出産後、赤ちゃんが家に来るとやることがたくさん。沐浴もその一つです。
助産院や母子教室で沐浴の手順を教えてもらった人。子育ての本や動画で沐浴の方法を学んだ方もたくさんいると思います。
でも、
・教えられた通りに上手くできない、、、
・温度計で温度調整が難しい、、
・このやり方あってるの?気を使って疲れる、、、
・ギャン泣きする赤ちゃんを洗うのが難しくて苦痛、、
・赤ちゃんをひっくり返す作業が上手くできない、、
・沐浴布じゃまだけど使わなきゃいけないの、、?
と悩んでいる方も多いのでは?あるいは、
・周りの人に沐浴の手順がなっていないと怒られた、、
・旦那の沐浴のやり方が下手で気に食わない。
と心身に少なからず負担がかかっている人もいるのではないでしょうか?
はっきり言います。沐浴に絶対的に正しい方法なんてありません。そして、絶対的に必要なものも少ないです。
えっ!?そうなのと思った方も多いと思います。
半信半疑では心身の負担は軽減されないので、沐浴の目的を知って、心から納得した負担のない沐浴ができるようにしていきましょう。
そもそも沐浴って何?
皆さん、「沐浴(もくよく)」って言葉普通に使ってますが、そもそも沐浴ってなんなんでしょう?
お湯につけるとか、お風呂に入るのと沐浴の違いってなんなんでしょう?
沐浴とは「体を清めるために洗うこと」です。インドのガンジス川で身を清めたり、日本だと滝行が沐浴にあたります。
赤ちゃんの場合は、赤ちゃんの体を洗ってキレイにしてあげることが沐浴になります。
赤ちゃんに沐浴が必要なのはなぜ?
赤ちゃんの沐浴はなぜ必要なんでしょうか?なぜお風呂に入れるのではいけないのでしょうか?そこにはきちんと理由があります。
お風呂に入れてはいけない理由
新生児の皮膚はまだまだ発達段階で、外からのウイルスやバイ菌には弱い状態です。
家族みんなが入るお風呂は、前に誰かが入っていたらバイ菌がお湯の中に入ってしまいます。あるいは、キレイに洗ったつもりでも汚れが残っていることもあります。
もちろん、大人からしたら全くなんでもないぐらいの量なんですが、赤ちゃんにとっては危険です。
そこで、体が強くなってくる1ヶ月目ぐらいまでは、赤ちゃん専用のキレイな場所で体を洗ってあげるのです。
赤ちゃんの体は汚れやすい
生まれてから赤ちゃんの体はどんどん成長していきます。大きくなったり、より強い体を作るため、新陳代謝が活発で汗をよくかきます。
そう、赤ちゃんの体は汚れやすいのです。
汗自体はバイ菌などなくキレイな状態です。ですが、汗は湿度も高く(水分ですものね)、栄養が豊富に含まれているので、雑菌が繁殖しやすい環境です。
なので、感染症を予防する目的で体の汚れをキレイに落とす沐浴をしてあげるのです。
正しい沐浴の手順とは?
ここまで来れば、新生児に沐浴が必要な意味と理由がわかりますね。
そう、赤ちゃんの沐浴は「体の汚れを洗い流すこと」です。
体の汚れを洗い流せさえすればいいので、洗い方に決まりなんてないんです。
大人でも体を洗う時に、頭から洗う人、顔から洗う人、体から洗う人、足から洗う人もいます。洗う順番なんてみんな人それぞれ、
頭を洗って、胸、手足、お尻、背中、顔、、、えっと次は、、、なんていちいち考えなくていいんです。
「あっ順番間違えた、、また失敗した、、」「私ってほんとダメ、、」そんなこと考えなくて大丈夫です。
あなたはあなたの順番で赤ちゃんの体をキレイに洗ってあげればいいんです。
沐浴に必要ないもの
助産院、母子教室、子育ての本、動画で教えてくれる沐浴の手順はびっしりとマニュアル化されていますが、実際に家で赤ちゃんを洗うときには、なくても問題ないものがたくさんあります。
あれもしなきゃ、コレもしなきゃ、次はあれ、その次はこれ、あー間違えた、もう沐浴イヤ!っとなって負担を感じてしまうぐらいなら、なくても問題ないものはとっぱらってしまいましょう。
温度計
マニュアルにはお湯の温度は夏は38℃前後、冬は40℃前後といった温度指定が書いてあります。
ベビーバスに温度計を浮かべて、あー38℃少し越えた、ちょっと水足さなきゃ。あー下がりすぎちゃった、お湯たさなきゃ、、そんな厳格にやる必要ないです。時間のムダ。精神と心のムダ遣いです。
温度を設定する目的は、赤ちゃんが冷えすぎてしまったり、熱すぎてやけどをしないようにです。赤ちゃんの体温と差があまりないようにして負担をかけさせないようにするためです。
自分でお湯に手を入れたり、腕をつけてみて、「冷たくない。熱くない。うん気持ちよくていい感じ」という感覚で十分です。むしろそれが大切です。
仮に、温度計の誤差が大きかったり、壊れていたりして、温度計は38℃を指してるけど、手を入れたら熱い、、ってことがあったらあなたはどうしますか?温度計が指してるんだからコレが正しい!って自分の感覚よりも温度計を信じますか?
