【勉強・運動神経以外の評価軸】何かに劣っているとは、何かに優れているということ|人の良いところに目を向ける

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私たちは学校教育の影響もあり、何かにつけて比較をし優劣をつけたがります。ほんのわずかな差でも、相手をこき下ろしたり、あるいは自分を良く見せようとしたりします。

勉強ができな人、スポーツができない人、不器用な人はダメだという烙印を押します。

手、足、目、耳など障害を抱えている人は別のくくりに分類されます。

ですがこの世には絶対的に優れた人などいません。何かに劣っている人は、必ず何かに秀でた部分があります

ここでは、私たちが学校で学んだ優劣とは何なのか?劣っている人にも、秀でた部分があるとはどういうことなのか?についてまとめています。


学校で学ぶ優劣のウソ

私たちが学校で学ぶ主な要素は「勉強」と「身体能力」です。それらに成績をつけ、誰が頭が悪く、運動神経が悪いか、誰が頭が良く、運動神経が良いかの優劣を決めます。

一般的な教育期間の小学校から高校までの9年という長い月日をかけてそれをやり続けるわけです。

そのような環境で育った人たちは「勉強ができる」「スポーツができる」=「優秀」だと思い込みます

誰もが優秀でありたいものです。ダメなヤツの烙印を押されたい人はこの世に一人もいません。だから、みんながこぞって他人を見下し、自分が上であることを誇示しようとします。

しかし、社会に出てみると、学校教育の「勉強」と「身体能力」という2つの評価軸だけではなくなります

勉強ができなくてもトップの営業成績を上げる人がいます。身体能力が悪くても世紀の大発明をする人がいます。

逆に、勉強していい成績をとることだけに人生を捧げ東大まで出たのに、働き口が見つからない、あるいは職場でいい成績が収められない人がいます。

運動に全てを捧げてきたのに、上には上がいて結果を出せず挫折してしまう人もいます。

私たちは学校教育を通して、「勉強ができること」と「スポーツができること」の2つがこの世で重要な評価軸だという教え込まれ、洗脳されているわけです。

このことに早く気づかないと、社会に出てから挫折や苦悩を味わい、痛い目を見ることになります。


同じぐらい重要な様々な評価軸

世の中には「勉強ができる」「スポーツができる」以外にも、ありとあらゆる評価軸があります。

それらの評価軸は「勉強」や「身体能力」よりも優先順位が低いわけではありません。

学校という非常に限られた狭い環境が特殊なだけで、社会に出れば「勉強」や「身体能力」以外の評価軸優劣無く、横並びになっています


劣っている人の優れたところ

スティーヴィー・ワンダーという歌手をご存じでしょうか?少し年代が古いので知らない人が多いかもしれません。

スティーヴィー・ワンダーはU.S.トップ10入り30曲以上、グラミー賞を22部門で受賞、世界で最も受賞回数が多い音楽界の伝説的な歌手です。

さぞかし優れた人なんだろうと思うかもしれませんが、幼少期のスティーヴィー・ワンダーは強い劣等感の塊で生きる自信すらありませんでした

というのも、スティーヴィー・ワンダーは生まれてすぐに目が見えなくなってしまったからです。更に4歳の時に両親が別々になり、父はスティーヴィー・ワンダーの元を去っています。

