家の中は人生において最も長く時間を過ごす場所でもあります。家の中が余計な物で溢れかえっているか、それとも、心から大切で自分を幸せにしてくれるモノで包まれているかで、人生の幸福度は大きく変わります。
そして、家の中は必要なモノがパッと取り出せる状態がベストです。
ここでは、人生を輝かせる最高の収納方法について解説しています。
まず捨てる
収納の基本はまず極限まで捨てることです。
家の中を安心と安らぎを感じられる場所にするには、安心や安らぎを感じられないものがあってはいけません。
なんとなく持っているモノや、いつか使うかもしれないモノで溢れかえっている人の人生は決して幸せになりません。
本当に幸せな人生を歩んでいる人は、自分の身の回りに大切なモノを置き、一つ一つと丁寧に向き合っています。
絶対NG:収納テクニックの発揮
収納する上で絶対にやってはいけないことは、収納テクニックやクリエイティブ能力を発揮することです。
それらの技はたんに家の中にあるモノを綺麗に押し込んだにすぎません。
床にモノが散らばっている家と、床にあるモノを綺麗に押し込んだ家で、モノの総量は同じです。
定位置を決める
家の中が自分にとって大切なモノだけになったら次にすることはあらゆるものの定位置を決めることです。
家の中を綺麗に保つために定位置を決めるというのはとても大切です。
この大切さは、仕事を終えて家に帰宅したときに定位置が無い場合を想像してみればわかります。
定位置が無い場合
定位置が無い場合は、玄関を開けて靴をパッパと脱ぎます。そしてカギをそこら辺の棚の上に置きます。
カバンも廊下や部屋などその日の気分によって適当に置きます。脱いだ洋服は適当にソファーに引っ掛けます。すでに他の洋服が置いてあるのでその上に積み重ねることになります。
買ってきた夕飯も適当に机に置いて、適当にドリンクを飲んで、お風呂に入って寝る。
こてがモノの定位置の無い暮らしです。あらゆるものが積み重なっていき、翌日には「あれっ、どこに置いたっけ?」と言って時間のない朝に慌てて探すのが目に浮かびます。
定位置のある暮らし
一方定位置のある暮らしは、玄関を開けて家に入ったら、所定の位置に靴を揃えて置きます。カギは棚の上のキーケースに引っ掛けます。
カバンはクローゼットの横の棚に立てかけます。脱いだ洋服は「今日も一日私を支えてくれてありがとう」と言ってクローゼットの定位置にしまいます。
買ってきた夕飯は、いつものダイニングテーブルの上に置き、ドリンクを合わせて飲みます。飲み終わったらそれぞれ分別して片付けます。
そして、お風呂に入って寝ます。
翌日の朝も焦ることは何一つありません。いつも通りのルーティーンで着替えていつも通りの行動導線で出かければ必要なものは全て揃います。
定位置を決めると時間と余裕が生まれる
この例からもわかるように定位置の力は想像以上に絶大です。
定位置を決めることで人生に時間と余裕が生まれます。
すべてのモノの定位置を決める
ポイントはすべてのモノの定位置を決めることです。定位置がないモノが無い状態にします。
「すべて」と聞くと大変そうに聞こえますが、モノを選ぶよりはるかに簡単です。
置き場所の決まっていないモノが1つでもあると部屋の中が散乱するリスクが一気に高まります。
クラスの席で考える
1つ置き場所がきまらないとどれだけ部屋が散らかるリスクが上がるかは、クラスの座席で考えるとわかりやすいです。
例えば、30人のクラスで1人席が決まっていない子がいたとします。もしその子が早く来て好きな場所に座ったら、残りの29人はどうなるでしょうか?
