私たちは、成功している人を想像するとき、お金持ちで、豪邸を持っていて、高級車を何台も所有していて、別荘があり、豪華な世界旅行を楽しんでいる人を思い浮かべます。
ですが、偉業を成し遂げた世界的に知られる成功者の多くはシンプルな思考と生活の中に生きています。
ここではシンプルな人生を送った偉人と、シンプルな人生とは何か?について簡単にまとめています。
シンプルな人生を送った偉人
マハトマ・ガンジー
「非暴力非服従」と言う言葉や「インド独立の父」として知られる マハトマ・ガンジーもシンプルな人生を生きた人です。
ガンジーは大臣の息子というカースト制のインドの中で非常に恵まれた家に生まれました。
イギリスに留学し「弁護士になる」という目的のもとに日々を送り、学業で優秀な成績を修め、弁護士の資格も得ました。
そんなある日、ガンジーは旅に出て色々な世界を見ることにしました。そのとき南アフリカで弾圧されている人々を見ました。
その瞬間「世界からそうした抑圧をなくすことが自分の使命である」と確信しました。
ガンジーは新たな目標に向かうため、目標以外のすべての生活を捨てました。
カディという手織りの布に身を包み、弾圧をしてくるイギリス人が作った服ではなく、自分たちで作れるカディを人々にも勧めました。
3年間は新聞などの余計な情報を一切遮断しました。
35年間、粗食を追求し続けました。
週に1度は誰とも話さずに過ごしました。
ガンジーが亡くなったときの所持品は10個にも満たなかったといわれています。
なお、「マハトマ」は名前ではなく「偉大な」という意味の形容詞です。
20世紀最高の物理学者と呼ばれ、ノーベル物理学賞を受賞したアルベルト・アインシュタインはガンジーのことを次のように語っています。
これから生まれてくる人たちは、ガンジーという偉大な人物がこの世に存在したという事実を信じられないだろう。
“Generations to come will scarce believe that such a one as this ever in flesh and blood walked upon this earth. (said of Mahatma Gandhi)”
スティーブ・ ジョブズ
AppleでMacやipad、iphoneを生み出し、世界的に有名になったスティーブ・ジョブズもシンプルな思考や生き方を追求した人です。
ジョブズの無駄なく余計なものを全て注ぎ落すという思想を徹底的に注ぎ込んだのがAppleから生まれた製品たちです。
ジョブズが重要視したのは「なんでもかんでもやる」ではありません。「やらないことを決める」ことです。
何をしないのかを決めるのは、何をするのかを決めるのと同じくらい大事だ。会社についてもそうだし、製品についてもそうだ。
洋服に関しても同じです。あれこれとたくさんの洋服を持ち、毎日オシャレに着飾るのではなく、黒のタートルネックにジーンズ、足下はスニーカーを貫いていました。
ブッタ
仏教のブッダは王家に生まれ、何不自由ない暮らしを送っていました。
19歳で結婚し子供もいました。
ですが、誰もが直面する「生きること・老いること・病気になること・死ぬこと」という4つの苦しみから人々を解放できないかという悩みを持っていました。
そこで29歳の時にこっそりと家を抜け出しました(出家)。
宮殿や地位も親族も全て捨てて外の世界に出たわけです。布を身にまとい、質素な食事と苦行を続け、35歳で悟りを開きました。
以後、自分の気づきを世の中の人に広め、人々を救うために生涯を捧げました。
ユダヤ教・キリスト教・イスラム教
仏教のブッダだけでなく、ユダヤ教やキリスト教の経典に出てくる偉人たちは、派手な暮らしを楽しむライフスタイルとは真逆を行っています。
ユダヤ教では、元々エジプトの王子だったモーゼが羊飼いとなり、ユダヤの民を自由にするという使命をに気付き、それを全うしています。
キリスト教のイエス・キリストは大工の家に生まれ、その後も地位や財産とは無縁に暮らしています。
イスラム教のムハンマドは衣服や靴を自分で縫い、つつましい生活の大切さを説いています。
みな「シンプルに生きること」を説いています。
「より多く、よりたくさん」ではなく「より少なく、より本質だけ」というシンプルな暮らしを追求した偉人は他にもたくさんいます。
ダライ・ラマ、トルストイ、マイケル・ジョーダン、ウォーレン・バフェット、マザー・テレサなど挙げればキリがありません。
逆に本質を求めず、よりたくさん、より多くを求め続けた人で偉人となった人はいません。
シンプルに生きるとは?
シンプルに生きるとは「あれもこれもやろうとする」とは真逆です。
かといって「成功を求める」や「全て捨てる」とも違います。
「人生に意味と目的を見出し、本当に重要なことを成し遂げる」ことです。
シンプルは世界の問題を解決する
インドで女性の権利のために尽力し、インドの国家勲章パドマ・シュリー勲章や、マグサイサイ賞、ライト・ライブリフッド賞、インディラ・ガンディー賞など多くの賞を受賞した エラ・バットは次のように語っています。
私が最も大切にしている美徳はシンプルであることです。
シンプルであれば、ほとんどの問題は解決すると思っています。
個人の悩みもそうですし、世界の抱える問題もそうです。
シンプルな生き方をしていれば、あまり嘘をつかずにすみます。口論も盗みも、けんかや嫉妬、怒りや殺人さえも減るでしょう。
誰もが過不足なく豊かになり、蓄財や投機、ギャンブル、憎しみが必要なくなるでしょう。
心の美しさはその人を美しくします。
それがシンプルであることの良いところです。
参考
この記事はAppleやGoogle、FacebookやTwitterなどの世界的に有名な企業でコンサルティング経験のあるグレッグ・マキューン(Greg・Mckeown)氏の「エッセンシャル思考」という本の一部要約と抜粋です。
世界的ベストセラーになったこの本には他にも人生を成功と幸せに導く格言がたくさん載っています。
興味を持たれた方は是非実際に手に取ってみることをお勧めします。