値切り無し・即決させるための営業テクニック(会話実例)

ビジネス
Handsome sales man demonstrating watches at jewelry shop
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商談の手順

商談の流れの大枠は大きく、以下の6ステップに分かれます。

商談の流れ
  1. アイスブレイク
  2. 概要紹介
  3. ヒアリング
  4. セールストーク
  5. 価格交渉
  6. 契約サイン


アイスブレイク

「失礼します。初めまして、〇〇の△△と申します」

今日テレアポできていただいたので、よくわかってないのですが、、


概要紹介

「そうです。御社って今、〇〇な会社を目指してるじゃないですか。この町を飛び越えて、△△や日本で一番〇〇な会社に飛躍するための、働き方の改革とか、オフィスの在り方をご提案したいなと思って」

あ、△△さんすみません。今ね、移転したばっかりなんですよ。だから、まだちょっと早いかなーって感じではあるんですよ。

「あ、あの~、無理やり売ろうとは考えていなくて、」

これからの意向であったりとか、今の”関心事”。ここに合わせて必要であれば最適なご提案をしたいなと思っています。

じゃあ、まあ話聞きます。


ヒアリング

「ありがとうございます。」

〇〇にすごく関心事があるのかなっていうふうに思ったんですけれども、〇〇に取り組まれている背景とか、お考えをお聞きしてもいいですか

会社を創業してからは10年ほど経つんですけども、一番忙しいんですよ。それを対応する人材が必要でして。

「会社自体はもっともっとエリアを広げたりとか、取引数を増やしたいとかそういったご計画みたいなのはございますか?」

2~3年後には今の倍ぐらいの規模間を目指しています。今は30人ぐらいなんですけど、70~100人弱ぐらいまで増やしたいなと

ゆっても、今のオフィスでも全然余裕ありますんで。お金かけたんすよけっこう。

コンセプトを徹底されていて、ブランドを商売とされている企業さんのこだわりが至る所で感じられるので、本当に素敵なオフィスだなと思いました。」

「因みに、1年半前に移転されたときのきっかけってなんだったんですか?」

人数的な部分ですね。前のオフィスが狭かったので、たまたまこの事務所を見つけて、ここだったら〇〇で一番△△な会社をつくれるんじゃないかなって。

「社長、採用に苦戦されているというお話がありましたが、苦戦されている理由はどんなところにあるとお考えですか?

求める人材のレベルが高すぎるっていう、、


セールストーク

「やっぱりですね、優秀な方々が働く環境を選ぶ時に大事にするのが、オフィスの立地だったりとか、雰囲気っていうところ。」

「今のオフィスってオシャレだし、カッコいいんですけれども、働ける場所であったりとか、働く場所を選ぶ、休むとか、そういった空間がちょっと限定的だなって気がします。」


怒りに対する対応

どういうことそれ?だって寝る場所あるよ。働く場所が好きなように選べるし。何を見ていうてんの?

「すみません。失礼しました」

もし、 私が、 失礼なお話をしてしまったら、あの、今のように『それは、気分が悪い』とハッキリ言ってください。

「ただ、私は今日、御社を〇〇一、ひいては日本一△△な会社にするために来ているので、社長のやりたいことを叶えるという事だけではなくて、社長に対してこうした方がいいという気持ちがあれば、それを、濁さず伝えたいです。

「じゃないと、御社にとって本当に良い提案ができませんし、ある種、〇〇様を超えたご提案が今後うまれなくなっちゃうんですよ。それって、御社が理想とする△△とちょっと違うのかなと思います。」

いや、その通りだね。いや、なんかあんま調べてないのかなって感じちゃったんですけど、、想いは伝わってきたんで、逆に言ってもらった方がいい。


セールストークに戻る

「ありがとうございます。」

「あのですね、ブラックな会社というコンセプトはいいんですけれども、長時間働くことを考えたときに、、」

何がしんどいん?

「暗すぎます」

ああ、暗いね。もうちょっと明るく?

「全体は暗くてもいいとおもうんですけど、ただ、明るい発想でポジティブな企画を考えられる場所があってもいいと思いません。」

「しかも、今年で15倍増やして、来年20倍となると、すくなくともこのオフィスじゃ足りないわけですよ。そうしたときに、急いでオフィスを拡げようとすると、コンセプトがズレたりとりあえず空いてるオフィスっていう、その場対応になってしまうので、御社の〇〇というコンセプトからズレてしまうんですね。」

そうだね~。今のこの事務所も結局1年半がかりだったからね。

「そうですよね!」

あるの?なんかいい物件?

