ドローンの構造をわかりやすく解説(初心者向け)

ドローンの基本構造 Drone

ドローンはトイドローンと呼ばれる小型のものから、大型のものまで様々な大きさがあります。ですが、どのドローンも基本的な構造は同じです。

ここでは、ドローンの基本的な構造について図を用いて解説しています。


ドローンの基本構造

ドローンは大きく「ドローン本体(機体)」と「送信機(プロポ)」と呼ばれる2つの装置で構成されています。

まずは、ドローン本体(機体)の基本的な構造から解説していきます。ドローンは次のように大き9つのパーツでできています。

(参考)DJI Air3


プロペラ

ドローンには2対のプロペラがついています。

これらのプロペラが回転することで揚力(浮き上がる力)が生まれ、ドローンが空中に浮きあがることができます。

プロペラの注意点

プロペラは消耗品のため、基本的に交換することができます。飛行前に点検し、プロペラに劣化や破損が見られた場合は交換する必要があります。

写真のように4本のアームから4つのプロペラがついているものを「クアッドコプター」(クアッドとは、「4つ」という意味)と呼びます。

大型になると多くのプロペラが必要になる場合があります。6つついているものを「ヘキサコプター」(ヘキサとは、「6つ」という意味)と呼びます。

8つついているものを「オプトコプター」(オプトとは、「8つ」という意味)と呼びます。

ARRIS E616P 6軸(農薬散布用ドローン)


カメラ

ドローンには撮影用のカメラが付いています。機体によってカメラの個数は変わります。カメラが1つのものを1眼、2つあるものを2眼、3つあるものが3眼となります。

上記の写真の例のDJI Air3は2眼です。①広角カメラと②3倍ズーム対応の中望遠カメラの2つを備えています。

DJI Air3のカメラ


3つのカメラを備えたタイプには、DJI Mavic 3 Proがあります。①メインとなる広角カメラ:Hasselbladカメラ(焦点距離24mm)、②3倍ズームの中望遠カメラ(70mm)、③最大28倍ハイブリッドズームの望遠カメラ(166mm)を備えています。

DJI Mavic3 Pro


ジンバル

カメラを支える部分には「ジンバル」がついています。ジンバルは揺れや振動によるカメラのブレをなくすための装置です。機体の揺れや振動を検知し、逆方向にカメラを動かすことで振動を打ち消します。

ジンバルは自動で動くだけでなく、送信機を通してマニュアルで操作することができます(DJI Air3の場合)。

機構としては、ジャイロセンサー感知した傾きを小型モーターで上下左右にカメラを動かします。ちなみに、「ジンバル」とは「1つの軸を中心として物体を回転させる回転台」という意味です。

ドローンだけでなく、動画撮影用の一眼レフカメラやスマホ用のジンバルもあります。

DJI Air3のジンバル可動範囲
ジンバルの注意点
  1. ジンバルはセンサーでその位置を細かく制御しているため、期待の電源をONにした後にジンバルを手で動かすといった負荷をかけることは厳禁です。
  2. DJIのドローンシリーズなど、ジンバルを保護するジンバルプロテクターというものがありますが、これは飛行中ではなく、ドローンを使用しないときにジンバルを外力から保護するものです。
  3. 濃霧や雲の中を飛行すると、ジンバルが湿気を帯びて一時的に不具合が生じることがあります。その場合、ジンバルが渇くと機能は正常に戻ります。


障害物センサー

一般的なドローンには「障害物センサー」がついています。障害物センサーが物体を認識することで自動で接触を防いでくれます。

機種によって全方位を感知するセンサーがあるタイプや、上下左右のみといった違いがあります。

上記写真のDJI Air3で「障害物センサー」と記載してある部分のセンサーは、上と左右のセンサーです。もう一つお腹のところに下方を検知するための障害物センサーが搭載されています。

注意点としては、障害物センサーは完璧なものではなく、枝などの細く飛び出したものなどは検知できないことがあります。センサーの有効な検知確度によって死角も存在します。

DJI Air3の各センサーの有効範囲


スキッド(ランディングギア)

ドローンのプロペラの下に足のように飛び出た部分があります。これは期待を地面に着地させるために必要なもので「スキッド」や「ランディングギア(着地装置)」と呼びます。

安定して着地することで、カメラやジンバルなどの重要機器を守ります。

写真のように固定式のものもあれば、着陸時のみ出てくるものもあります。


アーム

プロペラと本体をつないでいる腕の部分を「アーム」と呼びます。


バッテリー

ドローンのバッテリーには「リチウムポリマー電池」が使用されることが多いです。

リチウムポリマー電池はゲル状の高分子ポリマー材を使用しており、希望の形状に加工しやすいといった特徴があります。また、ゲル状であるため液漏れしにくく、リチウム電池よりも安全性が高いとされています。


