ごめんなさいが言えない子は自尊心が低い?理由と子供が感情をコントロールする方法

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子育てをする上で子供を叱ることは必要なことです。ですが、叱り方を間違えてしまうと、子供の自尊心を傷つけてしまいます。自尊心が傷ついた子は非行や犯罪に走りやすくなります。

子供の自尊心を傷つけずに叱るにはどうしたらいいのでしょうか?自尊心を育むにはどうしたらいいのでしょうか?

叱られない子に育てるにはどうしたらいいか?子供が感情をコントロールできるようになるために親がしてあげるべきことは何なのか?

そんな、ありふれた、けど、とても深刻な問題に答える15個の金言をご紹介します。


子供の叱り方は、親の価値観を伝えること

子供を叱ることは悪いことではありません。ですが、暴力や脅しなど恐怖によって抑えつけてはいけません。その子の自尊心が踏みにじられ、人格そのものが壊れてしまうかもしれません。

子供を叱るときは「それをしてはいけないよ」「そんな言い方をしたらお母さん(お父さん)はイヤだよ」というように親の価値観を伝えることです。

この方法で子供は「してはいけないこと」を学んでいきます。


非行や犯罪は自尊心を失った人がする行為

非行や犯罪は自尊心を失った人がしてしまう行為です。犯罪行為をしないで生きているのは「私はそんなことをする人間じゃない」という誇りや自尊心があるからです。

暴力や暴言でしつけることは、その大切な思いを踏みつけてしまいます。

親が幼い時に心を傷つけられ自尊心を傷つけられたのにも関わらず、自分の子供にもそれをしてしまい、自分の行動を変えることができないのは、自尊心が低くなっているからだと思います。


自尊心は価値のある人だと認められ、大切にされることで育っていく

子供の自尊心を大切に育むことはとても重要です。自尊心とは「スポーツが得意」「勉強ができる」から育つものではありません。

もちろんそのような側面もありますが、自尊心の根本は、親や周囲の人に「あなたは価値のある人だ」と認められ、大切にされるからこそ育っていくものなのです。


「ありがとう」と「ごめんなさい」は信頼を築くかけがえのない言葉

「ありがとう」と「ごめんなさい」は人と人との信頼を築くかけがえのない言葉です。子供に対しても、夫や妻に対しても、この言葉を言えるように努力しましょう。

家庭の中には一日に何度もその言葉を口に出す場面があるはずです。その都度この言葉を言わないと、親子の関係も夫婦の関係も、けっしていい形にはなりません。

子供に何かを頼んでやってもらったときは、必ず「ありがとう。助かったよ」と言ってください。子供は、「自分は役に立つ人間なのだ」と自尊心を高めることができるでしょう。

叱りすぎてしまったときや、ヒドイことを口にしたときは「さっきはごめんなさい。ママ / パパ、イライラしていた」と謝ってください。

子供の自尊心はそれで守られるのです。


自尊心が低い人が「ありがとう」と「ごめんなさい」を言うには努力が必要

「ありがとう」や「ごめんなさい」という言葉は自然に口から出るものと思っている方もいらっしゃいますが、言い慣れていない人、とくに自尊心が低くなっている人には本当に難しいものです。

だから、ちゃんと意識して言わなくてはいけません。今日一日で何回言えたかを、一つ一つ数えていくぐらいの努力が必要です。

最初は心がこもってなくてもいいんです。口先だけでも仕方がありません。それでも何度も言うのです。

そうすることで「感謝の心」「相手を尊重する心」が言葉のあとを追いかけるようにして育ってきます。心がゆっくりと成熟していくのです。言葉とは、人間とは、そういうものなのです。


家族の前で悔しがる姿をさらけ出せるのは心を許しいている証拠

長男が負けず嫌いすぎて、親や家族に対しても負けると激怒し喚き散らします。他にも自分の思い通りにことが進まないと文句をつけ、無理やり自分の思い通りに事を運び満足しています。周りは不愉快です。これを続けていたら友達がいなくなるのではと心配している方がいます。

負けず嫌いは悪いことではありません。向上心は、負けた悔しさから生まれます。「次はもっとこうしよう」「こうやったら勝てる」という学びの芽にもなります。

手段を選ばず勝とうとするのはよくありませんが、「負けて悔しいという気持ちは悪くない。この思いを大事にしてあげよう」と育てるのがいいと思います。

家族の前で悔しがる姿をさらけ出せるというのは、心を許している証拠です。この人達の前ならどんなみっともない姿をさらけ出しても許してもらえる。嫌われることはないという信頼感があるのです。受け入れてあげてください。