「あります」

いくらぐらい?だいたい

「賃料は月額150万ぐらいです。」

150万!?安くない?今、うち150万だよ?

「えーっと、150万なんですが、立地は今ほど都心部ではないです。」

あー、ちょっと離れちゃうわけね。広さは?

「今の2.5倍になります。」

2.5倍!?いいね。そんくらい探してたんだよね。いやーただねー、社員が通勤困るの大変だな。

「通勤しなければいけないときだけ、通勤すればいいんじゃないでしょうか?」

「仕事の内容に合わせて、働く場所を家を含めて選べるっていうのが、これからのオフィスのコンセプトだと思うんですね。」

なるほど~

「なので、極論ですが、今かかっている賃料と同じですが、人数を増やすのだから、オフィスに対する投資ってもっとあっていいじゃないですか?なので、在宅通信手当などを渡してあげてください。」

「自宅で優秀な方々が働ける環境を福利厚生として用意していただければ、他社に流れず、優秀な人が御社で勤めてくれます。」

「なので、オフィスへの投資だけでなくて、働き方への投資もいただきたいです。」

なるほど、そういうことか。


価格交渉

〇〇さんも、すごい良い人なんで、、

「あ、ほんとですか、ありがとうございます」

ぜひ、今日契約したいなって思うんですけど”120万”それだったら決める。

値引きのお話は辞退させていただきたいと思っています。

「安い賃料がいいんだったら、もうとっくに移転されてるんじゃないですか?」

はい

「なので、多分〇〇さんがこだわられる所って、優秀な人材が採用できるかとか、良い環境を提供できるか、そして、面白いかどうかだと思うんですよ。」

〇〇さんのそれもわかるんですよ。僕もお金だけで決めるつもりないからね。ただ、ちょっと無茶いうとね。仲介手数料ってのあるでしょ?もう心意気でいい。100円まけて欲しい。

「100円!? お断りさせていただきます。すみません!ほんとにすいません!

「あの、正直100円なら、僕が渡しますね。もう正直どうにかしたいぐらいです。」

ただ、我々もお客様にとって最適な提案をするっていうことをコンセプトにしていますので、もし、〇〇さんだけコスト削減してしまうと、他に私たちを頼ってくれた経営者に申し訳が立たないです。

なるほど。

「もちろん、御社の夢や理想を実現するために、私も含めてチーム一同、それこそ覚悟を決めて向き合わせていただきたいと思いますが、その100円は我々の覚悟であったり、必要投資だと心にしまっていただいて、どうか定価でご検討いただけたら嬉しいです。」


契約サイン

なるほど。 契約します。

「ほんとですか!?」

これから、全部任せたい!

じゃあ、気持ちが変わらないうちにサインをいただいて」(小声で、静かにそっと紙を差し出す)

現金だな~。わかってるな~

よろしいでしょうか。 覚悟の現れということで」(小声で)

わかった、わかった

「ありがとうございます!」


営業のポイント

営業ロープレのトークは以上です。

営業をするうえで、意識すべき6つのポイントは以下になります。

営業のポイント
  • 商品を売る提案をしない(例:オフィスを売るための提案ではない)
  • 相手の困っていることを解決する提案をする
  • 自社の強みとクライアントのビジョンを紐づける
  • 立ち位置は「買い物アドバイザー」
  • 買うのはお客様で、使うのもお客様
  • お客様の物語をどう成功させるかという事を常に考える。


商品を売らず、相手の困りごとを解決する

最初からガツガツと商品を売る提案をすることはNGです。今回は賃貸オフィスのご提案ですが、最初の質問でオフィスについてほとんど質問していません

聞いていることは現在目標やテーマとして掲げていること、ビジョンなどの考え方の掘り下げです。

「〇〇にすごく関心事があるのかなっていうふうに思ったんですけれども、〇〇に取り組まれている背景とか、お考えをお聞きしてもいいですか

そこから、どんな困りごとを持っているかの確認を続けます。

具体的には、今後の計画から、過去の経緯、その話の中ででてきた今困っていることを掘り下げることです。

困りごとを引き出す流れ
  • 今後の計画
  • 変化のきっかけ(困りごとを掴む)
  • 苦戦した理由(困っている理由)