そのまま赤ちゃんを入れたら肌が真っ赤に焼けてしまった。。そんなことがあるかもしれません。
自分の感覚めっちゃ大事です。自分の感覚を信じましょう。
もし、どうしても心配であれば、最初に温度計で温度を測って、そこに手を入れてみて38℃がどのくらいか感覚を掴んでおくのもオススメです。
沐浴布
沐浴布はお湯に赤ちゃんをつけるときに赤ちゃんを包む布です。タオルや大きいガーゼなどで代用されることもあります。
赤ちゃんのモロー反射(外部環境の変化で体がビックンと動く自然現象)を抑えたり、体を冷えから守る目的で使われます。
逆にいうと、この目的を満たせれば沐浴布の必要性はないのです。
そして、その目的を満たせるものをあなたは持っています。それは手です。
いい感じの体温で、ホールド感の調整も自由自在です。
モロー反射が起こりそうになったら、手で胸の当たりを覆って押さえてあげれば問題ありません。
そして、冷えを防止する目的ですが、そもそも部屋の中そんなにも寒いですか?お風呂場やキッチンがどうしても寒いならあった方がいいかもしれませんが、適温を保てているならなくても問題ありません。
寒くないようにお湯につけてあげたり、沐浴が長くなりすぎないようにしてあげましょう。
だいたい、沐浴布があったら体洗いにくくて邪魔ですよね、、
ガーゼ
赤ちゃんの体を洗う時にガーゼを使うというのも多くのマニュアルにかいてあります。
ですが、これも要りません。手で十分に代用できます。
逆に、ガーゼは赤ちゃんの肌に刺激が強すぎる場合がありませす。手の方が調度いいぐらいです。
それに、脇の下とか足の付根とか細かいところも、手のほうが対応しやすいです。
専用のベビーバス
Amazonや楽天、ベビー用品店に行くとベビーバスが置いてありますが、これも要らないです。
沐浴の目的は「赤ちゃんの体を洗ってキレイにする」こと。これができればいいんです。
なので、赤ちゃんがすっぽりと入る桶やタライ、衣装ケースの容器など、
・清潔
・お湯をためることができる
・赤ちゃんがすっぽりと入る
この条件を満たしたものがあれば、それでいんです。なになにじゃなきゃダメなんてことはないんです。
体を洗う順番
(しつこいですが)沐浴の目的は「赤ちゃんの体を洗ってキレイにする」ことです。
頭→首→右腕→右手→左腕→左手→お腹→お尻→右足→左足→背中→顔とか、言われた(書いてある)順番に固執する必要はありません。
あなたがストレスを感じないよう、洗い忘れがない順番で洗っていけば大丈夫です。
体を洗う方法も同じです。3の字を描くようにとか、そんなのどうでもいいです。
3の字を描くことが目的ではなく、赤ちゃんの体を洗ってキレイにすることが目的です。
目的をちゃんと達成できれば、3の字でも1の字でもなんで大丈夫です。
赤ちゃんをうつぶせにする
背中を洗うために、赤ちゃんを腕にもたれかからせてひっくり返すという指導をされたり、推奨されたりする場合があります。
だからといって、無理にやる必要はないです。
赤ちゃんをひっくり返すのが上手くできない。怖くてストレス、、という場合はむしろやらない方がいいでしょう。
マニュアルでひっくり返す方法を指導しているのは、その方が背中を洗いやすいからです。
通常の仰向けの状態でも、赤ちゃんの背中に手を回して洗ってあげることはできます。
目的は赤ちゃんを上手にひっくり返すことではなく、体を洗ってキレイにすることなので、そこを履き違えて自分を責めたりストレスを溜め込むのは避けましょう。
3~5分という沐浴時間
沐浴の時間に3~5分などというように時間制限が書いてある場合があります。ただこれは目安なので、
「5分まであと2分待たなきゃ、、」
「5分越えってしまった、急がなきゃ、、私ってなんでこんなにダメなんだろう、、」
とか考えなくていいです。
