【モチベーションの原理】日々の小さな積み重ねと実感がやる気を生む|壮大な計画が挫折するのはなぜか?

思考法
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多くの人が歴史上の偉人やYoutubeやSNSで成功している人を見て、「自分もそういう風になりたい」「お金持ちになりたい」「注目されたい」「良いスタイルになりたい」と考えています。

そのために、いざ給料を上げるための作戦を練ったり、毎日の習慣を変えようとしたり、壮大な計画を打ち出してもやる気を失って投げ出してしまいます。

「TOEICで900点を取りたい!」と思っても、結局700点ぐらいで挫折してしまった、、、

「毎日朝30分ランニングする!」と決めたのに、1週間後にはもう走りにいかなくなってしまった、、、

世の中には自ら3日坊主を自認して、それを自慢する人すらいるぐらいです。

特に何かを達成しようと思ったら、自分のモチベーションを保つことはとても重要です

ですが、私たちのモチベーションがどう上がるかを理解していません(学校やテレビなどで教えてくれないのでしょうがありません。。)

ここでは、モチベーションはどういう時に上がるか?と、モチベーションの原理を上手く利用して目標を達成する方法について解説しています。


モチベーションは何で上がるか?

モチベーションを上げる原理は高い給料や壮大な目標ではありません。

小さな進歩を実感すること」が最もモチベーションにつながるということが研究の結果わかっています。

フレデリック・ハーズバーグの研究

アメリカ合衆国の臨床心理学者 フレデリック・ハーズバーグ(Frederick Herzberg)はモチベーションに関して1987年に興味深い調査結果を発表をしています。

完結にまとめるとモチベーションを上げる大きな要因は2つです。

モチベーションを上げる要因
  1. 達成すること。
  2. 達成が認められること。

モチベーションは何かを達成し、それを達成した!と自分が認識できたときに上がります


アマビール・テレサとクレイマー・スティーブンの研究

モチベーションに関して、アメリカの心理学者であるアマビール・テレサとクレイマー・スティーブンが行った研究もあります。

2人は数百人の数千日間にわたるに聞いを分析し、何がモチベーションと高いパフォーマンスにつながっているかを調べました。

結果は次のとおりです。

モチベーションを上げる要因

進歩しているという手応え

このように、小さな成功を積み重ねることこそがモチベーションを最も高めることがわかっています。

多くの人が勘違いしている

「進歩している手ごたえ」と言われると「なんだそんなことか」と思うかもしれません。

ですが、現実には多くの達成を成しえてきた成功している人たちですら勘違いをしています。

アマビール・テレサとクレイマー・スティーブンは日記の分析とは別に、669人のマネージャー(管理職)に社員の生産性や創造性を高めるのに重要なことは何だと思うか?と言うアンケートをとりました。

その結果「従業員の日々の進歩をサポートすること」と答えた人はわずか5%でした。

人の上に立つほとんどの人が「人のやる気」に関して勘違いをしていたわけです。


やる気を失う理由

自分が「少しづつ進歩している」「前に進んでいる」という感覚を味わえない場合、やる気が上がることはありません。

このため、壮大な目標を立てたり、最初から大きなことをやろうとすると、日々の中で達成感が味わえないため途中で挫折してしまいます。


壮大なことを成し遂げていると感じる理由

メディアで取り上げられているような成功者とその人たちの実績を目にすると「とてつもない」「あまりにも壮大だ」と感じます。

ですが、それはパッと目に入った表面しか見ていないことで起こる勘違いです

小さな成功には一つ大きなポイントがあります。それは、一つの小さな達成をすると、その次の達成は少し大きな達成となり、その次の達成はそれよりも少し大きくなるという性質があります。

英単語1を1日1個覚える人が、100日後には100個の英単語を知っているだけでなくそれを組み合わせて話せるようになるようなものです。

その人は100日間スラスラと喋る練習をし続けたわけではありません。もっと簡単に1日1個の英単語を確実に覚えることを積み重ねただけです。

モチベーションが保てる適切な目標設定で、大きな困難にぶつかることなくスムーズに達成しています。

この、スムーズさが端から見ると、まるで一夜のうちに飛躍的な成功を成し遂げたように映るわけです。

そして、モチベーションに関する知識がない人は、その人が最終的に達成した結果だけを参考にして壮大な目標を立てます。

そして、モチベーションを味わうことができず挫折していきます。

多くの偉大な事業を成し遂げている人は、ここ1ヶ月や1年間努力してきただけではありません。

社会人よりも遡って、大学生、高校生、中学生、早い人では小学生の頃から自分の目標に向かって、日々の暮らしの中で小さな達成を少しづつ積み重ねてきた人たちです。

「そうなの、、今からでは遅い」と嘆く必要はありません。

中学から高校までの3年間や、高校から大学までの3年間で人が大きく成長するように、数年あれば飛躍的に成長することができます。

今上の方にいる成功者が1000の成功を積み重ねている場合、あなたが1日積み重ねれば1、365日積み重ねれば365、3年積み重ねれば1000を超えます。

今があなたの人生で一番若いときです。心から達成したい目標を打ち立てて、小さな成功を積み重ねましょう。

point
  • 日々の小さな達成を積み重ねる。
  • 小さな達成が次の成功を生み大きな飛躍につながる。
  • 困難のないスムーズな達成が、大きな成功につながっている。


完璧よりも早く終わらせる

あなたは「完璧」と「早く終わらせること」どちらが大事か?と聞かれたらなんと答えますか。

モチベーションの観点や長期持続性から言うと「早く終わらせること」の一択です。

世界を代表するスタートアップ企業が集まるシリコンバレーには次のような言葉があります。

完璧よりも早く終わらせる

Done is Better than Perfect

もちろんこれは品質を無視しろということではありません

小さなどうでもいいことに時間を割くのではなく、本質をやりとげるという意味です。

80対20の法則という言葉があるように、私たちの暮らしや仕事の中で本質的な成功や幸せにつながっている行動はたったの2割です。

残りの8割はたいした成果につながっていません。

その8割に時間を使うことなく、2割に時間とエネルギーを集中させて終わらせるという意味です。

それが、モチベーションまり、大きな成功へとつながっていきます。


最低限必要なことは何か?