「会社自体はもっともっとエリアを広げたりとか、取引数を増やしたいとかそういったご計画みたいなのはございますか?」

「因みに、1年半前に移転されたときのきっかけってなんだったんですか?」

「社長、採用に苦戦されているというお話がありましたが、苦戦されている理由はどんなところにあるとお考えですか?」


いきなり「今、困っていることはなんですか?」とド直球で聞いても答えはでてこないことがほとんどです。

そうではなく、将来展望や過去の経緯を聞いていけば、話の流れで自ずと困りごとや問題点が見つかります

その話の流れで「~に苦戦されているという話がありましたが、苦戦されている理由はどんなところにあるとお考えですか?」というように、なぜそれで困っているのかを深堀します


加えて、「無理やり売ろうとは考えていない」という言葉をしっかりと声に出して伝えています。

「無理やり売ろうとは考えていなくて、これからの意向であったりとか、今の”関心事”。ここに合わせて必要であれば最適なご提案をしたいなと思っています。」


最初に商品に関することを質問しない理由

商品を売りに行ったときに、最初に商品に関することをあれこれと聞かない一番の理由は次のとおりです。

最初に商品に関することを質問しない理由

相手が今一番関心事があるのは何で、理想は何で、できていない状態は何で、この作られているギャップを商品でどうやって解決できるんだろうということを考える。

  • 今、一番関心があるのは何か?
  • 理想は何か?
  • できていないことは何か?

そのギャップを埋めるための商品であり、提案であるということです。


困りごとは困りごとという言葉にはならない

「困りごと」はクライアントから「困っている」という言葉で出てくるとは限らないということです。

「苦戦している」「大変」「どうにかしたい」「悩みのタネで」「今しんどくて」というワードが困りごとです。

相手が持っている問題は何か?にフォーカスして、アンテナをビンビンに張っておく必要があります。

また、困りごとは「理想と現実のギャップ」でもあります。困りごとに着目するよりも、「理想」と「現実」の状態から、クライアント本人が感じている「ギャップ」を直接聞いてみることが困りごとに直結します。


最終的に自社の強みとビジョンを紐づける

最終的に目指すべき大きなゴールは、「自社の強みとクライアントのビジョンを紐づける」ことです。

商談をスムーズに進めるためには、自社の強みをあらかじめ明確に決めておく必要があります。


営業とは何か?

営業と聞くと、ものを売る人というイメージが根付いていますが、ものを売るということに執着すると、ものは売れません。

本当にものを売ることができる営業は「買い物アドバイザー」です。

買うのはお客様で、使うのもお客様なので、お客様の物語をどう成功させるかという事を常に考える

point

営業の立ち位置は「買い物アドバイザー」。

買うのはお客様で、使うのもお客様なので、お客様の物語をどう成功させるかという事を常に考える。


相手の怒りを買ってしまったときの対処法

何気なくした発言で相手が気分を害して、怒ってしまうことがあります。営業としては焦ってしまうヤバい状態です。

ですが、そんなときでも対処法を知っておけば焦るに足りません。

相手が怒った時の対処法
  • まず、謝る
  • 正直に言ってくださいと伝える。
  • 自分の熱い想いを語る。


まず、謝る

相手を怒らせてしまったら、とにかくまず謝ります。

即座に「すみません。失礼しました」です。

自分に非がなかったとしても謝ります。どんなに自分が悪くなくても、相手が怒っているという状態がまさに目の前にあるというのは事実です。

なので、相手が気分を害して怒ってしまったという状態に対して謝罪をします。熱くなった石を冷ますために水をかけるようなものです。


正直に言ってくださいと伝える

謝ったうえで、「気分を害してしまったらハッキリ言ってください」と伝えます。

「もし、 私が、 失礼なお話をしてしまったら、今のように『それは、気分が悪い』とハッキリ言ってください。」

あなたの怒りとしっかりと向き合い、受け止める覚悟があることを伝えます。これが誠意です。


自分の熱い想いを語る

謝罪し、真摯に向き合う誠意を示したうえで、「自分がここにいる理由は相手の役に立ちたいからだ」という想いを伝えます。

「ただ、私は今日、御社を〇〇一、ひいては日本一△△な会社にするために来ているので、社長のやりたいことを叶えるという事だけではなくて、社長に対してこうした方がいいという気持ちがあれば、それを、濁さず伝えたいです。」

