くいくものではない」と言います。

そして今日も意味のない政策があちこちで行われています。


影響を与えられるものだけに集中する

自分でコントロールできると勘違いして無駄な行動をしていては、どんなにエネルギーと時間があっても足りません。

日々の「忙しい」から解放され、成功や幸せにつながる結果を得るには「自分が影響を与えられない行動をやめる」必要があります。

そして生まれた時間とエネルギーを、自分が影響を及ぼせることだけに集中させる。

すると、少ないエネルギーと時間でより大きな成果を生み出すことができます。

point
  • 「自分がコントロールしている」「自分がやらなければ意味ない」という錯覚から抜け出す。
  • 自分が影響力できない行動を全てやめて、影響できるものだけに専念する。


参考

この記事の内容はスイスの有名起業家 ロルフ・ドベリが記した「Think right ~誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法~」の一部抜粋と要約です。

人が陥りがちな思考の罠がとてもわかりやすくまとまっています。この記事の内容以外にも全部で52個の人の性質がわかりやすい具体例で解説されています。

この記事の内容でハッとした部分が一つでもあった方は是非手に取ってご覧になられることをお勧めします。

あなたの人生をより賢く豊かにしてくれることは間違いありません。



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