仕事、遊び、人などこの世には無数の選択肢があります。「あれもこれも全部やりたい」と考えている人はたくさんいます。
そういう人たちは色んな情報や誘いに反応して「とりあえず何でもやってみよう」とします。
そして、多くのことに手を出した結果、中途半端な結果しか得られずに終わります。
成功や幸せなどの結果を得るためには、何かに手を出す前に、数多くの選択肢を慎重に検討し「これだけは」ということを決めて実行する必要があります。
数多くの物事をやる必要はありませんが、やると決めたことで最高の結果を出すことが重要です。
そのためには「これだけは」というものを見極める必要があります。
ここではあなたにとって本当に重要な物事を見極める方法について解説しています。
成功・幸せを手に入れられない人
成功や幸せを心から追い求める人の多くが「忙しく動き回る事こそが有能の証拠」と勘違いしている人がいます。
そういった人たちは次のように考えています。
こういった人たちは、人が持つ時間とエネルギーの真実に気づいていません。そして生産性について勘違いしています。
時間もエネルギーも有限です。また、立ち止まってじっくり考えることこそが最も生産性を高めます。
見極めるために必要な5つの要素
限られた時間とエネルギーを最大限有効活用して、生産性を最も高めるためには、立ち止まってじっくり考え見極めることが必要です。
正しく見極めるためには次の5つが必要になります。
スペース(時間と場所)
見極めるためにまず初めにするべきことはスペース(時間と場所)を確保することです。
具体的には「孤独の時間と集中できる空間」です。
余裕が自然と生まれることはない
たくさんのモノと情報に溢れる現代で、自然と余裕を手に入れられることはありません。
「仕事を辞めたい」と感じることがありながらも、仕事が忙しく、その会社にいるべきかどうかをじっくりと考える余裕がなかったために辞めるのが遅くなり、数年間を無駄にした後「もっと早くに辞めておけばよかった」と後悔している人は少なくありません。
じっくりと考えるための誰にも邪魔されない時間は、意識して作ろうと行動しない限りできません。
誰にも邪魔されない時間の作り方
実際に、誰にも邪魔されない時間を作り出している企業があります。
月に一度、月初の月曜日に誰一人、何も予定を入れずに考えるミーティングを実施しています。
その日の目的は「じっりと考え話合うこと」です。決まった予定をいれず、電話は禁止、メールも禁止します。
社内だけでなく顧客にも周知し「月初の月曜日は電話にでないことを公表しています」。
なぜなら、常に電話やメールを待っていてら落ち着いて考えることができないからです。
一息ついて、周りを見渡し、考える時間が必要。それがなければ、成長もイノベーションも不可能です。
もし、忙しすぎてミーティングに出られないという人がいたら、それは無駄な仕事が多すぎるか、もっと人を雇うべきかのどちらかです。
集中する仕組みをつくる
見極めるためにはじっくりと集中して考える時間が必要です。「この時間は私は一切何もしません」と公言し時間を作り出したら、次にすることは「集中」することです。
スタンフォード大の仕組み
スタンフォード大学のデザイン研究所では、教室に机と椅子を置かず、座り心地の悪い発泡スチロールのキューブを置いています。
あまりに座り心地が悪く数分もすると立ち上がりたくなるものです。その結果、その教室にいる人たちは、座り続けるよりも立って歩く選択をし、自然と触れ合う機会が増えます。
部屋の中に自動的にできる仕組みを取り入れているわけです。
集中するためだけの部屋
他にも3人ほどしか入れず、外部の音が遮断され、窓も何もない小さな部屋があります。場所はどの1階の片隅にあり、あえて行こうとしないと行けない場所に位置しています。
ここは考えるという目的のためだけに作られた部屋です。
自ら集中を作る
集中するためには、集中せざるを得ない状況に自分を置く以外に方法はありません。
毎週「自分の生き方を考える」時間を意識的にとって、パソコンやスマホの電源をオフにし、自分の思考に全神経を集中させる。
そして数ある可能性の中から、本質的な事だけを取り出していくことが必要です。