もともとあったはずの席がなく、しょうがなく他の席へ、そして次の人が他の席へとなり、最終的にはバラバラの状態になってしまいます。
席が決まっていない子も「今日はどこに座ろうかな」と毎日迷わなければいけません。
ですが、30人すべての席が決まっていれば、みんなが迷うことも考えることもなく自分の席へスッと向かっていきます。
これと同じですべてのモノの場所を決めるとは全体の秩序を保つうえでとても大切なことです。
収納は極限までシンプルにする
収納の目的は心と時間に余裕を生み出すことです。
この目的を達成するためには、モノを置くときに頭で考えなくていいように極限までシンプルにする必要があります。
収納に頭脳労働や工夫、クリエイティブは厳禁です。
収納にクリエイティブさを発揮すればするほど、どんどんとモノがため込めるようになります。つまり、どれだけ一生懸命に片付けをしてもリバウンドする確率が上がってしまうのです。
定位置を決めたのに「どこにあったっけ?」と悩んでしまうのは、まだモノが多すぎるサインです。
分散は厳禁。同じカテゴリーで固める
極限までシンプルにする収納の1つのポイントとして、細かく分類しないというのがあります。
あまりに細かく分類して置き場所を決めてしまうと迷います。
カテゴリー毎にまとめる大切さ
例えば、カギの置き場所を、玄関のカギは玄関、自転車のカギはリビング、実家のカギは寝室というように分けていると、どれがどのカギか混乱します。
そうではなく、「カギは玄関の棚の上」のようにカテゴリーでひとまとめにします。こうすることで、カギが変わったり、新たなカギが追加されても置き場所に悩むこともなくなります。
家族がいる場合
家族がいる場合は、それぞれの個々人用に置き場所を決めます。夫のモノはここ。妻のモノはここ。子供のモノはここ。というように場所が決まっていれば、家じゅうにモノが散らばることはありません。
親が子供の片付けスペースを侵食したり、親が片付けてしまうのは避けましょう。
「お母さんに片付けてもらっていた」と言う子は片付けのできない子に育ちます。
片付ける技術を身に付けることは幸せな人生を歩む上で必須です。親が子供の成長の機会を奪わないようにしましょう。
子供に定位置を与えれば自分から片付ける子になる
3歳の子供に「今日からここがあなたのスペースね」と言って洋服を片付ける定位置を与えたところ、自分でモノを選ぶようになり、自分で元に戻すようになったという実例があります。
大人だろうが子供だろうが自分のスペースがあるというのは嬉しいものです。
一人一人に部屋を与えるのが難しくてもスペースを与えることはできます。
本や洋服を共同で管理するというのは、誰の管理下か明確になっておらず、ついつい片付けの得意な人が片付ける機会を奪ってしまうことにつながるので、極力避けるべきです。
取り出しやすさよりも、しまいやすさ
多くの人がやってしまいがちな間違いに「取り出しやすさを重視した配置にする」があります。
リビングにいる時間が多いから、リビングの周りに日常でよく使うものを固めておくといった状態です。
ですが、取り出しやすさを重視すると、ついついしまわずにそのまま出しっぱなしになることがほとんどです。
重視すべきは、取り出しやすさよりもしまいやすさです。
しまいやすさ軽視は危険
しまいやすさよりも取り出しやすさを重視すると、もちろんとるのは簡単です。
ですが、しまうのが面倒になるので毎回意識しないと結局出しっぱなしになってしまいます。
取り出すときは「必要」という明確な目的意識があります。なので多少取り出しにくくても問題ありません。
キレイな部屋を保つには、人の性質上しまいやすさを重視することがとにかく大切です。
積むはNG。立てるが基本
モノを置いていくときに平積みしていく場合があります。何の気なしにおいた書類や衣類などは平積みされていきます。
衣類、文房具、ホッチキスの芯、箱、メジャー、消しゴム、ノートPCなども立てて収納します。
平積みのデメリット
平積みのデメリットは、空間が無限に使えることです。一度積み始めるとどこまでも高く積み上げていくことができます。
どんどんと重ねていくので下に何があるかわからなくなります。よほどのことが無い限り上のモノをどかして下のモノをとるという行動をしません。
平積みはまさにモノを溜めこむ仕組みです。
縦積みのメリット
平積みから縦積みにすることで使用する面積は変わりません。ですが、一つ一つを取り出しやすくなります。
また、上方向ではなく横方向に増えていくので、重力で押しつぶされることもなく、量がわかりやすいのも特徴です。
市販の収納グッズは不要
「収納グッズ」で検索すると「よくもまあ思いついたな」と感心するような収納グッズがたくさん引っかかります。
これを使えば家の収納も一気にアップしてたくさんのモノを溜めこめそうです。
ですが、もちろんこれはNGです。家の中のモノが増えるどころか、モノを溜めこむ仕組みを購入したようなものです。
家にある基本的な収納で事足りる
新たに収納を買い足さなくとも、もともと家にあるものと衣類のクリアケースなどで収納は十分足ります。
