2010年以降ミニマリストという言葉が浸透してきています。
その背景はIT革命や東日本大震災などの時代の変化とともに、多くの人が「モノをたくさん持っていることが」幸せではななく、永遠に満たされない不幸せや、生き延びるリスクであると気付いたことです。
そして幸せの形が「モノたくさん持っていることが幸せ」から「大切なものだけに囲まれている方が幸せ」へと変化したためです。
「高価なもの」や「多くのモノ」を持っていることが幸せと考えてしまうのは、あなたが悪いわけではありません。現代の環境で育てばそういった考え方を持ってしまうのは普通のことだからです。
前回の記事で人がなぜそういった勘違いをしてしまうのかを解説しました。そのことに気付くことができたら幸せへの道、つまりミニマリストへの一歩を踏み出したのも同じです。
ですが、いざミニマリストになろうと思っても「なかなか物が捨てられない」「どれも捨てるのがもったいない」と考えてしまいなかなか前に進まないのが普通です。
ミニマリストになるためには考え方の技術が必要です。この考え方さえ身に付ければ誰もが簡単になれるものです。
ここではミニマリスとになるための具体的な方法について解説しています。
モノを捨てる方法
身の回りから大切でないものを捨て、大切なものに囲まれて生きるには、次の4つのステップを実行するだけです。
明らかなゴミを捨てる
ミニマリストになるための1stステップは「明らかなゴミを捨てる」です。
「明らかなゴミを捨てる」ことは当たり前のことです。「ですよね」となる場合は、明らかなゴミが家の中に放置されている可能性が高いです。
床の上だけではありません。本棚、机の上、引き出しの中、押し入れの中、パソコンの中、スマホの中など、あらゆるところにしまい込んでいる二度と使うことがない明らかなゴミを捨てることです。
明らかなゴミを捨てないと、モノと情報に埋もれた状態から抜け出せません。これらを捨てたところでようやく次のステップに進むことができます。
他人から見て「明らかなゴミ」であっても、「まだ使うかもしれない」と感じることもあります。捨てるときの基準は次の3つです。
複数所有しているモノは捨てる
例えば家族や友達との写真など、ほぼ同じ顔で写っている写真が何枚も保存されていることはないでしょうか?
「いつか使うかも」「どれかが必要になるかも」と思ってしまいがちですが、それぞれをシーンに分けて使い分けることはありません。
現像して家に飾ってある家族写真や子供の時の写真を思い浮かべてください。それは1枚(1パターン)しかありませんが、その1枚の写真を見るだけで思い出は十分によみがえります。
ボールペンが何本もある。使いかけの消しゴムが何個もあるのも同じです。1個あれば十分です。
全く同じ・ほぼ同じものは捨てて問題ありません。
マインドの変更が重要
「複数持っているモノを捨てる」「1個あれば十分」というマインドは実はとても大切です。
不安症の人でトイレットペーパーを何個も買い置きしたり、シャンプーやリンスを何個も買い置きしている人がいます。
そういう人たちは「もっと広い部屋、もっと大きな家があればいいのに」と言います。ですが、マインドが変わらなければ、もっと大きな家に引っ越したところで、よりたくさんのストック品が増えるだけです。
それでも不安だと言う人は、「トイレットペーパーを1パックしかストックしてない人が死ぬことがあるか?」「シャンプーやリンスを何個もストックしていない人が死ぬことがあるか?」を想像してみてください。
あなたよりもストックをしていない人たちが、そのせいで死ぬことはありません。
1年間使っていないモノは捨てる
モノを捨てるときに大きな障害になるのは「いつか使うかも」という感情です。
「いつか使うかも」はかなり強力な言葉です。この言葉を言われたら人は何も捨て慣れなくなります。
なぜなら、この世にあるすべてのモノは「いつか使うかもしれないし、使わないかもしれない」からです。使おうと思えば使えますし、使わなければ使わないで暮らすことができるからです。
「いつか使うかも」という言葉に対しては、基準を設定しない限り捨てられるようにはなりません。
その基準は「1年間使っていなかったら捨てる」です。いつか着るかも、いつか乗るかもも同じです。
「いつか使うかもしれない」「いつか着るかもしれない」と言って、7年越しに使ったり着ることがあるでしょうか?
その時にはもっと使いやすくていいものが出ている可能性の方が圧倒的に高いです。
他者目線で買ったモノは捨てる
これを身に付けたら「カッコいいと思われるだろう」「カワイイと思われるだろう」と考える他者目線のためのモノはすべて捨てて問題ありません。
実際のところそれを身に付けたところで周りの人はあなたが思っているほど「カッコいい」「カワイイ」とは思っていません。
他者目線で買ったモノを身に付けていると、自分はそこまで好きとも思ってない、そして、周りも自分が思っているほどいいと思っていないの2つの要素により幸福や満足を感じることはできません。
私が好き・大切という感情ではなく、他人から見て「~だろう」という目線で買ったものを所有しているとむしろ不幸になります。
高級なモノ・いいモノを持っていてもモテない
勘違いの多くに「高級なモノ」「いいモノ」を持っていればモテるという考えがあります。
ですが、あなたは相手が「高級なモノを持っている人が好き」「いいモノを持っているから好き」となるでしょうか?
