イベントや試合よりも仲間を大切にする
チームやコミュニティーなど強い集団をつくるには、人との関わり合いを大切にする必要があります。
なぜなら、人々が絆で結ばれた時、集団はずっと強くなることがでるからです。その絆はお互いを思いやることで成り立ちます。
このため、強い集団をつくる一流のコーチやリーダーは、何かを達成することよりもコミュニティーを作り上げることの方が大切にします。
何かを企画しイベントを行うときの目的は、イベントや旅行そのものではなく、人を長く続く絆で結び付け、コミュニティを作ることです。
つまり、イベントや試合観戦よりも、仲間と過ごす時間を大切にします。それが深い絆を生み、人々を結び付け強い集団へと変えていきます。
みんなと友人になる
人との負担を減らすために重要なことは、みんなと友人になることです。
人は誰かを助けるときに、皆一様に同じ気持ちが働くわけではありません。家族や友人であれば困っている時に進んで助けようとしますが、あまり良く知らない人や好きでない人であれば助けようとは思いません。
親友に頼みごとをされたら、頼みを聞いてあげようとします。友人を愛していて信用しているなら、その人のために力になりたいと思います。
だからこそ、普段から相手のことを、仕事の面だけでなく、家族やプライベートのことまで興味を持って、一人の人として理解しようとする。そうすれば、仲は自然と深まっていきます。
相手を助けたいという気持ちになれるかどうかは、普段からの付き合いの仕方で決まるということです。
助けることが正しいことで全員のためになるか?
人を手伝ったり、助けることはとてもいいことです。ただし一つ重要なことがあります。それがおせっかいや相手の負担、コミュニティーの関係性を壊すことになってはいけないということです。
人を助けるときには判断基準が必要です。それは「助けることが正しいことで全員のためになるか?」です。
そして、助けることが正しいことで全員のためになるという確信があれば、どんどん助けるべきです。
それがコミュニティーのためになり、人々をより深い絆で結び付け、より強い集団になります。
負担のかかりすぎないギバー
人との関わり合いを大切にし、お金や時間を与えるといっても、自分自身に負担がかかりすぎてそれが嫌になってしまうようでは元も子もありません。
自分に人と関わりコミュニティーを作る行為が楽しく、それ自体が自分のエネルギーになるから行うのです。
そのためには、自分にかかる負担の調整も重要です。
人を助けたり、人の力になるために、つねにたくさんの時間やお金は必要ありません。
とても忙しいときに5分間だけ時間を作る。一緒にでかけたときにジュースや軽食をおごるといったことだけでも、十分に相手との絆を深めることができます。
自分の時間とお金など、5分間だけ親切をするという姿勢があるだけでも、これまで以上に多くの人の力になることができます。
配慮を欠かさない
何かを企画し実行するときは自分が一番多く持ち出しをします。お金に余裕がなくて顔を出せないという人がでないようにするためです。
一人一人に配慮することが、その人たちが他の相手を配慮することにつながります。そして配慮のネットワークが広がり、一つの強い集団になっていきます。
時間、人脈、お金などの資源を惜しみなく使う
5分間だけの親切で負担のかかりすぎないギバーになるだけでも、人間関係を深めることはできます。
ですが、より大きく強い集団をつくるためには、時間、人脈、お金などの資源を惜しみなく使うことも重要です。
持っている資源の使い方が、正しいことで全員のためになるという確信があるのであれば、資源を使えば使うだけコミュニティーの絆は深まっていきます。
参考
この記事の内容はGoogleのCEOと会長を務めたエリック・シュミットやプロダクト責任者を務めたジョナサン・ローゼンバーグらが書いた「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の内容の一部要約と自分なりの解釈を加えたものです。
ビル・キャンベルはAppleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務め、世の中に偉大なリーダーを何人も送り出してきた人物です。
ビル・キャンベルが貫いてきた生き方やそこにまつわるストーリーには、最高のチームを作るためにリーダーやコーチが知っておくべき考え方や行動が宝の山のように詰まっています。
その考え方はビジネスやチームを成功に導くだけでなく、人として幸せに生きるためのより本質的な知恵でもあります。
この記事に興味を持たれた方は、本書を実際に手に取ってみることをお勧めします。あなたの人生をより幸せにし、成功へと導いてくれることは間違いありません。