企業で採用面接を行っている人は「自分よりも優秀な人を採用せよ」という言葉を耳にしたことがあると思います。
ですが、そうはいっても世の中の多くの人たちは、自分よりも優秀な人を採用しない傾向があります。しかし、それは自分にとっても企業にとっても完全な誤りです。
ここでは、自分より優秀な人を採用するべき理由を解説しています。
なぜ人は自分よりも優秀でない人を採用しようとするのか?
そもそも「自分よりも優秀な人を採用せよ」と言われているのにも関わらず、なぜ人は、自分よりも優秀でない人を採用するのでしょうか?
その理由は「社会的比較理論」によって表されます。
社会的比較理論は名前だけ聞くと難しそうに感じますが、すごく単純で当たり前のことを指しています。
社会的比較理論とは、簡単に言うと「人は他者と比較することで、自分の社会的地位を認識する」という人間心理を表してます。
このため自分よりも優秀な人が入ってくると、自分の方が劣っているように評価され自分の立場が脅かされるという心理が働きます。
よって、自分よりも優秀な人を遠ざけ、自分よりも能力が劣る人を採用することで、自分の地位を守ろうとします。
自分よりも優秀な人を拒絶する人の特徴
もちろん世の中には自分よりも優秀な人をどんどん採用する人と、そうでない人たちがいます。
では、どういう人が自分よりも優秀な人を拒絶するかというと、次のような人たちです。
組織の利益よりも自分の利益を優先する人たちが上層部を締めれば、その組織の衰退が確約されたようなものです。
優秀な人は、自分よりも優秀な人を採用する
本当に優秀な人たちは、自分よりも優秀な人と一緒に働くことを願います。その方が自分自身も成長し、そりよい商品やサービスを生み出すことができるからです。
このため、どういった人がどういった人を採用するかについては次のようになります。
優秀なAランクの人材は、自分と同じぐらい優秀なAランクの人材か、自分よりも優秀なSクラスの人材を採用する。
Bクラスの人材は、Bクラス以下(C、D)の人材を採用する。C、Dクラスの人材はC、Dクラスの人材を採用する。
自分よりも優秀な人を採用すべき4つの理由
AランクやSランクの本当に優秀な人たちは、特に周りが「自分よりも優秀な人を採用しろ」と言わなくても「個人的な利益よりも成長」「個人的な利益よりも組織の利益」を優先して、自分よりも優秀な人を採用しようとします。
では、Bランク以下の人が自分よりも優秀な人を採用しないのはしょうがないことなのかというとそうではありません。
どんな人であっても自分よりも優秀な人を採用すべき理由があります。それは次の4つです。
他社に行ったら強力なライバルになる
自分よりも優秀な人が候補者として現れた場合に「この人は自分の地位を脅かすかもしれないから、不採用だ」とした場合、その優秀な人は別の会社に行くことになります。
そして、強力で手ごわいライバルになります。こちらの地位どころか会社の存在自体をも危うくします。
しかも相手は「あなたたちの会社に落とされた」という恨みすら持っているので、容赦することはありません。自分の才能をフルに発揮してきます。
自社が成長する
自分よりも優秀な人を採用すべき2つ目の理由は「組織が成長する」ことです。
企業が市場で勝って行けるのはライバルに対して優位性があるからです。そのためには、優秀な人材は欠かせません。
自社が成長すれば、その会社の社会的地位や稼ぎも上がります。結果として、自分自身の地位があがり、長期的に安定することにもつながります。
逆に、自分よりも優秀な人を自社に引き入れなかった場合、待っているのは確実な衰退です。
採用しようがしまいが、その人はいずれ成功する
自分よりも優秀な人を採用すべき3つ目の理由は「採用しようがしまいが、その人はいずれ成功する」ことです。
あなたが手を貸そうが、貸すまいが、優秀な人はそんなことはおかまいなしにどんどんと成長を積み重ねて、より高みへと昇っていきます。
であれば、そういう人に恨まれるよりも、友好な関係を築く方が長期的に見てよほどメリットがあります。
自分自身の成長につながる
自分よりも優秀な人を採用すべき4つ目の理由は「自分自身の成長につながる」ことです。
自分よりも優秀な人がすぐ傍にいて、その働き方や考え方に触れることほど自分自身を成長させてくれることはありません。
どんぐりの背比べや、レベルの低い集団でトップにいるよりも、何倍もの成長をもたらしてくれます。
結論
ここまでで紹介してきたように、長期的に見て、自分よりも優秀な人を採用することはメリットしかありません。
逆に、長期的に見て、自分よりも優秀な人を採用しないことはデメリットでしかありません。
参考
この記事の内容はスイスの経営者かつ小説家でもあるロルフ・ドベリの「Think Smart ~間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法~」の一部要約と自分なりの見解を加えたものです。
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とても分かりやすく、成功したい、幸福になりたい思っている人の必読書です。
この記事に少しでも興味を持たれた方は是非実際の書籍を手に取ってみることをお勧めします。