沐浴の目的は「赤ちゃんの体を洗ってキレイにする」こと。きれいにできたら終わりでいいです。体を洗って、洗い流すところまでできれば時間が短くても5分越えても問題にはなりません。
ただ、お湯に使っている時間が長時間になればなるほど、お湯の温度も変化しますし、赤ちゃんの温度も変化するので、洗い終わったらサッとお湯から上げてあげましょう。
沐浴の注意点
赤ちゃんの体はまだまだ弱い状態なので注意することがいくつかあります。
- 肌に優しいせっけんを使う
- 顔も洗ってあげる
- 体を冷えさせない・熱くしすぎない
- 素早くしっかりと保湿する
肌に優しいせっけんを使う
赤ちゃんの肌はとても敏感です。洗浄力の強い洗剤を使うと赤ちゃんの肌には刺激が強すぎてダメージを負わせてしまうこともあります。
皮膚が弱くなると皮膚病にかかるリスクも高まるので、そういったことが無いよう、赤ちゃんの肌に優しいせっけんを使いましょう。
特に泡タイプのボディソープは界面活性剤が強いものが多いので注意が必要です。それよりも固形せっけんの方が弱い界面活性剤を使っている場合がおおいので肌に及ぼす影響が少ないです。
最近では、泡タイプでも肌に優しいものたくさん売られています。
赤ちゃんの肌質にも個性があり、合う合わないがあるので、あなたの赤ちゃんの状態をみながら、優しいせっけんを使ってあげましょう。
ここでも重要なのはやはり、ネットや誰かのお勧めではなく、あなた自信の感覚です。
赤ちゃんの顔も洗ってあげる
赤ちゃんの顔やTゾーンは汗が出やすく油脂がたまりやすいので、きちんと洗ってあげる必要があります。
赤ちゃんの顔にせっけんをつけたり、お湯をかけるのが怖い、、という人もいると思います。
でも、大丈夫です。Tゾーンにせっけんをつけたり、手でお湯をかけて顔を洗い流してあげても赤ちゃんはぜんぜん平気です。
むしろ、怖がって洗うのを避けた結果、汚れが溜まって皮膚トラブルになってしまう危険性もあります。
怖れずに愛情をもって洗ってあげましょう。
ちなみに、赤ちゃんをしかりとホールドして湯船に落っことさないようにすることは当然ですが、
うっかり落っことして顔ポチャしてしまっても、すぐに拾い上げてあげれば大丈夫です。そのくらいで赤ちゃんは死にません。安心してください。
落っことしたことで罪悪感を感じ、自分を責めうつ病にでもなってしまったら、育児も満足にできなくなってしまいます。そっちの方が赤ちゃんには大ダメージです。
焦らず、神経質になりすぎず、自分を責めず、上手く気を抜いて子育てをしましょう。
体を冷えさせない・熱くしすぎない
赤ちゃんの体は小さく体温調整も上手にできないので、体は冷えやすく・熱しやすいです。
お湯の温度は時間経過と共に下がっていきます。湯温が下がっていったとしても長時間入れば赤ちゃんの体は熱くなりすぎてしまいます。
沐浴の目的はお湯につけてあげることではなく、赤ちゃんの体をキレイに洗ってあげることです。
洗い終わったらお湯からサッっと上げてあげましょう。
素早くしっかりと保湿する
赤ちゃんの肌はとても乾燥しやすいです。お風呂から上げてタオルで拭いた瞬間から急速に乾燥していきます。
肌が乾燥すると、紫外線に弱くなったり、かぶれやすくなったり、ひび割れが発生しやすくなります。大人も同じですが、肌の弱い赤ちゃんにはとても深刻な問題です。
なので、赤ちゃんをタオルで拭いた後は、保湿クリームでしっかりと保湿してあげましょう。
ティッシュが張り付くぐらいべったり塗ってあげて大丈夫です。
保温することで、アトピー性皮膚炎など今後成長していった後の皮膚トラブルの発症リスクを軽減することができます。
保湿剤は赤ちゃんの肌に直接塗るものなので、せっけんと同じく体に優しいものを選びましょう。
肌トラブルを防ぐための保湿剤のせいで、赤ちゃんが肌トラブルに巻き込まれたら元も子もありません。
マニュアルが悪いの?