それよりも、その人がどういう人かの方が大切ではないでしょうか?つまり、「高級なモノ」「いいモノ」を持っている=モテるとは別物です。
むしろ、あなたが「高級なもの」「いいモノ」を持っているからあなたのことが好きと言って寄ってくる人はロクなものではありません。
その人たちが欲しいのはあなたが持っているお金やブランド品であって、あなたが欲しいわけではありません。
そこに気付けないと、そもそも幸せな人生を送ることはできません。
収納や工夫をしない
ミニマリストになるための2ndステップは「収納や工夫をしない」です。
モノを捨てるときにやってくる大きな障害に「捨てるのはもったいないから、収納したり、工夫すればしまえる」という感情があります。
「捨てる」とは過激に聞こえる言葉です。なので、捨てずに穏便に行こうという考え方です。
分類しやすそうな箱を買っても分類しない
そもそも人は「これあったら便利かも」と言って分類しやすそうな箱や棚を買って、その通りに分類している人は稀です。
むしろ、その箱を整理するための箱が必要になっている人がほとんどです。
押し入れを空けると、箱があり、その箱の中に箱があり、その中に、、、というように余計な箱が大量にないでしょうか?
お菓子の入っていた容器を捨てる
お菓子の入っていた容器も同じです。おしゃれなプリンの入っていた容器は必要ありません。
かわいいディズニーの缶も必要ありません。それが無くても生活できていたのに、それがあることで何かに使わなければいけなくなります。
ビン詰めをしたいときや、収納用の缶が必要になるときがあるかもしれません。その時は100均に生きましょう。100円で手に入ります。
必要なものを必要な量だけ買う習慣を身に付けることが幸せになるために外せない技術です。
サービスを利用する
捨てる時に一度にいろいろと捨てるのは大変なことでもあります。
「タダで捨てるのはできない、せめて売りたい」という人たちのために便利なサービスがあります。
例えば、まとめて送れば代理でオークションに出品してくれるサービス。出張買取にきて引き取ってくれるサービスもあります。
メルカリやヤフオクを使って1点1点出品する方法が手間がかかるのであまりお勧めではありません。
後輩はあなたのモノを要らない
自分が要らないものを「これあげるよ」と言って後輩にあげて「いいことをした」という気分になっている人がいます。
ですが、後輩はあなたの服もアクセサリーもいりません。捨てづらくて迷惑です。
後輩は後輩で必要になったときに買います。
クラウドにアップする
明らかなゴミを捨て、重複しているモノを捨て、1年使っていないモノを捨て、収納を工夫して空間に押し込むことをやめ、自分で捨てきれないモノをサービスを使って捨てれば、モノはかなり減った状態になります。
ここまできたらミニマリストにかなり近いところまできています。
最後の仕上げは、売ることができない思い出のモノを写真を撮ってクラウドにアップし、写真を撮ったものは捨てます。
人は何をあげたか覚えていない・確かめない
人は何かをプレゼントするときにその時に「いいな」と思ったものをあげています。なので、数年もすれば忘れます。
つまり、人はプレゼントしたモノをだいたい覚えていません。そのうえで、使ってるかどうかを確かめることはありません。
なぜ確かめないかというと、みんな同じような経験をしているからです。誰もが「もらったけどコレいらないな」と思うものを持っています。そして捨てています。
犯罪者が犯罪者を捕まえようとしないのと同じです。自分の罪があからさまにならないように、わかっていても黙っているのが人の性質です。
思い出のメモリーズたちは、写メをとってメモリにしクラウドにアップして問題ありません。
大事なのはモノより思い出
一番大切なことを忘れてはいけません、大事なのはモノより思い出です。
モノをあげたり、貰ったモノを持っていることよりも、その人との関係性の方が重要です。「あとのきは贈り物をありがとう」という気持ちを思い出せるほうが大切です。
あなたは優しい人
思いでの寄せ書きや、家族からの手紙、思い出の品を捨てると「冷徹」「残酷」というイメージを持ちがちですが、決してそうではありません。
思いでの寄せ書きや、家族からの手紙、思い出の品を捨てようが、それを写真をとって管理し、時々眺めて思い出に浸っていればあなたは優しい人です。
むしろ本当に冷たいのは、貰ったものを箱や押し入れに入れて、何年間も忘れ去ったように一度も見ない人です。
どちらの人が関係性や思い出を大切にしているかを考えてみれば答えは明白です。
ミニマリスト=冷たい人というのは勘違いです。ミニマリストで温かく優しい人は両立できます。
データで保管する時代が当たり前になる
今はまだ「データにするなんて」と思う人がいます。ですが、これも時代とともにデータで保管することが当たり前になっていきます。
音楽もそうです。未だに「レコード盤じゃないといけない!」と思っている人はいません。今はカセットテープでも、CDでも、インストールしたデータでもなく、ストリーミングです。
感謝する
たくさん捨ててとても身軽になった、それでも「モノが欲しくなる」「人と比べてしまう」という人が簡単にその状態から抜け出せる方法があります。
それは、今あるモノに感謝することです。
まだ持っていない、洋服、カバン、時計、車、家、「いいね」、フォロワーを「もっと欲しい」と言って求めるのではなく、既に持っているモノに感謝することです。
「もっといい洋服が欲しい」→「今持っている洋服に感謝」
「もっといい時計が欲しい」→「今持っている時計に感謝」
「もっといい車が欲しい」→「今持っている車に感謝」
「もっといい家が欲しい」→「今持っている家に感謝」
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考え方に納得して、行動に移していけばあなたは必ずミニマリストになれます。そして気づきます、
「生きるために必要なものはほとんどない」という事実に。