【利率3%は超強力!】人は大きな数を直感的に理解できない|倍加時間とは何か?わかりやすく簡単な計算方法

思考法
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私たちは日々の中で小さな足し算を行っています。1,2,3,4や100や1000など見慣れたものです。

お店に行ったときや買い物するときは1円単位で細かく計算する人もいます。

ですが直感的にする計算には大きな問題点があります。それはべき乗など倍々で増えていく数値を理解できないということです。


1日10万円か1日2円の倍々か

お金持ちのおじさんが「今日から1か月間(30日間)だけ次のどちらかの方法でお金をあげるよ」と言ってきたらあなたはどちらを選択するでしょうか?

どっちがいい?

(A)1日10万円づつもらう。
(B)1日目は2円、2日目は4円、3日目は8円というように2倍した金額をもらう。

この結果はAと答える人がほとんどです。なぜなら、1日10万円ももらえたら30日後には300万円にもなるからです。

ではBの場合はどうでしょうか?

残念なことに人は2倍づつする計算ができません。理由は数値があまりにも大きくなりすぎるからです。

頑張って暗算してもいい4桁計算できればすごい方です。

なお4桁は2の13乗(2^13 = 8192)です。つまり、14日目以降にいくらになるかパッと思い浮かぶ人はほぼ皆無です。

もしBと答えていると30日目には10億円以上もらえます(!!!)。30日間の通算でもらえるお金は21億47百万円です。

残念ながら人間の暗算能力を遥かに超えています。

なお、理解できないだけならいいのですが、「直感的にわかったつもりになる」というのが危険です。

point
  • 人はべき乗など倍々で増える数値を直感的に理解できない生き物。
  • 直感的にわかったつもりになってしまう。


年利3%は大きい?小さい?

「年利3%」と聞くととても小さいように感じます。「なんだたったの3%か。そんな少しならどうでもいいや」と考える人は少なくないでしょう。

ですが年利3%は実はすさまじいです。約23年後に倍になります

1000万円を年利3%で運用したら、約23年後には2000万円になるということです。

年利4%の場合は約17年後、年利5%の場合は14年後に2倍になります。

「年利」と「1%の差」はとてつもなく大きいです。

point

「年利」の数値をあなどってはいけない。数%で将来大金が手に入る。


年利計算は簡単にできる(2倍になるまでの期間)

上記で示したように「年利〇%だと、何年後に2倍になるか?」はとても簡単に計算できます

70÷パーセント=2倍になる年数

たったのこれだけです。

年利3%なら、70÷3=23.3… なので約23年になります。


倍加時間とは何か?

金利〇%で運用したときに2倍になるまでの時間を簡単に計算したように、何らかの数値や量が2倍になるまでの時間を「倍加時間(ばいかじかん)」といいます。(倍増時間ともいったりします)

倍加時間の細かい計算式はWikipediaをご参考ください。

なお英語ではdoubling timeといいます。日本語よりも直感的に分かりやすくネーミングセンスがあります。


べき乗や増加割合の予測は厳禁

人は直感的にべき乗や金利のような増加割合の計算をすることができません

このため、このたぐいの計算をするときは電卓が必須です。

自分の計算能力や直感を信じている人は罠にはまります


リボルビンぐ払いのワナ

最近ではいろいろなクレジットカード会社や楽天などの金融を取り扱う企業がリボルビング払いをすすめてきます。

リボルビング払いの金利は15~20%です。「月々の返済額が小さいからまあいいか」と思っている人は完全に金融業界のワナにはまっています。

金利20%とは3.5年で決められた額の2倍払うということです。(15%だと4.7年です)

リボルビング払いは月々の返済額が決まっています。例えば月10,000円だったとすれば、3.5年後には余計に1万円払うことになるということです。

しかも、上限額が設定されているので一括で返しきることができません。大きな買い物をしたり追加で買い物をし続ける限り永遠に借金し続けるという仕組みです。

恐ろしいことにクレジットカードを契約した時点のデフォルトがリボルビング払いになっていることすらありました。

point

金利数%のワナは現代でもあちこちに潜んでいる。計算して調べる以外に避ける方法はない。



古代ペルシャの逸話

古代ペルシャに面白いストーリーがあります。

ペルシャの宮殿である臣下が王様にチェス盤を献上しました。チェス盤を始めて目にした王様は喜び「褒美は何が欲しい?」と尋ねました。

すると臣下は「王様、チェス盤に米粒を盛っていただければそれで結構でございます。1マス目には米1粒を、2マス目には米2粒を、3マス目には4粒と、順番に2倍の米粒を置いていってください

と申し出ました。王様は「おお、なんと控えめな望みだ」と驚きました。

さて、王様がこの臣下に渡す米粒の数はいくつでしょうか?

チェスの升目は64マスあります。

64日目にもらえる米粒の数は1.8 x 10^19 個です。10^19は日本の単位だと千京(せんけい)です。(万、億、兆、京)

お米一粒が0.02gなので、重さにすると1.8兆kgです。64日目までにもらえるお米の合計は3.7兆kgです。

数値が大きすぎてピンときませんが、世界中で収穫されるよりも多い量のお米を要求したのと同じということです。


4000年前から計算していた

紀元前1900~1600年に繁栄したバビロニア王国は金貸し業で発展しました。

4000年前に書かれた石板に「月に複利なしの金利1/60で与えたとき、何年で倍になるか求めよ」という問題が刻まれています。

なお答えは「5年」です。計算方法は次のようになります。

  1. 年間の金利は12/60 = 20%
  2. 複利無しの倍加時間は100/20 = 5年
point

4000年前から賢い人たちは金利を計算していた。


金利は計算しないと騙されます。逆に、計算をきちんとすれば小さい数字に見えるので儲けることもできます。

現代は電卓やエクセルという素晴らしい文明の利器があります。計算の手間を惜しんで、一生損するような選択をしないことが大切です。


参考

この記事のスイスの有名起業家 ロルフ・ドベリが記した「Think right ~誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法~」の一部抜粋と要約です。

人が陥りがちな思考の罠がとてもわかりやすくまとまっています。この記事の内容以外にも全部で52個の人の性質がわかりやすい具体例で解説されています。

この記事の内容でハッとした部分が一つでもあった方は是非手に取ってご覧になられることをお勧めします。

あなたの人生をより賢く豊かにしてくれることは間違いありません。


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