例えば、次のようなものがあれば収納は十分です。
- 引き出し型のクリアケース(衣類、小物用)
- タオル用のカゴ
- 備え付けのクローゼット
- キッチンの収納&食器棚
- 洗面所の棚
- 下駄箱
どうしても本の数が多ければ本棚が1つ必要なぐらいです。
靴の箱は便利
だいたいの家にあるモノの中で靴箱はとても便利です。サイズ、デザイン、丈夫さともに高得点です。
衣装ケースの中で使えば、ちょうどよい高さの仕切りになります。
他にも使わなくなったタッパーや、iPhoneのケースなどが使えます。
余計な箱は捨てる
靴箱やiphoneの箱が便利で収納に使えるからといって、箱収集マニアになってはいけません。
特に家電などの大きな箱は不要で、捨てて問題ありません。
三角形や星形、六角形など変形した箱もかさばるので使わないのが基本です。
浴室の収納|何も置かないが基本
浴室にはシャンプーやリンス、洗顔料、など様々なボトルが置いてあります。家族で別々のシャンプーやリンス、貰って「いつか使うかも」と思ってとってあるボディーソープなど、その数は2~3個を大幅に上回っていることがあります。
お風呂場は湿度と温度が高く、家の中で最もカビが繁殖しやすい場所です。
特にボトルの底やモノと壁の間にカビが繁殖するので、お風呂場のモノが多い程カビの量が増えます。
いざ片付けるとなれば、モノを持ち上げて底を拭いて、すべてどかしてから浴室を掃除しなければいけません。
掃除が大変で不衛生です。
浴室の基本は「何も置かない」
浴室の片付けの基本は「何も置かない」です。
そのためには(1)最小限まで捨てる、(2)浴室から出すという手順を踏む必要があります。
(1)最小限まで捨てる
「いつか使うかもしれない」「あったら役に立つかもしれない」というモノたちは、なくても問題なく生活できることを証明しているものです。
あってもなくてもどっちでもいいモノを溜めこむのではなく、それがあることで「落ち着く」「しあわせ」と感じているものだけを残します。
(2)浴室から出す
続いてシャンプー、リンス、ボディーソープなどを浴室から出します。洗面所に定位置を決めて、毎回使用後は、体を拭いたタオルで拭いて収納します。
家族で使うものが分かれている場合はそれぞれに分けます。
「めんどくさい」と感じますが実はこちらの方が衛生的で手間がかかりません。
お風呂上りについでにサッと拭くので時間は30秒もかかりません。浴室内もスッキリしているのでカビが生えにくく、生えたとしても「持ち上げる」という作業がないので掃除が簡単です
浴室内に置きっぱなしの場合、モノを持ち上げてボトルの底と浴室を掃除しなければいけません。ついでではなく掃除が目的になるので、カビを目にすると「またか」という気持ちになります。
買ったモノはすぐにパッケージや箱から出す
洋服などを買ったときにパッケージに入ったまましばらく放置したり、パッケージに入ったまま収納にしまう人がいますが、これは部屋を綺麗に保つという観点ではNGな行為です。
モノは保管するために買うのではなく使うために買うものです。
パッケージに入れたまま放置するとは「使うかもしれないからとっておく」というマインドを行動にした結果です。
この世にあるすべてのモノはいつか使うかもしれないものです。このため、パッケージに入ったまま取っておくという行為を一度してしまうと、例えば、偶然同じものが新品で安く売ってたり、いただけることになった時に「使うかもしれないからとっておく」というマインドが発生して、家の中にモノが溜まっていく原因になります。
実際、なくても生活できるものなので、パッケージに入ったまま1年過ぎ、2年過ぎ、、とその存在が忘れられていきます。
パッケージに入ったままのモノは、自分が幸せだと感じられるモノで囲まれた暮らしの邪魔にしかなりません。
情報を捨てる
パッケージについている包装用のシールやタグ、パンフレットなどをとっておき、衣装ケースに貼ったりしてとっておく人がいます。
それ以外にも消臭剤などパッケージにでかでかとキャッチコピーが書かれているものもあります。
人の脳は目に入った情報を自動的に処理してしまいます。
このため、何気なく部屋の中に存在する文字などの情報によってあなたの脳は無意識に疲弊します。
衣類や書類など余計なモノを片付けてスッキリした部屋にする目的は、大切なものが余計なモノに埋もれてしまわないようにするためです。
情報も大切なモノを埋もれさせる原因の一つです。
商品のシールやタグ、パンフレットを使うことはありません。無くても生活に支障が出ることはありません。
不要な情報はどんどん捨てていきましょう。
参考
この内容は近藤麻理恵さんの「人生がときめく片付けの魔法」を参考にしています。
人生を豊かにしてくれる素敵なヒントが詰まった素晴らしい本なので、気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
▼【本】 人生がときめく片付けの魔法 (改訂版)
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