経営者が仕事において最も面白いと思うことは、将来の構想を考えているときです。
次はあれをやって、そうすればお客さんや従業員さんが喜んで、というように構想を膨らませている時に喜びを感じています。
ですが、経営者がそればかりに熱中してしまうと企業は潰れてしまいます。
収益の8割を稼ぐ事業に8割の時間をかける
企業は従業員やオフィスなどお金を消費するものを抱えている以上、稼ぎ続けなければ回りません。
夢見る新しい構想ばかりに時間を使っていれば、会社の中身がズルズルと悪化し、戻ることが困難か、あるいは修復不可能な状態にまで陥ってしまいます。
新しい事業をやることができるのも、既存事業で収益を上げ続けているものがあるからです。それがなければ新しいことなどできやしません。
だからこそ、経営者は収益の8割を稼ぐ事業に、8割の時間をかける必要があります。
余計なものは無限にある
収益の8割を稼ぎ出している事業のことを妨げるものは、将来の構想を練る事だけではありません。
投資家への配慮、政府や地方自治体などからの依頼への対応など様々です。
セミナーで講演をすることが面白くなってしまったり、政府高官や他企業の社長など上の人たちと交流することに楽しみを覚えてしまうこともあるかもしれません。
ですが、あなたが他のことに時間を割けば割くほど、既存事業はどんどん弱体化していきます。
ピカピカの新規市場や新規製品、称賛してくれる人たちに囲まれることの方が面白く見えてしまうのは仕方のないことでもあります。
ですが、会社の経費を賄っているコアビジネスが失敗すれば、二度と立ち直れなくなります。
自社を支えている基盤は何かとその重要性を理解しておくことは、経営者の必須スキルです。
参考
この記事の内容はGoogleの経営陣 エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル、ラリー・ペイジの共著「How Google Works ―私たちの働き方とマネジメント」の内容の一部抜粋と要約です。
一国家と同等な資金を持ち、世界中で知らない人はいないほどのGoogleという大成功企業の中で、
- どのような制度が用いられ、どのような人たちが働いているのか
- 人のやる気を引き出し、周りが見たら無理だと投げ出したくなるような事業をどのように達成に導いてきたのか
- 優秀な人材を獲得するための方法
- 採用時にやってはいけないこと
などなど、これからの時代に欠かすことのできない内容がギッシリ詰まった一冊です。堅苦しくなくユーモアがあり読みやすい文体ですので、ぜひ一読されることをお勧めします。