あなたのことを本気で考えて、よくしたいという想いが伝われば、相手は聞く耳を持ってくれるものです。


値引きを断る

たいていのお客様は値切ってくることがほとんどです。そんなときに返答に困ってしまうという人も少なくありません。

この世のすべてのお客様は損をしたくないので、

「〇〇円にしてくれたら買うよ」
「値下げして」
「お勉強して」

という言葉を言うのが普通です。

値引きの要求に対して、本当は値引きしたくないけど、悪く思われたくない、契約を逃したくないという思いでついつい値引きしてしまう人も大勢います。

「値引きを断ること」=「悪いこと」と思い込んでいる人も少なくありません。

ですが、それは完全な思い込みで、相手に嫌な気持ちをさせずに、値引きを断ることもできます。そのポイントは次の〇点です。

相手に嫌な気持ちをさせずに、値引きを断る方法
  • 正直に値引きを断る。
  • 話の軸をお金からズラす。
  • 金額は覚悟の値段であることを伝える。


正直に値引きを断る

値引きの話が出たら、口を濁したり、話を逸らそうとする人がいますが、まずは率直にズバッと断ります

「値引きのお話は辞退させていただきたいと思っています。」


話の軸をお金からズラす

続いて、金額の話から軸をズラします

「安さ」だけに着目したら、世の中には安いものがたくさんあります。相見積もりをとれば価格も安くなることでしょう。

どんな人も安いものが好きですが、決して安さだけを求めているわけではありません。本人もそのことをわかっています。

なので、率直に「安ければいいってものじゃないじゃないですか」と伝えます。

「安い賃料がいいんだったら、もうとっくに移転されてるんじゃないですか?」

「なので、多分〇〇さんがこだわられる所って、優秀な人材が採用できるかとか、良い環境を提供できるか、そして、面白いかどうかだと思うんですよ。」


金額は覚悟の値段であることを伝える

値引きの話になると「じゃあ、〇円なら?」と金額を下げて言ってくる人がいます。

「1000円、100円ぐらいならいいじゃん」という人もいます。これぐらいであれば簡単に答えられる金額なので、正直答えてあげたくなります。

ですが、1000円、100円まけたところで、相手の気持ちがハッピーになり喜んでくれるわけではありません

相手はただの意地で言っているだけです。値引きしたとしても、どちらも得をしないのが実情です。むしろ、上手な切り返しできっぱりと断る方が相手の好感度が上がります

好感度が上がる断り方
  • 他のお客様との義理を通す(義理を守る人間であることを示す)
  • 覚悟や必要投資であることを伝える

「100円!? お断りさせていただきます。すみません!ほんとにすいません!

「あの、正直100円なら、僕が渡しますね。もう正直どうにかしたいぐらいです。」

ただ、我々もお客様にとって最適な提案をするっていうことをコンセプトにしていますので、もし、〇〇さんだけコスト削減してしまうと、他に私たちを頼ってくれた経営者に申し訳が立たないです。

「もちろん、御社の夢や理想を実現するために、私も含めてチーム一同、それこそ覚悟を決めて向き合わせていただきたいと思いますが、その100円は我々の覚悟であったり、必要投資だと心にしまっていただいて、どうか定価でご検討いただけたら嬉しいです。


point
  • お断りさせていただきます。すみません!ほんとにすいません!
  • もし、〇〇さんだけコスト削減してしまうと、他に私たちを頼ってくれた経営者に申し訳が立たないです。
  • 御社の夢や理想を実現するために、私も含めてチーム一同、それこそ覚悟を決めて向き合わせていただきたい
  • 必要投資だと心にしまっていただいて、どうか定価でご検討いただけたら嬉しい



ボディーランゲージ

  • 相手から目を離さない(相手の目をずっと見つめている)
    └ 相手が、目をそらすぐらい
  • 机より前には乗り出さない。常に後ろに深く座っている
  • 姿勢がいい。背筋が伸びている。ペンを持っているときも
  • 手をよく動かす
  • 手は体の前で重ね合わせる(腰が低く見える。威圧的に見えない)
  • 怒らせたときは、胸に両手の指を当てる
  • 熱くなり、前のめりになるときも、体は机よりも後ろ(イスを引いている)
     └ 相手が身を乗り出している時も。
  • 金額を伝えるときは、机の上に両手を重ねて置いて動かない
  • 「ありがとうございます」など、頭を下げるときは、机に両手を置いて深々とおじぎする
  • 値引き交渉の辞退は両手を組んで胸にあてて話す(申し訳なさそうに見える)
  • 「ほんとすいません」というときは、両手を合わせる
  • 契約の意志を伝えてもらったら、小声でサインをお願いする(コミカルに聞こえる)


参考

西崎康平 ブラックな社長 二人のトップセールスが同じ商品を売ったらどちらが営業上手いのか?セレブリックス 今井さん編


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