【サクラの効果】他の人と同じ行動をとる理由|現代社会では不要

思考法
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ネットの口コミやショッピングなどサクラ(おとり)が使われることがあります。

使っていない人が「これはとても良かった!」という口コミを書いたり、商品説明の場であらかじめ示し合わせていた人が商品を購入したりする行為です。

これらは単純ですがとても強力な効果を発揮します。

「他の人がそうしたら、自分だってそうするのは当然」と思う人も少なくないと思います。ですが、人はなぜ他の人がしたことを当然と思って自分もやるのでしょうか?

ここでは人が他の人と同じ行動をとる理由について解説しています。


他の人と同じ行動をとる理由

多くの人がある1方向を見ていれば、あなたもその方向を見ます。多くの人が走って逆走していれば、あなたも走って逆走します。

その時に深くは考えません。ただみんながそうしているから、そうするだけです。

これは生き残るために私たちに組み込まれた本能です。

時代をかなり遡り狩猟採集時代にワープして、あなたが狩りに出かけたとします。他の仲間が一目さんで逃げているとします。それは危険な動物に遭遇したり、落石が転がってきたり、危険な場面であることがほとんどです。

生存確率を上げるには1秒でも早く逃げる以外に方法はありません。

命の危険がほとんどない現代でも、私たちが何も考えずに他の人と同じ行動をするのは本能的に仕方のないことです


他の人と同じ行動をとる必要があるか?

現代においても、戦争やテロ、自然災害など他の人と同じ行動をとることで生存確率が上がることがあります。

そういった災害に巻き込まれたとき、他の人と同じ行動をとる本能は抜群の効果を発揮します。

ですが、現代においてそのような事態に巻き込まれることはほとんどありません。あっても1年に1回あるかどうか。人によっては一生に一度あるかです。狩猟採集の時代とは比べ物にならないくらい安全です。

つまり、現代社会ではほとんどの場合において「他の人と同じ行動をとる必要はない」といえます。

むしろ、現代ではこの本能を逆手にとり人を欺く行為がそこかしこで行われています


大勢が正しいと言うと正しいと思う

この本能は人の判断に大きな影響を与えます。すなわち、正常な判断をできなくする力があるということです。

正常な判断ができない

一人では正しく判断できるのに、複数人いると正常に判断できなくなることを証明する実験が、1950年にアメリカの心理学者 ソロモン・アッシュによって行われました。

実験内容はいたって簡単です。2本の線を順番に見せて「2本目の線は1本目よりも長いか、短いか、それとも同じ長さか?」を答えるだけです。

被験者が1人の状態で実験を行ったときは100%正しく答えることができました。

次に、サクラ(おとり)となる人を7人その部屋に送り込み、わざと間違った答えを言わせます。そして最後に被験者に長さを尋ねると、30%の人が前の人と同じく間違った答えを言いました

これは、人は集団の中にいると、考えや行動が周囲の影響を受ける生き物であることを証明しています。

point

人は一人だと正しい判断ができるのに、集団になると判断を間違う。


大勢の人と同じ意見になる

この本能によって、本来は間違っていることも多くの人が「正しい」と言えば、人は「正しい」と思い込みます

逆に、本当は正しいことでも多くの人が「間違っている」と言えば、人は「間違っている」と思い込みます

ヒトラーが「ユダヤ人こそ我々の敵だ、不幸の原因だ」と声高々に言い放ち、周りがそれに同調すると、ドイツ人の多くの人がそれを信じ込みました。

タスマニアに生息しているタスマニアンデビルはその見た目から「黒い悪魔」と称され、多くの人が悪魔だと信じ込み虐殺を繰り返した結果、絶滅の危機に瀕しています。

「黒い猫を見たら不吉」という迷信を周りの人たちがみな信じ込んでいると、自分までそのように思い込んでしまいます。

ほんの数年前まで西洋では多くの人が神は実在すると本気で信じていました(今も一部の人は信じています)。それは周りの多くの人がそうだと信じていたからです。

1500年頃まで約1000年間もの間人は地球が天体の中心だと考えていました(地動説)。そしてコペルニクスが地球は太陽の周りを回っているという真実を伝えても誰も信じませんでした。

このように、人が大勢の人が「正しい」と言っていることを「正しい」と思い込む例は枚挙にいとまがありません。

それが悪いというわけではなく、人はそういう性質を持っているということです。

point

人は間違ったことも、周りが正しいと言えば、正しいと思う生き物。


本能で騙す

現代では「他の人と同じ行動をとる」ことが生存確率を上げるどころか、搾取のカモとして使われることの方が多いです。

他の人と同じ行動をとる本能は言い換えると、人は集団の中にいると正常な判断ができないとうことです。

サクラ(おとり)の力

サクラ(おとり)は「人が集団の中では正常な判断ができない」「考えや行動が前の人につられる」という人の性質を巧みに利用した商法です。

この方法を使えば、本当は買う必要のない商品や、大した意味を持たない商品を売ることも簡単にできます。


みんな買っています

「みんな買っています」や「みなさんやられています」という言葉も、人が他の人と同じ行動をとる本能を上手く活用したマジックワードです。

「みんなやっている」と聞くと「自分もそうするべき」と感じるのが人の性質です。


1番売れているから優れている

「わが社の商品は1番売れているから1番優れている」という宣伝文句もあります。

人は「多くの人が買っている」=「商品は正しい」と思い込みます

ですが、販売量と一番優れているかどうかは関係がありません。製品の質が低くてもマーケティングにお金をかけたり、たくさんのサクラを巧みに使えば一番多く売ることはできます。


意識的に「他の人と同じ行動をとらない」

「他の人と同じ行動をとる」は避けがたいものです。本能なので仕方ありません。

だからこそ、現代社会で賢く生きるには意識的に「他の人と同じ行動をとらない」ようにすることが、正しく判断する秘訣になります。

  • みんなが正しいと言っているけど、本当にそうか疑ってみる。
  • みんながいいと言っているけど、本当にいいのか疑ってみる。
  • みんなが買っているけど、本当に買うべきなのか疑ってみる。
  • みんなが悪いと言っているけど、本当に悪いのか疑ってみる。

真実かどうかを見分けるには一度疑ってみる以外に方法はありません。

5千万人が「正しい」と主張したところで、間違っていることは真実にはならない。


参考

この記事の内容はスイスの有名起業家 ロルフ・ドベリが記した「Think right ~誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法~」の一部抜粋と要約です。

人が陥りがちな思考の罠がとてもわかりやすくまとまっています。この記事の内容以外にも全部で52個の人の性質がわかりやすい具体例で解説されています。

この記事の内容でハッとした部分が一つでもあった方は是非手に取ってご覧になられることをお勧めします。

あなたの人生をより賢く豊かにしてくれることは間違いありません。


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