【ビギナーズラックは危険!?】運と才能の見極め方|初心者の幸運が危険な理由

思考法
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初めての競馬で大当たりした。初めてのパチンコで大当たりした。初めての試合で大勝利できたなど、この世の中にはビギナーズラックが溢れています。

あなたはビギナーズラックは幸運の証だと思うでしょうか?

賢い人たちはビギナーズラックを幸運の証だとは考えていませんむしろ危険で注意すべきことだと考えています

ここではビギナーズラックの危険性と才能との見分け方について解説しています。


ビギナーズラックが危険な理由

ビギナーズラックがなぜ危険かというと、人が持つ思考の性質に理由があります。

人の脳は自動的に連想してしまう性質があるからです。

いい結果があると無理やりその理由を見つけ出そうとします(悪い結果の場合も同じです)

どういうことかというと、一度大きな幸運に恵まれると「自分はこれが得意なんだ」と勘違いしてしまうということです。

勘違いするということは正常に判断できないということです。

「運」と「得意」や「実力」は全く関係がないものです。一定の確率で当たるものであれば、実力が無く不得意でも当たります。

point

人の脳には、正しさに関係なく自動的に連想付けてしまう機能が備わっている。これが勘違いの原因になる。


危険なビギナーズラックの例

ギャンブル

ビギナーズラックの危険な代表例はギャンブルです。

競馬に行ったときに1番最初に買った馬券で大当たりすると「私には競馬の神がついている」といった勘違いをしやすくなります。

「たまたま偶然当たった」とは考えないものです。

そして、喜んでもう一度賭けをします。一度負けたとしても「大丈夫、私には実績があるから」と自分に言いきかせその後も何度もお金をかけ続けます。

気づくと立派なギャンブル依存症で、もはやそこから抜け出すことは難しくなります。

ギャンブルから抜け出すためには、生まれて初めて馬券を買った瞬間に戻って「私には競馬の神がついている」と脳が自動的に連想してしまった勘違いを、「たまたま偶然当たった」と書き変える必要があります。

確率を計算してみるのもいいでしょう。もし自分のビギナーズラックの確率が1/10000だとしたら、残り9999回は外れる確率が圧倒的に高いということです。

掛け金 × 9999をすれば大体の損失額を予想できます。(1回の掛け金が1万円なら、約1億円(9千9百9十9万円)損をするということです)


M&A

企業買収(M&A)も同じことが言えます。

ある会社AをM&Aで購入したとします。A社の立て直しには1年間を要しました。苦労したもののA社が大当たりし資産を生み出しました。努力したこともあり「私にはM&Aの才能がある」と思い込みます

そこで、より高額のB社を購入することにしました。B社を苦労して再建しましたが、結果は悲惨なもので大損失を被り、結果A社も元々あった自社も全て手放す結果になりました。

point

努力したからといって自分の才能とは限らない。初回の成功はビギナーズラックの可能性が高い。


ビギナーズラックと才能の見極め方

ビギナーズラックなのか才能(実力)なのかを見極める方法は次の2つです。

  1. 長期間に渡って成功し続けている。
  2. 参加者が少ない
  3. 検証する

長期間に渡って成功し続けている

ビギナーズラックなのか才能なのかを見極めるには「回数」と「時間」です。

何度も何度も繰り返して同じ結果が出るのであれば、それはビギナーズラックよりも「才能」や「実力」の可能性が高くなります。

成功が長期間持続している場合も 「才能」や「実力」の可能性が高くなります。 特に、同じ業界の同業他社が軒並み売り上げが下がっている中で、自社だけが独自路線を意図的に選択し売上を伸ばしているのであれば「才能」や「実力」である可能性が高いです。

ただし、それでも確実とは言えません。

たまたま市場の興味があなたの会社の商品に向いているだけかもしれません。政府の施策の方向性と一致していただけかもしれません。


参加者が少ない

もう一つ見落とされがちな観点があります。それは「参加者の数」です。

そのゲームに参加してる人が少なければ少ないほど、他社との才能や実力の差が明確になるので、あなたが「才能」や「実力」で勝っている可能性が高くなります

一方、1000万人を超える人が参加している場合、あなたが勝ったのはビギナーズラックの可能性が高くなります。なぜなら再現性が低くなるからです。

株式投資や競馬、ギャンブル、ビジネスなどそこに賭けている人は数えきれないほどいます。そういった場所で初心者にも関わらず勝ったとしてもそれはビギナーズラックと考えるべきです

そうしないと誤った考えはあなたの今後の人生でずっと尾を引くことになります。


検証する

ビギナーズラックなのか本物の才能なのかを見極めるには「検証」重要です。

スイスの有名起業家・作家のロルフ・ドベリは自分の小説が有名な出版社に採用されました。その出版社の採用率はかなり低く、審査を突破することが難しいことで有名でした。

ロルフ・ドベリは「自分は天才だ!」と思いましたが、それが本当に自分の才能かどうかを確かめるためるために次のようなテストをしました。

その内容は「同じ小説の原稿を他の大手出版社10社に送る」です。

その結果、10社すべてから断られました。

結果として、自分は天才であるという説が間違いであることが証明され、彼は現在、地に足を着けて執筆活動を続けています

point

「運」と「実力」は明確に違う。確かめるためにはテストしてみるしかない。


参考

この記事のスイスの有名起業家 ロルフ・ドベリが記した「Think right ~誤った先入観を捨て、よりよい選択をするための思考法~」の一部抜粋と要約です。

人が陥りがちな思考の罠がとてもわかりやすくまとまっています。この記事の内容以外にも全部で52個の人の性質がわかりやすい具体例で解説されています。

この記事の内容でハッとした部分が一つでもあった方は是非手に取ってご覧になられることをお勧めします。

あなたの人生をより賢く豊かにしてくれることは間違いありません。



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