フレーム

ドローン本体となる中心部を「フレーム」と呼びます。フライトコントローラーなどの重要な電子機器が格納されています。


LEDライト

ドローンにはLEDライトがついています。このLEDライトの点灯/点滅方法でエラーやバッテリー残量の低下、重大なエラーの発生などドローンの状態を知ることができます。非常に重要な役目をしています。

DJI Air3では「緑」「黄色」「赤」の3色があり、それぞれの点滅の仕方で、現在の状態を知らせます。

DJI Air3のLEDライトの各ステータス


送信機(プロポ)の構造

ドローンにはドローンを操作するための「送信機」が必要となります。

送信機は例えば以下のようなものです。(DJI Air3の場合)

DJI Air3の送信機(RC2)


以下でそれぞれの機能について解説しています。


プロポとは何か?

送信機のことを「プロポ」と呼ぶこともあります。「プロポ」とは、「釣り合った」や「比例する」という意味のプロポーショナル(Proportional)の略で、送信機の操作に合わせてドローンが動くことが由来となっています。


以下でそれぞれの機能について解説しています。


アンテナ

機体制御と動画無線の信号を送信します。電波はアンテナの表面から出るため、使用するときはアンテナを立てます。

なお、アンテナの表面部分とドローンの位置関係が非常に重要になるため、ドローンどこで飛ばすかによって最適なアンテナの位置も変わります。

アンテナとドローンの飛ばし方の最適な位置関係


操作スティック

スティックを操作することで機体をコントロールします。大きく次の4つの操作に分けられます。

操作スティックによる機体のコントロール

①上昇/下降

②左旋回/右旋回

③前方/後方

④左移動/右移動

DJI Air3 モード2(デフォルト)の場合

なお、機体によってはどのスティックにそれぞれの動きを割り当てるかを変更することができます。


RTH(リターントゥーホーム)/飛行一時停止ボタン

RTH(リターントゥーホーム/Return to Home)と飛行一時停止用のボタンです。

RTH(リターントゥーホーム)とは自動帰還システムのことで、このボタンを押すとドローンが自動で最後に記録された場所(ホームポイント)まで戻ります。

ボタンを1回押すと機体にブレーキがかかり、その場でホバリングを行います。長押しすると、RTHを起動し、機体が自動帰還します。再度押すとキャンセルされます。

なお、ボタンを押さずとも、バッテリーの低下や制御信号のロストなどで自動でRTHが起動し、ホームポイントまで戻ってくる機能もあります。


ディスプレイ

ディスプレイはタッチ操作に対応しています。スマホのように指で操作します。

上から下にスワイプすることでステータスバーを開きます。ディスプレイを2回タップするとクイック設定が開きます。

DJI Air3のディスプレイ操作


ディスプレイの注意点(DJI Air3)

タッチ画面は防水ではないため、慎重に操作する必要があります。


フライトモードスイッチ

飛び方を切り替えるためのスイッチです。次の3つが用意されています。

  1. 少し早く飛ぶ:SPORT(スポーツモード)
  2. 標準の速さ:NORMAL(ノーマルモード)
  3. 少し遅く飛ぶ:CINE(シネモード)

切り替えたモードに合わせて、操作スティックの動きに対する反応が変わります。

競技のようにスピード感をもって飛び抜けたい場合はSPORTモードを、空からゆっくりと1点を空撮する場合はCINEモードを使用します。

DJI Air3 フライトモードスイッチ
スポーツモードの注意点

スポーツモードにすると、障害物検知機能がOFFになります。スポーツモードで操作したことによる接触事故も報告されているため、操作時は注意が必要です。


電源ボタン

送信機の電源をON/OFFにします。現在のバッテリーの残量確認もすることができます。


バッテリー残量LED

送信機のバッテリー残量をLEDで表示します。


ステータスLED

送信機自体やドローン本機との通信状態などをLEDで知らせます。

ドローンと通信が切れている場合、ドローンまたは送信機のバッテリー残量が低下している場合など重要な警告を知らせます。

DJI Air3 送信機のステータスLEDの各状態


送信機上側の構造

しっかりとしたドローンは操作やお知らせ機能が正面にあるだけでなく、上側にも存在します。

DJI Air3の送信機(RC2) 上側


録画ボタン

録画の開始と停止を切り替えます。


フォーカスシャッターボタン

ボタンを半押しするとオートフォーカスが作動し、全押しすると写真を撮影します。

オートフォーカスは以下のような場面では狙った被写体を捉えられないことがあります。

オートフォーカスの注意点

被写体を上手く捉えずらい場合

  1. 遠くにあるくらい物体
  2. 同じ模様や質感が繰り返されている物体
  3. 明確な模様や質感がない物体
  4. 輝いている物体(街頭やガラスなど反射率が高い物体)
  5. 点滅している物体
  6. 高速で動いている物体
  7. 機体やジンバルが早く動いている場合
  8. 焦点距離の異なる物体