「早く終わらせる」ためには、本質を見極める必要があります

本質を見つけることの重要さを示す言葉にMVPがあります。Minimum Viable Productの略です。

最低限成り立つ製品

Minimum Viable Product

Viableとは「実行可能」という意味です。「~できる」程度に捉えて問題ありません。

つまり、「最低限成り立つ製品」を目指せすということです。

これを小さな成功を積み重ねると自ずとよい製品が出来上がります。

本の制作

例えば、本に書く題材を選定するときに次のようなプロセスをたどります。

  1. まずは140文字という文字数制限のあるTwitterで反響があるかを確かめる。
  2. Twitter反響があったらブログに書いて反響を確かめる。
  3. ブログで反響があった内容を本としてまとめる。

このステップを踏めば「本」として出版する前に、Twitterやブログで最低限成り立つかは検証済みです。


映画の制作

1本2時間もある映画は壮大な製品です。一人一人のキャラクターの動き、風景、言葉などとてもたくさんの要素が詰まっています。

いきなり2時間の映画を作ろう!という目標を立てて走り出せば、なかなか到達できず途中で挫折してしまいます。

アニメーション映画制作会社のピクサーは映画をつくるときに次のような手法を取り入れています。

脚本を書き始める前に、ストーリーボードという簡単な紙芝居のようなものを作ります。

これを小さな単位に区切って何百回も繰り返します

やがて、まとまった大きなかたまりの映画になります。

映画の形になったら、信頼できる少人数の人に見せてフィードバックをもらいながら改善していきます

ピクサーの映画制作主任は次のように言っています。

完成させるのではなく、人の目に晒す(リリースする)んだ。


モチベーションを利用した目標の達成方法

「達成」と「達成を認める(認識できる)」というモチベーションの原理を上手く使って、目標を達成するために必要なのは次の2つです。

早く小さく始める

小さな達成を積み重ねることは実はとても簡単なことです。

日々の仕事(タスク)が与えられたときに取り組む方法を変えるだけです。

一夜漬けマインドはやめる

例えば、2週間後にプレゼン資料を提出するというタスクがあったときに、モチベーション管理の下手な人はギリギリになって一気にやろうとします。

いわるゆ一夜漬けです。

時間ギリギリで仕上げるため作業量やストレスはとても大きなものになります。それに対して達成感は資料提出の一つしかありません。

むしろ、間に合わず「本当はもっとこうしたかったのに、、」と感じる達成感の低いものになるかもしれません。

更に悪いことに、一夜漬けのあとは体力と精神力を大きく消耗していて「もう何もしたくない」という状態になります。

プレゼンの資料作り=大変でしんどいという認識がついてしまうこともあります。


小さな達成を積み重ねる

ではどうすればいいかというと「毎日20分間準備に使う」だけです。

2週間の猶予期間があるのでトータルで使う時間は実営業日が10日だとして3時間20分です。

締め切りギリギリに3時間20分集中し続けるのは大変ですが、1日20分なら困難はありません。

大切なのは「1日20分やる」という目標を設定することと、それを達成することです

今日は20分やった、次の日も20分やったという達成感がつながっていきます。そして締め切り日には「2週間継続してやってきた」という自負がモチベーションを更に上げています


プレゼンテーションのプロ

あるプレゼンテーションのプロに「最高のプレゼンテーションを作るコツは何か?」と聞いたところ、

半年前から少しづつ準備をしていた」と答えました。

もちろん半年間毎日それだけをやっていたわけではありません。1日のうち数分を準備に充てていたということです。


進捗を目に見える形にする

モチベーションを上げるには2つの要件が必要です「達成すること」そして、その「達成を認識すること」です。

このため、進捗を目に見える形にすることが大切です。

子供の頃、夏休みのラジオ体操に行くとスタンプカードが配られ、1回行く毎にスタンプが配られる。スタンプを集めることも一つの目的になってラジオ体操にいく子がいます。

これは、日々小さな達成が目に見える形になっているため「明日も行こう」というモチベーションにつながるからです。

人は子供も大人も本質は同じです。

ブログを書けば1記事貯まります。10日間1つづつ書けば10記事貯まります。後ろを振り返れば「ああ、こんなに書いたんだ」となります。

そして、100日間続ければ100記事貯まります。これまで蓄積したものが見えることはモチベーションにつながります。

周りから見たら「100記事も書いていてすごい!」となります。ですが、急に100記事書いたわけではなく、1記事を100日間積み重ねただけです。

仕事でも日々の暮らしの中でも「小さな達成」とそれが「確認できる仕組み」をつくることが壮大な達成につながります


小さな達成を繰り返せば、目標までの道のりは楽しく、満足感に満ちたものになる。


参考

この記事はAppleやGoogle、FacebookやTwitterなどの世界的に有名な企業でコンサルティング経験のあるグレッグ・マキューン(Greg・Mckeown)氏の「エッセンシャル思考」という本の一部要約と抜粋です。

世界的ベストセラーになったこの本には他にも人生を成功と幸せに導く格言がたくさん載っています。

興味を持たれた方は是非実際に手に取ってみることをお勧めします。



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