ロミオとジュリエット効果とは何か
ロミオとジュリエット効果とは、恋人同士の間に、交際を難しくしたり禁止する外部からの圧力が働くことで、より一層求めあう心理のことです。
ロミオとジュリエット効果の由来
ロミオとジュリエット効果の由来は、イギリスの有名な劇作家ウィリアム・シェイクスピアの一作「ロミオとジュリエット」からきています。
2人は代々対立を続ける「モンタギュー家」と「キャピレット家」の子供で、フルネームはモンタギュー・ロミオとキャピレット・ジュリエットです。
二人はひかれあい、修道院で密かに結婚をしました。
しかし、そんな矢先に、ロミオと友人が街角で争いに巻き込まれます。そして、友人は殺されてしまいました。これに怒り狂ったロミオはキャピュレット夫人の甥ティボルトを殺してしまいました。
ここから、両家の争いは更に激化し、ジュリエットは悲しみに暮れることになりました。
更に悪いことに、キャピュレット夫人は悲しみに暮れるジュリエットに大公の親戚パリスと結婚するように命じました。
婚約を避けロミオと再び結ばれるために、ジュリエットは毒を使って仮死状態になる作戦をとりました。
しかし、その作戦はロミオに上手く伝わらず、ロミオはジュリエットが本当に死んだものと勘違いしてしまいました。
そしてジュリエットの墓で悲しみに暮れているところに現れた、親が決めたジュリエットのいいなずけパリスと言い争いになり、パリスを殺してしまいました。
そして、自らも毒を飲んで自殺してしまいました。
仮死状態から目覚めたジュリエットは悲惨な状態を目の当たりにして絶望し、自分もロミオの短剣で自殺してしまいました。
家柄や親の反対により、不合理なまでにより強くお互いを求めあい、自分たちの命を失うという悲劇的な結果になりました。
これがロミオとジュリエット効果の由来です。
何歳ごろに見られるか?
ロミオとジュリエット効果が顕著に見られるのは13~19歳ごろの若者です。
20歳前の若者は気持ちは確固たる個を確立しているにもかかわらず、親や周りから子供としてみられ扱われます。
結果として、親や周りの環境から外圧がかかると、自分自身の権利を強く主張しようとする心理が働きます。
このため親が支配し従えようとすればするほど反発します。
親が干渉をやめると冷める
アメリカで140組のカップルを対象に行われた調査では、親からの干渉があった場合に、お互いの愛情が強まり、結婚したいと思う要因になりました。
一方、親からの干渉が弱まるとそういったロマンチックさが冷める結果になりました。
ある19歳の女性は27歳の男性と付き合っていました。特段その男性が好きだったわけではなく、年上と付き合っているというステータスが主だった理由でした。
ところが、親がその男性との恋愛に対して反対しうるさく言うほどに、その男性に対する気持ちは強くなりました。
その女性は「最終的には3か月で別れることになりましたが、もし親の干渉がなければ1か月で別れた」と振り返っています。
親の干渉は不要か?
親が干渉することで子供が相手を求める気持ちがどんどんと強くなってしまうとすれば、親は干渉しない方がいいのでしょうか?
決してそんなことはありません。10代の若者は知識や経験が少なく、好奇心旺盛なため、一歩間違えると、酒、タバコ、ドラッグに手を出したり、妊娠するといった危険性があります。
そういった危険性に対して親は教えるべき立場にいます。
問題は干渉の仕方です。やってはいけないことは、頭ごなしに反対したり、付き合ってはいけないと禁止することです。
制限、禁止、命令、指示をすればするほどに、「私は一個人なんだ」という感情が芽生え、親の意見に反発する心が強くなります。
子供を子供とみなして支配しようとしている限り、子供は親の言う事を聞きません。
そうではなく、「やってはいけない理由」や「気を付けなければいけないポイント」を説明することが必要です。
「〇〇すると、こういうことが起こる可能性がある。そうすると将来△△になる」ということを説明して、本人に考えさせることが重要です。
どうしてもやめて欲しいと思うことがあれば、それは「お母さん(あるいはお父さん)はそういうことをやって欲しくない」自分の意見を伝えたり、「お願いだからそれだけはやめてくれないかな」とお願いするという方法も効果的です。
なによりも一番重要なのは、子供を子ども扱いしないこと。一人の一個人として話をするということです。
「やってはいけない」は逆効果
アメリカではこんな言い回しがあります。
もしあなたがどうしても何かをやらなければいけないとしたら、やる方法が3つある。
この例は13~19歳の心理を見事に反映しています。
親は子供をしつけるために「あれはダメ」「これはダメ」と言いますが、それは逆効果でしかありません。
「ダメだ」と言われれば、無意識のうちに反発心が生まれやりたくなってしまうのが人間なのです。
アメリカの大学で学生を対象に、ある小説の広告を見せどちらを見て見たくなるかという調査を行いました。
広告のパターンは次の2つです。
結果は、「成人向け。20歳以下は購入厳禁」と記載した場合により興味を持ち、かつ中身が面白そうだと考えるようになりました。
この実験結果が示すように、親が子供に対して情操教育をして性的なコンテンツを制限した場合、子供はより性に対する欲求が強くなります。