否定と強制では子供は納得しない
子供が「Youtube見たい」「スマホみたい」「ゲームしたい」といったワガママを言う時があります。
その時に多くの親は「ダメ」「ダメだって言ってるでしょ」「言う事を聞きなさい」「こら!」と言って、子供の行動を否定したり強制しようとします。
しかし、こうした注意は子供の不満を更に爆発させ、余計に駄々をこねさせたり、「イヤだイヤだ」と言って泣き叫び転げまわるような反応を引き起こします。
これは、子共に対して「言うことを聞きなさい」「ダメ」と強制したり行動を制限するのでは、言う事を聞かせることはできないということを証明しています。
むしろ、言う事を聞かせるどころか、子供の反発心を煽る行為です。
感情的な反発を回避し、気づきを促す
子供のワガママをスムーズに回避するために重要なことは「感情的な反発を回避する」ことです。
「~したい」という強い感情に対して「ダメ」と言えば、感情は逆なでされ反発されます。このような言い合いを続ける限り、感情は永遠に反発し続けます。
そうではなくで、子供が「~したい」と言ってきたら「なんで~がしたいの?」という感情の理由を聞きます。すると、感情の反発が発生しません。
もちろん、感情の理由を聞くことが解決策ではありません。解決策は「なんで~がしたいの?」という質問で理由を掘り下げていって、代替案の気づきを促すことです。
重要なポイントは、親の答えを押し付けるのではなく、子供自身が持っている答えを引きだして気づかせることです。
例えば、子供が「Youtubeが見たい」と強烈に主張したとします。その場合に「なんでYoutubeが見たいの?」と聞きます。
子供「面白いから」
親「なんで、面白いことが大切なの?」
子供「ワクワクできるから」
親「じゃあ、面白いことって他にどんなことがある?」
子供「うーん、お母さんとオセロすること」
親「じゃあ、一緒にオセロやろうよ」
と言えば、感情的な対立を避けつつ、別の解決策に導くことができます。
大人にも使える
なお、否定と強制では納得しないというのは子供に限った話ではありません。大人も同じです。
上司が「~してはいけない」「~しなければいけない」という命令や指示を出すと、ほとんどの部下がが「なんでやらなきゃいけないの」「嫌だ」「やりたくない」と言った感情の反発を心に抱きます。
そうではなくて部下本人が自ら気づくようにサポートをします。
上司「~の目標を達成するには何をすればいいと思う?」
部下「うーん、そうですね。〇〇ですかね」
上司「なるほどね。でもそれだと、この場合はどうしたらいい?」
部下「確かに、その場合は、△△ですね」
上司「うん、それなら上手く行きそうだね、それで行こう」
部下「はい、わかりました」
上司がするべきことは、答えを与えることではありません。物事を前に進める姿勢(建設的な姿勢)で、部下と話し、選択肢を増やしてあげることです。
参考
この記事の内容はモルガン・スタンレーやGoogleで人材育成や組織開発を率い、自身も起業家であるピョートル・フェリクス・グジバチさんの著書『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』の一部要約に個人的な見解を加えたものです。
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使われている用語は専門用語ではなく、誰にでもわかりやすいものになっていて、例も豊富に乗っている非常に実践的な良書です。
会社を率いている人や部署を率いている人、あるいはマネージャーを目指している人の必読書といえます。
この記事に興味を持たれた方は実際に本書を手に取ってみることをお勧めします。