カメラ制御ダイヤル

デフォルトではカメラのズーム(望遠)をコントロールします。

設定画面を操作することで、焦点距離、EV(露出値)、絞り、シャッター速度、ISOの調整に使用します。


ジンバルダイヤル

カメラのチルト(傾き)をコントロールします。


スピーカー

音声を出力します。送信機とドローンの通信が切れた場合や、バッテリー残量が低下している場合など、LEDで警告するだけでなく、スピーカーからビープ音が出ます。


ちなみに、例で紹介しているDJI Air3の送信機は裏側にも、「補助ライトのON/OFF切り替え」や「ジンバルの再センタリング」といったボタンが用意されています。



ドローンの動き

ドローンは空中で様々な方向に自由に飛び回ることができます。それぞれの動きを分解すると①上下、②前後、③左右、④旋回という4つに分類することができます。

この4つの動きにはそれぞれ専門的な名前が付けられており、それが「スロットル」「エレベーター」「エルロン」「ラダー」です。

専門用語と動きを紐づけると次のようになります。

ドローンの動きと用語
  1. 「上下」 = 「スロットル」
  2. 「前後」 = 「エレベーター」
  3. 「左右」 = 「エルロン」
  4. 「旋回」 = 「ラダー」


これらの用語は飛行機から来ています。飛行機とドローンでは動作原理が異なりますが、その動きに合わせて同じ名前が使われています。

ドローンのそれぞれの動きを図にすると次のようになります。


参考

エレベーターと聞くと上下の動きを思い描きそうですが、ドローンで「エレベーター」というと「前後」の動きになります。なぜエレベーターが上下ではなく前後なのか?については下記をご参考ください。

【Photoone】なぜエレベーターが上下ではなく前後なのか?



操作スティックによるドローンの操作

ドローンの送信機で表すと「スロットル」「ラダー」「エレベーター」「エルロン」の各動きは次のようになります。

DJI Air3 モード2の場合


左スティックが「スロットル(上下)」と「ラダー(旋回)」を担い、右スティックが「エレベーター(前後)」と「エルロン(左右)」の操作となります。

注意点

ドローンの送信機の各操作は、モードによって割り当てを切り替えることができます。

DJI Air3 モードによるスティックの割り当ての違い



スロットル

ドローンの「スロットル」は、プロペラの下についている4つのモーターの回転を制御する動きを表します。

スロットルに合わせてモーターが回転するので、スティックを前方に倒せば上昇し、後方に倒せば下降します。


エレベーター

ドローンの「エレベーター」は、ドローンの前方の2つのモーターと、後方の2つのモーターをそれぞれ制御する動きです。

スティックを前方に倒すと、後ろ側のモーターの回転数が上がり、機体が前方に傾くことで前に進みます。

スティックを後方に倒すと、前側のモーターの回転数が上がり、機体が後方に傾くことで後ろに進みます。


エルロン

対角線上にあるプロペラのモーターの回転速度を調整することで右移動や左移動をします。


ラダー

エルロンと同じく、対角線上にあるプロペラのモーターの回転速度を調整することでその場で旋回(右旋回、左旋回)をします。


ドローンの制御機構

ドローンには「GNSS」や「IMU」「フライトコントロールシステム」といった情報処理や制御装置、気圧や赤外線などの様々な情報を検知するためのセンサーが使われています。

それらの詳細については下記記事をご参考ください。



バッテリー

バッテリーを長く使うために

ドローンのバッテリーはドローンを安全に飛ばすための重要部品の一つです。バッテリーの品質はどれだけ飛ばし続けられるかに影響します。

バッテリーを長く使うためには知っておきたいポイントがいくつかあります。

バッテリーを長く安全につかうための知識
  • 充電器は満充電になると充電を停止するが過充電となる場合がある。
  • 過放電や過充電を行うと、急速に劣化が進み、寿命が短くなる。
  • 過放電や過充電の状態では、通常利用時よりも多くのガスがバッテリー内部に発生し、バッテリーを膨らませる原因となる。
  • バッテリーに強い衝撃を与えた場合、発火する可能性がある。


ざっくりまとめると、バッテリーを長時間充電器につなぎっぱなしにしないこと、バッテリーが切れた状態で放置しないこと(残量が0%になるまえに充電すること)が大切になります。


産業廃棄物としてのバッテリー

会社として事業でドローンを使うこともあります。その場合、ドローンを処分する際は、趣味で使っているドローンを捨てるように捨ててはいけません。事業で使ったドローンを処分する場合は「産業廃棄物」扱いになります。

バッテリーも当然産業廃棄物として処分する必要があります。違法になると、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金という重い罪になることがあるため、きちんと処分する必要があります。


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