ここまでマニュアルどおりにやる必要はないし、道具もそんなにいらないよという話をしてきました。
ただし、助産院や母子教室で教えてもらう沐浴の手順が悪いのではありませんし、道具が必要ないわけではありません。
マニュアルに書かれていることは沐浴のプロが実践している内容です。マニュアルに記載のやり方でストレスが一切なくスムーズに沐浴させてあげることができれば、もちろんそれでOKです。
助産師や母子教室の先生、出版されている本など、プロの方たちはお金をもらって仕事として沐浴をしています。真剣な方ほど最高の方法を確立し、すべての赤ちゃんに同じクオリティのサービスを提供しようとするものです。
例えば、プロの料理家と同じですね。プロとしてフランスに10年間修行しに行き、料理を極めて、お客さんにそのサービスを提供する。
最高級の料理包丁に最高級のフライパンを揃え、食材や調味料はg単位で用意する。そこに一点の妥協も許さない。これぞまさにプロですね。
でも、一般家庭で産後でボロボロの体で、まったく思い通りにいかない赤ちゃんの面倒を毎日みて、睡眠時間もない、時間も十分にとれない人が、そこまで
のクオリティの料理を目指す必要がありますか?
ないですよね。むしろ手を抜けるところはどんどん抜いていきますよね。
沐浴、いや沐浴だけでなく、子育てすべてがそうです。
マニュアルや病院の先生が事細かに教えてくれる手順は何年も修行を積み重ね、それを仕事として最高のサービスを提供するためのものです。
そこに固執する必要はありません。
それよりも、なぜそれが必要なのか?なぜそれをしてはいけないのか?の目的を理解して、要領よく手を抜いて子育てをしていきましょう。
あまりにも強い義務感と責任感を持って育てると、子どももそうではなきゃいけないと思って、将来同じ苦しい思いを味わってしまうかもしてません。
それよりもママや周りの人が上手な手の抜き方を実演してあげるほうが、子供も伸び伸びと、生きることが楽しいと思える子に育ってくれるはずです。
まとめ
助産院や母子教室で沐浴の手順を教えてもらったり、子育ての本や動画などをみると、沐浴とはこうあるべきという必要なものと手順がズラーっと書いてありますよね。
それを守るために気を使って、上手くできない自分にイライラして、できないと自分を責めて、、ただでさえ出産後の体でボロボロで、育児で疲れているところに追い打ちをかけてしまう人も多いと思います。
でも、沐浴の目的やその必要性を知れば、やり方なんていくらでもあります。
育児のストレスはできる限り減らして行くことが大切です。
子育てで気をつかうことはしょうがないですが、あたまでっかちや神経質になりすぎて、義務感や責任感、罪悪感で自分を責めて、心身をすり減らすことは避けるべきです。そのための知る努力はとても大切です。
巷に溢れている情報や数字やデータに踊らされてはいけません!人には個性があるように、子供もみんな違いがあります。自分の感覚を信じて子育てをしていきましょう。
そして、要領よく手を抜けるところは手を抜いていきましょう。
そのために、どこを押さえるべきなのか?どこで手を抜いていいのか?という手を抜くための努力を頑張っていきましょう!
人間、知らなきゃ怖がるし悩むし批判しますが、一度知ってしまえば気持ちは楽になる生き物です。
参考リンク
今回の記事は12人の子どもを育てているyoutuber、「助産師HISAKOの子育て学校」のHISAKOさんとMARKさんから大いに学ばさせていただいた内容です。
僕自身、妻の妊娠前から妊娠中も、妻と口論したり、相手の実家まで行って離婚を直談判したぐらい夫婦関係に悩んでいました。
そんなときに、妻からHISAKOさんとMARKさんの存在を教えてもらって、本当に助けてもらいました。お二人、そして存在を教えてくれた妻にとても感謝しています。
まだまだ稚拙で未熟ですが、1つずつ学び、学んだことを同じ悩みを持っている方々に共有することで、この世の中に少しでも幸せになれる人が増えたらいいなと思います。
お二人の動画、とてもいいものばかりなので、ぜひ見てみてください!
それにしてもHISAKOさんが45歳超え、MARKさんが60歳超えの事実が驚愕。
HISAKOさんは若くて美人でスタイルよくて綺麗で明るくてパワフルだし。
MARKさんも若々しくてしゃべりうまくて広い広い心の持ち主で、しかも会社をいくつも起こしててビジネスセンス抜群でいろんな国の言葉しゃべれるとかスゴすぎ。。
少しでもお二人に近づけるようにこれから、ガンガン経験を積んでいきたいと思います。
つたない文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございました^^