本当か?と疑う心の大切さ|他の人がやっているから正しいは危険

思考法
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私たちはモノを買うときや、どこに行き何をするか決めるときに他人の意見を参考にします。

「売上No.1」という文字を見れば「みんなが支持してるならいいものに違いない」という気持ちが自然と沸き起こってきます。

特に、何を選べばいいのか、何をすればいいのかわからない時ほどそういった傾向は強くなります。

「郷に入っては郷に従え」という諺があるように、海外に行ったときにそこのしきたりが分からなければ、周りにいる人たちがやっていることに従おうとします。

これは、様々な場面で害なく働きます。害がないどころか、悩んでエネルギーを浪費する思考を必要としない、単純で簡単で楽な素晴らしい方法でもあります。

しかし、世の中には人の性質である「みんながやっていることに従っておけば大丈夫」と自然と感じてしまう心理を利用したワナが張り巡らされています

この世の中で騙されずに賢く生きていくためにはその危険性や隠されているワナについて知っておく必要があります。ここでは、世の中に仕込まれている典型的なワナを紹介しています。


ウソのインタビュー

テレビやコマーシャルでは実際には商品を購入していない人にウソのインタビューをさせることがあります。

リポーターが街を歩く人にランダムに声をかけ、製品調査をするような番組では、その声をかけた人か本当に偶然居合わせた人なのか、それとも仕込まれた人なのかは、見ている側にはわかりません。

テレビのちょっとしてアンケートで言われたことを喋るだけで時給1万円と言われれば断る人は多くありません。やりたいと名乗りを上げる人や引き受ける人は必ずいます。

芸能人が食レポしているのも同じです。ごく一部の芸能人を除いて、食レポに行った芸能人たちは自分が食べた料理を「美味しい!」とべた褒めします。

実際、芸能人が自身のブログやYoutubeで「言わなきゃいけない雰囲気」「まずいと言ったらもう番組に呼んでもらえない」と語っている人は少なくありません。

特に最近では、やらせ番組は発覚すると大炎上するのであからさまに「これを言え」と言われることは昔よりは少ないようです。

ですが、お金を貰って番組に出させてもらっている側としては「番組イメージを壊してはいけない」「言わなければいけない空気」というのをヒシヒシと感じざるをえません。

「まずい」と正直に言う人は扱う側からしたら不都合なので、呼ばれなくなるのは仕方のないことです。

point
  • テレビやCMで料理や商品を褒めているのは、心からの言葉ではなく「そうしなければいけない」という義務感である場合が多い。
  • あからさまなやらせもある。
  • 見ている側にはそれが本当なのかウソなのかはわからない。


サクラ

世の中にはたくさんのサクラと呼ばれる、偽物のお客がいます。

サクラというと1820年代にパリのオペラハウスでソートンとポーシェというビジネスマンが有名です。

彼らは演劇成功請負協会というかい組織を設立して「拍手喝采」を売っていました。

お金を貰って従業員を派遣し、タイミングのいいところで拍手喝采をして、他のお客さんからの拍手や喝采を引き出すという仕事です。

サクラのすごいところはそれがあからさまでも効果があるというところです。

実際、当時の劇場ではサクラとして雇われた人たちは変装をすることなく、毎回同じ席に座り、同じ役割を演じていました。

支配人から「今日もありがとう」と言って報酬が渡されるのもあからさまに行われていました。

イタリアの新聞には次のようなサクラの広告が掲載されたほどです。

内容価格(1回あたり)
男性による登場時の喝采250円
女性による登場時の喝采150円
演技中の喝采100円
演技中の熱烈な喝采150円
「いいぞ!」または「最高!」というかけ声50円
いかなる犠牲も伴わないアンコール500円
ものすごい歓声要相談
※1リラを10円で換算

あなたも公演やライブに行ったときに周りの人たちの反応を見て「そこまでよかった!?」と奇妙に思ったことはないでしょうか?

サクラはマーケティングにおいてとても強力な効果を発揮するため、今でも活用されています。

ただし、その人たちがサクラなのか本当に熱狂しているのかは本人と依頼した人にしかわかりません

point

私たちはあからさまなサクラにも自然と反応してしまう生き物。


ウソの口コミ

インターネットが普及してからは、色々な総合比較サイトが出回っています。家電製品の比較、病院や歯医者の比較などその品種は様々です。

その中には必ずといっていいほど口コミが投稿されています。

そして、その口コミは必ずしも本当のユーザーの意見を反映しているとは限りません。

世の中には1口コミあたり500~5000円ぐらいで販売している人たちもいます。いい口コミを書かずとも、悪い口コミを選んで削除している企業もあります。

特に、お店からお金を貰って掲載しているような場合は、お店がクライアントになるので「あの口コミ、消してください」と言われたら、企業側はお金を貰っている以上対応しなければいけなくなります。

ネット上で行われるこうしたウソのマーケティングはステルスマーケティング(通称ステマ)と呼ばれます。

私たちにとって消費者にとってその口コミが本物なのかお金を払って書かれたものなのかを判別するほはかなり難しいことです。


本当か?と疑う気持ちがオートモードを止める

もちろんこの世にある全てのマーケティングが悪やウソではありません。

私たちは「売上No.1」という文字を見れば「みんなが支持してるならいいものに違いない」という気持ちが自然と沸き起こってきます。

ですが、もしその商品が本当に売り上げNo.1なら、そういった情報は私たちの購入を助ける強力な味方になります

問題なのはウソや誇張が混ざっているかもしれないということです。

それを見破るためにはなんでもかんでも信じずに「本当か?」という気持ちを持つことが大切です。

誰かがいいと言っていれば「それは良いものなんだ」と思うのは私たちヒトにとってはごく自然なことで、健康な人なら誰しもがそういった感情を抱きます。

それはそういうものなので仕方がありません。ただ、そのままオートモードで購入まで至ってしまうと簡単に騙されやすい人になります。

自動で生まれてきてしまう感情でオートモード動かされるのを解除するのが「本当か?」という疑問を投げかけることです。

すると、今までオートモードで動いていた思考が、自分で考える思考に切り替わります


ゼロベースで考える

もう一つ重要なことは「ゼロベースで考える」ことです。

今、目にしている称賛している人や口コミがなかったら、自分はこれを買うだろうか?」と自分に問いかけてみることです。

そうすることで、自分がそれを本当に必要としているのか、それともマーケティング手法に上手く転がされて欲しくなっているのかがわかります


参考

この記事の内容はアメリカの有名な心理学者 ロバート・チャルディーニの「影響力の武器」の内容の一部抜粋と要約です。

現代のマーケティングで使われている手法が心理学の面から解き明かされ、たくさんの事例を交えてわかりやすい文章で記されています。

この本の内容を細かく知っているかどうかで、現代の市場に隠されているたくさんのワナにハマりカモになるのか、それを避けて利用する側に回れるのかが大きく分かれます。

気になった方は是非手に取って読んでみることをお勧めします。


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