崇高な理念を掲げ本気で取り組んでいる企業にとって、会社にぶらさがり自分の利益だけを優先したり、チームワークを壊したり、盗みや粉飾、ウソの報告をするような人は組織の中にいてはいけない存在です。
ここでは組織の中に潜む悪党の定義についてまとめています。
組織に潜む悪党の特徴とは?
会社の資産を盗んだり、いつも不平不満ばかりを言っている人は会社にとって望ましい存在でないことは明らかです。
ですが、それ以外にも組織の秩序を乱す次のような悪党には注意しなければいけません。
悪党とは簡単にいうと誠実さのない人のことです。
これらの悪党は時に成果をあげたり、表面的には上手くやっているように見えたりします。だからこそ、こういった片鱗が少しでも見えたら注意が必要です。
特に私たちが知っておかなければいけないことは「一度悪党らしき行動をした人は、ずっと悪党」だということです。
悪い行動をする人は過去にも同じような行動をしていますし、これから先の未来でも同じような行動をします。
一瞬だけ誠実さを忘れるといったことはありえません。
悪党の行為は周りに影響を及ぼす
悪党がほんの数人いるだけで、その行動や思考は周りに伝染します。
「朱に交われば赤くなる」「腐ったみかん」「悪は善よりも強し」といったことわざがあるように、わずかな悪があるだけでその悪はあっという間に組織全般に広まります。
その閾値は驚くほど低いため、悪党を見つけたら早急に取り除かなければいけません。
悪党を取り除くことに関しては、これでもかというほどの最新の注意を払う必要があります。
悪党をはじき出す方法
悪党を組織からはじき出すといっても、法律がありクビにすることはそう簡単ではありません。
ですが、悪党の性質を上手に利用すると比較的簡単に悪党をはじき出すことができます。
悪党は他人を蹴落としたり騙して自分の利益を得ようとします。
このため、もし悪党を見つけたら徹底的に評価せず、仕事を取りあげ他の優秀な社員に移すといった対処が効果的です。
自分の行動が評価につながらないと感じれば、よりおいしいメリットを求めて自ら去っていく可能性が高まるためです。
そもそも入社させない
とはいえ悪党が一人でも入り込んでしまうと、その対応に追われることになります。
悪党の存在に気付いたら評価しないといった対策を取ることはできますが、それでも時間がかかります。
悪党が会社を去るまで、悪しき考えは他にも伝搬してしまうので組織にとって大きなデメリットとなります。
一番重要なことはそもそも悪党を入社させないようにすることです。
入社基準をかなり厳しくして、本当に厳選した人のみに入社する権利を与える方が、長期的に見て会社がプラスの方向に向かって動きます。
徹底的に厳しくするのは組織の中に悪党を発見してからではなく、組織に入る人を見定める段階です。
応募してきた人が組織の文化にピッタリ合う人でない限りは、少ない人数で仕事を切り盛りして回す方がよほどいい成果が出ます。
非凡な天才と間違えてはいけない
超優秀で非凡な天才の中には、悪党とも見えるような行動をとる人がいます。
自分の意見を主張し決して譲らない、間違った意見を言う人をことごとく論破するなどです。
ですが、周囲がそういった奇抜な天才となんとか一緒に働くことができて、その人の行動によってマイナス以上の成果がもたらされる場合、組織の中に許容するべきです。
そういった非凡な天才は他の人には決して真似できないようなおもしろことをやり遂げ、投資に報いてくれる可能性が高いからです。
Appleの創業者でMacやiPod, iPhoneを世の中に送り出した世界的な成功者 スティーブ・ジョブズは「有能だが、クズ」と言われるような人で、一緒に働いた人たちからことごとく嫌われていたことで有名です。
ですが、その人物がMacやiPod, iPhoneなど世界を変える発明品を生み出したり、ピクサーのCEOを務めて、当時世の中を席巻していたディズニーの地位を脅かすなど、他の人では決して成し遂げられない偉業を達成しています。
参考
この記事の内容はGoogleの経営陣 エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジの共著「How Google Works ―私たちの働き方とマネジメント」の内容の一部抜粋と要約です。
一国家と同等な資金を持ち、世界中で知らない人はいないほどのGoogleという大成功企業の中で、
- どのような制度が用いられ、どのような人たちが働いているのか
- 人のやる気を引き出し、周りが見たら無理だと投げ出したくなるような事業をどのように達成に導いてきたのか
- 優秀な人材を獲得するための方法
- 採用時にやってはいけないこと
などなど、これからの時代に欠かすことのできない内容がギッシリ詰まった一冊です。堅苦しくなくユーモアがあり読みやすい文体ですので、ぜひ一読されることをお勧めします。