恵まれているとはお世辞でもいえない環境の中、目が見えない少年としてハンディキャップを背負ってずっと生活してきました

ある日、そんなスティーヴィー・ワンダーの劣等感を払拭する出来事が起こりました。それをやったのは当時の学校の先生のわずかな言葉でした。

学校のクラスでネズミを飼っていたのですが、そのネズミが教室のどこかに逃げ出してしまいます。子供たちは大騒ぎをして探そうとしますがぜんぜん見つかりません。

そのとき先生がこう言いました「みんなスティーヴィーを残してそっと教室を出て。スティーヴィーお願いだからネズミを探してくれない」

他の子供たちはこの先生の一言に「スティーヴィーは目が見えないんだから、探せるわけがないだろう」と反論しました。

そこで先生は続けてこう言いました。

あなたたちは知らないだけ。スティーヴィーは確かに目が見えない。でもあなたたちの何十倍も優れた耳を持っているのよ。

子供たちはその言葉に疑いをもち、文句をいいながらも教室の外に出ました。

しばらくして、スティーヴィーが「見つけた」と叫び、ネズミを見つけ出しました。


スティーヴィー・ワンダーとして世界中に名前が知られた後で、あるとき雑誌のインタビューで「なぜ音楽の道に進んだのですか?」と聞かれ、次のように答えています。

僕は小学校のとき、自分はハンディキャップがあるからといって自信がなかった。生きる自信すら失いかけていました。

でもその時に、僕の耳が普通の人の何十倍も凄いということを教えてくれた人がいたんだ。

先生がそのことを教えてくれた。先生のその言葉が僕に生きる自信を与えてくれたんだ。

point
  • 劣っている人は、他の部分が優れている。
  • 優れた部分を見つけ認めると、人は生きる勇気を持つ。


優れているを見つけて伝える

スティーヴィー・ワンダーの場合は「目が見えない」というあまりにも強烈な特徴のために、みんながそこにばかり目を向けていました。本人ですらもそれしか見えていませんでした。

ところが、先生はその強烈な特徴を見るのではなく、他の部分にある優れた特徴を見つめていました

私たちは、ある特徴的な出来事があるとそこにばかり目を向けてしまう生き物です。それが良い悪いではなく、そういう性質なのです。

見た目が良い人や、優秀な成績を修めている人の凄いところは特徴的で直ぐに目に入ります。逆に、そういった特徴がないと、どこがいいのかはわからないものです。

だからといって、この人は「すごくない」「ダメだ」「劣っている」と考えてはいけません。

ぱっと見の特徴では見つからない、優れた部分に目を向ける必要があります

人は必ず優れた部分を持っています。


劣っていると優れているは表裏一体

スティーヴィー・ワンダーの場合は「目が見えない」の代わりに、「聴力がすごい」という能力がありました。

これは、他の場所に優れている部分がある例です。

ですが、これ以外にも、実は劣っていると思っているところが優れているところだったという場合があります。

「要領が悪くて、仕事が遅い」という人がいます。その人は裏を返せば「まじめで、丁寧」ということです。

「声が小さい」という人は「物静かで、人の話をよく聞く」ともいえます。「記憶力が悪い」は「嫌なことを直ぐに見ずに流せ、立ち直りが早い」ともいえます。

このように劣っている部分と優れている部分は表裏一体であることがほとんどです。

劣っているところにばかり目を向けていたら、劣っているところしか見えません

でも、優れた部分に目を向けようとしたら、優れた部分が見えてきます

例えば、バイキンマンはいつも悪事を働き、人々を苦しめようとしています。その度にアンパンマンにけちょんけちょんにやられます。

ですがその度に不屈の精神と新しい発想力で立ち上がり挑戦を重ねます。決して絶望することはありません。この世界を真っ黒に染めるあげるという強烈な目的意識も持っています。

バイキンマンは「不屈の精神」「トライ&エラー」「発想力」「一つの目標を追い続けるひたむきさ」などの優れた部分をもっているといえます。

point
  • 誰もが優れた部分を持っている。
  • 優れた部分は意識的に見ようとなければ、見えてこない。


劣っている→優れているへの言い換

あなたが相手の性格や行動に対して、不満に思いイライラしていることは、優れていることに言い換えることができます。

劣った特徴優れた特徴
ノロマ、遅い、とろくさいゆっくり丁寧
早口で何言ってるのかわからない頭の回転が速い
小声でボソボソ喋る物静かで大人しい
うるさい話すのが得意
散らかす好奇心旺盛
デブ食欲がある
ガリガリ痩せている。省エネ

「汚い」「臭い」「物わかりが悪い」など優れた言い換えが難しいときは、その目立つ特徴から目を逸らす必要があります。どんな人にも必ず優れた部分があります。

もし、優れた部分が見つからないとしたら、それはあなたの努力不足です。

優れた部分を見つけれるようになれば、この世の中が楽しくなります。あなたと出会った相手も楽しく幸せになります。

世の中は学校とは異なる評価軸で動いています。過去の教育に縛られず、優れた部分をどんどんと見つけよりいい人生を手に入れていきましょう。


参考

この記事の内容は複数の企業を経営する中村信二さんの「営業の魔法」の一部要約および、自分なりの解釈を加えたものです。

営業の魔法は音声版で楽しく学ぶことができるものです。美しい心理描写のストーリー仕立てで、主人公が学びながら成長していく姿がありありと目に浮かびます。

最初から最後まで心からうならされる学びで満ちています。感動にも満ち溢れ、心が熱くなること間違いありません。

仕事や生き方で迷っている人はぜひ聞いてみることをお勧めします。心に希望の光を与えてくれる、何度も何度も聞き返す価値のある素晴らしい一冊です。



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