ネガティブな印象が切り替わっていくポイント
人は見た目が9割という言葉があるように、人の見た目で印象は大きく変わります。
見た目だけでなくても名刺の渡し方であったり、出会って冒頭の些細なことでネガティブな印象がついてしまうことも少なくありません。
当然、最初からネガティブな印象がつかないことが大切ですが、仮に、最初にネガティブな印象を持たれてしまったとしても、そこから挽回することはできます。
そのポイントは、提案の中でもっともコアとなる「提案資料のクオリティが高い」ということです。
クオリティの高い資料とは何か?
クオリティが高いという言葉自体は非常に抽象的で曖昧です。クオリティが高いをより具体的な言葉や行動で表すと次のようになります。
ポイントは、「信頼感がある」ことと、「具体的にイメージできる」ことです。
会社や相手のことをすごくリサーチしている
すごくリサーチするというのはどのレベルかというと、その会社や人が持っているWEBサイト、発信しているtwitter, インスタ, facebook, note, ブログなどほぼ全ての情報を見ているというレベルです。
課題を断定しない
リサーチをする営業は世の中にたくさんいます。ですが、リサーチをしただけ、あるいは、リサーチしたことから「ここが問題だ!」と決めつけてしまう営業が少なくありません。
この課題の決めつけは多くの人がやりがちですが、非常に悪いポイントです。課題を決めつけてしまうのは、相手からすると上から目線で横柄に感じます。
また、社外に対して表面的に発している情報だけで課題を決めつけることは非常にリスクがあります。
営業の鉄則として、「課題を決めつけない」(断定しない)ということがあります。
「あなたたちの問題はここですね」と言うのではなく、「〇〇に課題を抱えているのではないでしょうか?」と問う姿勢が相手に寄り添ってもらっているという感覚を与え、響きます。
ヒアリング(深堀)をする
徹底的にあいての事を調べ上げたうえで、「私が調べた限りでは、御社が今抱えている課題は〇〇なのではないかなと感じました」
と断定せず、あくまで意見を述べたうえで、そこからヒアリング(深堀)を開始します。
スケジュールがわかる
ヒアリングをしたうえで、具体的にこんなことをしていきませんか?という提案だけでは、内容がわかっても実際にどう進めていくかのイメージが湧きにくいものです。
より具体的に相手にイメージしてもらうためには、「いつまでに何をするのか」がはっきりしている必要があります。
「〇〇を解決するために、いつまでに、△△をやりませんか?」という内容をあらかじめ提案資料の中に盛り込んでおくということです。
自分たちでは思いつかない提案
提案の質をもっとも左右することは、提案内容が相手が「自分たちでは思いつかない内容」であることです。
「なるほどな~」「そんな手があるのか!?」とうならせることができれば、もう心は大きく揺り動いています。
過去の実例を示す
より具体的なイメージを描いてもらうために「過去の実例を提示する」ことは非常に重要です。
「過去に、〇〇をしてとても上手くいったので、御社でもそれをやりませんか?」と提案すれば、何をやるのか、そして、肝心な上手くいくかどうかのイメージが立てやすくなります。
良い実績だけでなく、悪い実績も出す
多くの営業がやりがちなのが、自分たちの会社や提案を良く見せるために、過去の輝かしいい良い実績だけを提示することです。
ですが、相手の心をグッと動かしてポジティブな印象や信頼を得るためには「悪い実績も出す」というのが大きなポイントです。
「悪い実績を出す」といっても、自分たちの欠点を開示するという意味ではありません。
「過去に、こうやったら上手くいきました。こうやったらいい結果になりませんでした。だから、こうやりましょう」という提案をすることが大切です。
不安や心配を一緒に潰す
人や会社は誰しも必ず不安や心配事を抱えています。
そういった悩みに一緒になって向き合って「全部なんとかしましょう」という寄り添う姿勢を見せます。
そして「その不安だったら〇〇があるので大丈夫です」と言って、不安や心配を一緒に潰していきます。
人物像
こういった提案をすることによって相手が、営業に抱く印象は次の2つです。
この印象を与えることができれば、営業提案は上手くいったも同然です。
つまり、モノを売ることがゴールではなく、「寄り添ってくれる」「悩みを解決してくれる」という印象を持ってもらうことがゴールといえます。
情報が得られない場合はどうするか?
企業や人によっては、WEBサイトだけでなくSNSをがっつりやっているところもあれば、WEBサイトしかないような企業もあります。
その分、情報量の差は非常に大きくなります。そういった場合1回目のアポの目的が大きく変わります。
情報量が多い場合
WEBサイトだけでなくSNSをがっつりやっているような情報量が多い場合は、徹底的に下調べをして、できれば1回目のプレゼンで話を詰めていきます。
目的はクロージングまでもっていくことです。
情報量が少ない場合
一方、数ページ程度のWEBサイトしかないような情報量が少ない場合は、1回目の打ち合わせは相手のことを知ることを目的にします。
内容も大きく異なる
つまり、情報量が多い場合と少ない場合で、「コミュニケーションの方法」も、「事前準備に必要なもの」も大きく変わります。
数字で具体的に伝える
人の魅力で仕事が取れるというのは非常にいいことですが、それプラス「具体的な数字」というロジックの部分が揃うとプレゼンの質はグっと上がります。
具体的なスケジュールを示すのと同時に、具体的な数字で「なぜ、そのときに、それをやるのか」という理由を明確に示すことで説得力が上がります。
断定していい場合としてはいけない場合
お客様など自分たち以外が経験していないことに関しては、決して断定していけません。基本的に「こうではないでしょうか?」と問う姿勢が重要です。
断定していことは、自分たちが過去にやった結果や向き合い方です。「大丈夫です!精一杯対応させていただきます。」「過去に〇〇をやって△△という実績をだしています!」という断定はOKです。
提案するときにシミュレーションの数値を示しますが、「この数値を絶対に達成します!」ということも言ってはいけません。なぜならその数値はあくまでシミュレーション、すなわち仮設だからです。
やったことがないことも同じく仮設でしかありません。
そういった仮設は、お客様に対してもしっかりとお伝えすべきです。「これは、あくまでシミュレーションです」と。
その言葉を言うとお客様は「大丈夫かな、、、?」と内心心配になります。その不安を取り除くのも営業の仕事です。
不安を取り除く方法
断定せず、「あくまで仮設です」と言われれば、お客様が不安になるのは当然です。
そういったときは、思っていない事態に遭遇したときに自分たちがどうやって対応するかを具体的にお伝えして、不安を取り除いていきます。
こういった「大丈夫ですよ。私たちが最後までしっかり面倒みます」という姿勢が相手の不安を取り除きます。
まとめ
最初のネガティブな印象すら180度ひっくり返す、質のいいプレゼンとは何か?そのために何をすべきかは奥が深いものがあります。
多くの人が勘違いしているのが、最強のプレゼン資料があればそれを手に度の人ともわたりあえるというものです。
どのお客様に対しても同じ営業をするのでは、絶対に成果につながりません。
本質はそうではなく、「相手に合わせて目的と準備を変える」必要があります。
情報量が多い会社に対しては、その情報を活かした戦略を練る必要があります。
情報量が少ない会社であれば、お客様の情報を収集するというところに特化して準備・目的を立てる必要があります。