自分が好きな相手から好かれたり、信頼関係を築きたいと誰もが思います。
そのために「何を言おう」「どんな服を着よう」や「嫌われたらどうしよう」とあれこれ考えて一歩も踏み出せない人は少なくありません。
ここではそんな悩みを簡単に吹き飛ばす方法について紹介しています。
単純接触効果とは何か?
人には単純接触効果という心理があります。「何度も目にすれば好感を抱く」というものです。
この心理は接触が「単純」であるときに起こります。このため話しかける必要はありません。ただ相手の目に入る機会を増やすということです。
例えば、見慣れない漢字やCMで紹介されている商品など、最初のうちは「何これ?」「意味わからない」と不快感を覚えていたのが、何度も何度も見ているうちに、そういった不快感が軽減され「知ってる」に変わるということです。
会社で見たこともない人に急に話しかけたら「何!?」と思いますが、近くの部署で話したことはないけどよく見かけている人に話しかけられたら驚きは少なくなるのと同じです。
なので、もし好きな人がいたら、まずその人の目に入るように行動すると、相手が好感を頂きやすくなります。
好感を得るために1時間や2時間楽しさをキープして話し続けなければいけないではない。というのは朗報ではないでしょうか?
応用例
単純接触効果は様々なことに応用できます。
- マーケティング(CM、チラシ、DMなど)
- 好きな人
- お客さん
- 上司・部下の信頼性構築
など。
単純接触効果の実験
単純接触効果の実験は次のようなものが行われています。
漢字を見せる
アメリカの心理学者 ロバート・ザイアンスは、72名のアメリカ人に対して様々な漢字を見せる実験を行いました。
漢字を選んだのは「意味が想像できず」「全く触れたことがない」「発音もできない」ものであるためです。
漢字ごとに見せる回数を変えて、最後に「どの文字がいい意味を持つと思うか?」という質問をしました。
その結果、目にした回数が多かった漢字ほど「良い」という回答が得られました。
人の写真を見せる
ロバート・ザイアンスは顔写真を用いた実験を行っています。
被験者に対し、それぞれ別の人が写った12人の顔写真を1枚につき2秒ほどのペースで繰り返し見せます。
見せる回数は写真ごと0~25回と変化させます。
そして最後に、すべての写真に対して0~6の7段階で好感度を振り分けてもらいます。
この結果、数回しか目にしていない人の顔より、10回ほど目にした顔の方が好感度が高いことがわかりました。
ただし、この実験には注意点があります。
それは顔写真の第一印象で「好感」「嫌い」がある程度分かれて、接触回数どおりにいかなかったものもあるということです。
つまり、相手があなたに対してニュートラルな印象であれば、接触するごとに好感度は増えていきます。
ですが、最初に「不潔」という印象を与えてしまえば、接触回数を上げたところで好感に変わるとは限りません。
また、5回から10回と、10回から25回では好感度のポイントの上がり具合が下がります。
このため、あまりにたくさんの100回や1000回の単純接触を繰り返したからといってものすごく好きになるわけではないということです。