天才的に優秀だが自己中で手間のかかる人材との付き合い方|寛容に受け入れ、守り、マネージする。ただし、損失を超えない範囲で

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世の中にはとても優秀で、様々なことに気が付いたり、他の人たちが導けないようなアイディアや結論に至ることができる人がいます。

一般に天才、秀才、奇才と言われる人たちです。

組織の中にいれば大きな成果を生み出してくれる一方で、自己中心的な考え方で周りを困らせたり、手間取らせたり、時間がかかることも少なくありません。

そういった優秀な異端児はどうすべきでしょうか?組織から追い出した方が組織のためになるのでしょうか?

ここでは異端児と付き合うときの心構えについてまとめています。


天才的な異端児と付き合う心構え

結論から言うと、組織に特大の成果と混乱をもたらす天才的な異端児と付き合う心構えは次になります。

天才的な異端児と付き合う心構え
  1. 寛容に受け入れ、守る。
  2. マネージャーは天才が他の人と手を組んで仕事を進められるようにする。
  3. できる限りサポートし、争いに費やす時間を最小限にする。
  4. 倫理に反したり、ネガティブが上回る場合は肩を持つ必要はない。


寛容に受け入れ、守る

どんな人にもプラスの面とマイナスの面があるように、規格外の天才も特大のプラスと特大のマイナスを持っているものです。

特大のマイナスはその才能を得るための犠牲ともいえます。

そして、天才的な才能はまぎれもなく価値があります。他の人たちがどんなに束になっても生み出せない規格外の成果をもたらすこともあります。

逆に、他社に流出してしまえば、大きな脅威になることは間違いありません。

そういった天才は寛容に受け入れ、時には守ってあげる必要があります。なぜなら、特大のエゴと脆さをも併せ持っているためです。

自分のこだわりがとても強く、一方で撃たれ弱い側面があります。

point

規格外の天才を寛容に受け入れ、守る


マネージャーは天才が他の人と手を組んで仕事を進められるようにする

規格外の天才を受け入れ、組織の中で能力を発揮してもらうために、マネージャーがやるべきことは、その天才が他の人と手を組んで仕事を進められるように環境を作りサポートすることです。

規格外の才能に見合う特大のエゴと脆さは、同僚をだしにしようとし、個人的な利益を得ようと企てたり、「自分が自分が」という態度が見え隠れしたり、ときには見え見えだったりします。

そうした態度や発言は同僚など周囲にいる人間の反感を買い、チームが強力しあって物事をすすめる邪魔になったりもします。

こういった軋轢を防いだり、発生した軋轢をスムーズにするのがマネージャーの役割です。


できる限りサポートし、争いに費やす時間を最小限にする

マネージャーは規格外の天才と周囲が連携して働けるように緩衝役になる以外に、天才が才能をフルに引き出せるようにサポートする必要があります。

また、それだけではなく、傲慢さや問題行動を抑えるようコーチングする必要があります。

そのためには天才と衝突したり争ったりする時間を最小限に抑えなければいけません。そうして生まれた時間を使って、天才のマネージメントをします。

point

天才と争う時間を最小限にして、生み出したエネルギーを天才の才能を引き出し、エゴと問題行動を抑えるために使う。


倫理に反したり、ネガティブが上回る場合は肩を持つ必要はない

天才を寛容に受け入れ、守り、サポートするといっても、それは決して無限や無条件ではありません。

時間をかけ手厚くサポートするのは、あくまで、その天才が企業や経営陣、同僚に与えるダメージを上回る価値を生み出す場合に限ります

おかしな行動が許されるのは、それが会社のためになる場合や、本人が会社のためだと意図している場合に限ります。

チームよりも自分を優先し始めることは決して許されません

倫理を外れたらアウト

どんなに規格外の天才でも、倫理を外れたら完全にアウトです。それは企業に利益をもたらすどころか、将来的にも大きな損失をもたらします。

ウソをつく、誠実さや倫理観に欠けた行動をとる。同僚への嫌がらせやいじめをする、チームの利益よりも自分の利益を優先するなど、こうした行動は決して許されるものではありません。


利益と損失を見極める質問

マネージャーや経営陣は規格外の天才が組織にもたらしている利益と損失を常に見張っている必要があります。

利益よりも損失が上回る場合は、もはや天才の肩を持ちサポートする必要はありません。

しかし、損失というのは明らかな失敗や明らかないじめといったものでない限りわかりずらいものでもあります。つまり、基本的には明確に見えてこないものです。

このため、次のような質問を問いかけて、損失を判断する必要があります。

損失を見極める質問
  • 組織のコミュニケーションを阻害していないか?
  • 人を遮ったり、攻撃していないか?
  • 発言しにくい空気をつくっていないか?
  • 経営陣の時間を取りすぎていないか?


まとめ

規格外の天才と上手に付き合っていくことは、これまでになかった成果を生み出すうえで非常に重要です。

そして規格外の天才こそもっともマネージメントを必要とします。

損失を最小限にして、成果を最大にするためにできることは何かや、損失が利益を超えていないかを見極める必要性があります。

Appleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務めたビル・キャンベルは次のように語っています。

他者との差別化に大いに貢献してくれそうな、おかしなやつらが入ってくる。会社が混乱に陥らないように彼らをマネージするのが、マネージャーの仕事だ。

規格外の天才たちが他の人と力を合わせられるようにするんだ。でなきゃお払い箱にするしかない。

全員が強力しあう環境で働かせなければならない。

point

規格外の天才には寛容であり、守ってやりさえする必要がある。だがそれは、倫理に反する行動や人を傷つけるような行動をとらず、経営陣や同僚へのダメージを上回る価値をもたらす場合に限ってだけのこと。



参考

この記事の内容はGoogleのCEOと会長を務めたエリック・シュミットやプロダクト責任者を務めたジョナサン・ローゼンバーグらが書いた「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の内容の一部要約と自分なりの解釈を加えたものです。

ビル・キャンベルはAppleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務め、世の中に偉大なリーダーを何人も送り出してきた人物です。

ビル・キャンベルが貫いてきた生き方やそこにまつわるストーリーには、最高のチームを作るためにリーダーやコーチが知っておくべき考え方や行動が宝の山のように詰まっています。

その考え方はビジネスやチームを成功に導くだけでなく、人として幸せに生きるためのより本質的な知恵でもあります。

この記事に興味を持たれた方は、本書を実際に手に取ってみることをお勧めします。あなたの人生をより幸せにし、成功へと導いてくれることは間違いありません。



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