スペース確保と成功事例
大きな成果を上げた人は漏れなく、大きなスペースを確保しています。
ニュートン
万有引力を発見したニュートンも、万有引力を発見したときは多忙な状況ではなく、スペース(時間と集中)が充分にできる状態でした。
当時、危険な感染症であるペストが流行り、ニュートンが務める大学が閉鎖されたため、郊外の実家で2年間過ごすことになりました。
ニュートンは実家で一人で引きこもり、万有引力についてひたすらに考え続けていました。
優秀なのに注意散漫な会社役員
ある会社に優秀なのに注意散漫な会社役員がいました。暇さえあれば無意識のうちにPCやスマホでネットをいじってしまう人です。
あるとき、重大なプロジェクトに追われていたため、思い切ってスマホも持たずにインターネットのつながらない安宿に2か月間泊まり込む決断をしました。
結果として、これまでにないほどに効率的にプロジェクトを終わらせることができました。
エッセンシャル思考の著者
エッセンシャル思考の著者であるグレッグマキューンも、同著を書き上げるために自らスペースを作り出しました。
平日は朝5時から午後1時まで8時間を執筆に当て、午後1時までは絶対に人に会わず、電話も通じないようにしておきます。
メールは自動返信に設定し、執筆のために連絡できないことを記しておきます。
その結果、生活のあらゆる面で余裕を生み出すことができ、執筆も効率的に進みました。
リンクトインのCEO
リンクトイン(LinkedIn)のCEOであるジェフ・ワイナーは、毎日合計2時間の一切予定を入れない空白をスケジュールに組み込んでいます。
「最初はさぼっているような気がしたが、実践してみると生産性が確実にアップした」と述べています。
それまでは、朝の5時から夜の9時までぶっ通してミーティングをやっている日もありました。そういった日は1日を終えたときすっかり消耗しきっている状態でした。
それが、2時間の空白時間を設けたおかげで、3年後や5年後の会社の姿という、より本質的な問題を考えることができるようになりました。
本を読む時間を作る
ビル・ゲイツ
余裕な時間の中で「本を読む時間」もとても大切です。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは1週間の「考える時間」を定期的にとっていたことで知られています。
その1週間はじっくり考え、本を読むための時間です。
ビル・ゲイツはマイクロソフトが忙しさのピークにある中でも年に2回、1週間の空き時間を作って仕事を離れていました。
一人きりで大量の本や記事を読み、最新の技術について学び、これからのことに思いを馳せる時間です。
同社の会長となった今でも、その習慣は続いています。
親が習慣を作った
ビル・ゲイツが読書をするようになったのは親の功績が最も大きいところにあります。
親が平日にテレビを見ることを禁止し、身近に本を置き、家族で読んだ本の感想や政治などよく議論していました。
現在でも、就寝前の読書を習慣として、毎日平均1時間、年間50冊以上の本を読むことを習慣としています。
もちろん睡眠時間もしっかりと確保し、毎日7時間寝ることを守っています。
古典がインスピレーションを与える
本質的な思想を思い起こすには「古典」がお勧めです。
古典は数百年~数千年という時の試練を耐えて残ったものです。そこにはどの時代でも通じる本質的な思想が書かれています。
禅、儒教、ユダヤ教、キリスト教、道教、イスラム教などの宗教本も古典です。
ソクラテスやアウレリウス、ガンジーなどの哲学書を読むのもいいでしょう。
私たちとは全く違う時代に書かれたにも関わらず、現代にも通じることがある思想は、私たちの当たり前を打ち壊してくれます。
参考
この記事はAppleやGoogle、FacebookやTwitterなどの世界的に有名な企業でコンサルティング経験のあるグレッグ・マキューン(Greg・Mckeown)氏の「エッセンシャル思考」という本の一部要約と抜粋です。
世界的ベストセラーになったこの本には他にも人生を成功と幸せに導く格言がたくさん載っています。
興味を持たれた方は是非実際に手に取ってみることをお勧めします。