悩み相談に乗る人のよくある勘違い
相手の気持ちをポジティブにしようとする
誰かに悩みを相談されたときによくやってしまいがちな勘違いに、悩み相談は相手の気持ちをポジティブにするものという考えがあります。
相談してきた人に対して、「まだできるよ!」「頑張りなよ!」とポジティブな声掛けばかりしてしまう人がいますが、これはいい相談の乗り方ではありません。
問題点は相手の気持ちに寄り添っていないどころか、相手の気持ちを無視しているということです。
例
相談者「私、仕事辞めようと思ってるんだ、、」
あなた「えっ!まだ入社して1、2か月じゃない。雰囲気はまだわからないよ」
「元気出しなよ!」
「そうだ、ビタミンCを良く取り、よく寝るといい!」
これを言われたら相談者は、「この人私の気持ちをわかってくれないな」と感じて、あなたとの距離は離れてしまいます。
自分の話をし続ける
もう一つのよくある勘違いに、相手を励まそうとして自分の話をし続けるというのがあります。
相手は話を聞いて欲しくて相談しているのです。そんな相手に対して、喋る間を与えず、自分の話を永遠と聞かせ続けるという最悪の対応方法です。
例
相談者「私、仕事辞めようと思ってるんだ、、」
あなた「えっ!?そんなこと考えてたの!?」
「でもわかるよ。私も入社したての頃はさ、これこれこれこれで、あんなことがあって、そんなこともあって、こんな気持ちで、それでもこうして、、、」
悩み相談はあなたのありがたい話を聞かせる回ではありません。相手は、こう思っています。「こいつ話長い。」「お前の話はいいから、私に話させてくれよ」。
これでは、人間関係は良くなるどころか悪化してしまいます。
悩み相談とは何か?
では、悩み相談とはいったい何をする時間かというと、ひたすら共感する時間です。
やることは、「共感 共感 ひたすら共感」です。
悪い勘違い
悩み相談の目的はあなたが正しいと思う正解を言い、自分の正しさや凄さを証明することではありません。
「私みたいに元気出しなよ!」「私みたいに明るくいようよ!」「あなただってできるよ!」というのは、相手を励ましているようで、暗に「私の方がすごい」「あなたは私より劣っている」というメッセージを伝えるものでもあります。
悩み相談の目的と対処法実例
悩み相談の目的は、相手はあなたに話を聞いて欲しいということです。
そしてあなたの目的は相手との人間関係をよくすることです。
対象 | 目的 |
---|---|
相談者 | あなたに話を聞いて欲しい |
あなた | 相談者との人間関係を良くする。 |
正しい悩み相談の例
相談者「私、仕事辞めようと思ってるんだ、、」
あなた「えっ!どうしたの急に!?」
相談者「実は会社の上司にこんなこと言われて、、」
あなた「えー!」(感嘆)
「そんなこと言われたの!?」 (反復)
「それはヒドい!私でも傷つくよ、、」(共感)
「それで、それで?」(質問)
相談者「なんか、部長が変わってから方針が変わって、みんながピリついているんだ、、」
あなた「えー!」(感嘆)
「そんなピリついてるんだ!?」(反復)
「私もピリついている現場にいたことあるけど、ああいう環境で働くのはほんとしんどいよね」(共感)
「でも、そんな環境で頑張ってるなんて、やっぱり〇〇はすごいな、、」(称賛)
「〇〇が悩んでるって気づかないぐらい、頑張ってたもんな」(称賛)
このように相手の気持ちにひたすら寄り添い、共感し続けることが正しい悩み相談です。
無敵の拡張話法
上記の正しい悩み相談の例で示したように、相手の一言に対して次の5つを繰り返せば、話をぐーんと広げることができます。
- 感嘆
- 反復
- 共感
- 称賛
- 質問
この話法を拡張話法と言います。
拡張話法は悩み相談以外にも、普通に会話をするときにも使える無敵の方法です。
拡張話法の具体的な使い方については以下をご参考ください。
(参考)口下手でスキルがなくても話し上手になれる。好きな人、友達、同僚、パートナー、子供、誰からも好かれる話し方