年が離れていても弟にライバル心を持つのは当たり前

親の目には、「3つも年下の弟にライバル心を持つなんて」と思うかもしれませんが、これは当たり前のことです。

子供はきょうだいで競争し、次に身近な友達と競争します。競争しながら成長し発達するのです。


勝った時に大喜びしすぎない、残念がりすぎないことを教える

競争する気持ちが強くなりすぎると、いびつな優越感や劣等感を持つようになります。

優越感や劣等感をゼロにすることはできないのですが、必要以上に大きくしてしまうのもよくありません。

親も、子供に勝ったときに大喜びしすぎない、負けた時に残念がりすぎないことを意識してください。感情をどうやってコントロールするかを親が見本を示してあげましょう。

あまりに、優越感や劣等感をあらわにする場合は、「お母さん / お父さんはそういうのは良くないと思うよ」「みっともないことだよ」「悔しがるのは家の中だけにしよう。お友達と遊んでいる時は我慢してみよう」というような言い方でストップをかけるといいでしょう。


感情を持つことがいけないのではなく、コントロールすることが大事

人にはいろんな感情があり、負けると悔しいし、悲しいし、恥ずかしい。それは素直な思いです。そのような感情をもつことがいけないのではなく、上手にコントロールすることが大事なんだと教えてほしいと思います。

それができるのは家庭の中だけです。相対的にいろんな価値観を伝えることが、子供の感情を柔軟に育てることにつながります。


親が感情を上手にコントロールできること

子供は感情をありのままの状態で表現しますが、成長、発達、成熟の過程で感情を露骨に出さないことを少しづつ学んでいきます。

それが早いうちにできる子と、なかなかできるようにならない子がいます。持って生まれた気質もあるでしょうけれど、育てられ方もあると思います。

親が感情を上手にコントロールできていれば、子供もわりあい早く、感情の使い方を学ぶのではないでしょうか。

親が子供の「子供っぽい姿」に対して、感情的な対応をすることは控えるように心がけてください。


相談の手紙を出したことが深い愛情の証

発達の遅れがあり育てにくいと感じる子供を6年間育ててきて、愛情がもてなくなった。叩いても罪悪感を感じなくなった。と投げやりな口調で書かれていますが、愛情がない親が相談室に手紙を送ってくるはずがありません。

そんな言葉を言ったり、書いたりしなければいけないほど、追い詰められていらっしゃるのです。

相談の手紙をくださったことが深い愛情の証です。


自閉傾向のある子にはふさわしい環境が必要

目の見えない人に点字ブロックが必要なように、車椅子の人にスロープが必要なように、自閉傾向のある子にふさわしい環境が必要です。

自閉症の人たちが、自閉症という特性を持ったまま、一般の人たちとともに生きていくということです。

環境を変えるとは、コミュニケーションのとり方を変えることです。


否定ではなく肯定で、曖昧ではなく具体的に穏やかに何度も繰り返して言う

発達障害の子の多くは、話し言葉を理解するのが苦手です。本人はペラペラよく話していても、耳で聞くのは弱いのです。

逆に、文字や絵で伝えられたことは理解しやすく、見たものについての記憶も強いのです。絵カードなどを使うと、面白いほど通じますよ。

何度声をかけても黙々と遊んでいる子に、お茶碗とお箸の絵を書いたカードを見せたら、すっと食卓にやってきたという声をたくさん聞きます。

こういう子には、口数の多い育児はよくありません。具体的でない言葉かけもいけません。「なんでこんなこともできないの?ちゃんとしなさい」なんて、どれだけ言ってもムダなのです。

「散らかさないで」ではなく「脱いだ服は全部持って洗濯機に入れようね」と言うのです。

否定ではなく、肯定で。あいまいではなく、具体的に。感情的ではなく、穏やかに。一度言うのではなく、何度も繰り返すのです。


子供に変わってもらうのではなく、周囲が変わる

子供に変わってもらうのではなく、周囲が変わるのです。「ますます大変になる」と思うかもしれませんが、そうではありません。

車椅子の子のために家をバリアフリーにすることと同じだと考えてください。発達障害の子は正直ですから、特性に合った穏やかな育て方をすれば、それぞれの子のよさや、かわいらしさも存分に発揮されるはずです。


子供は見張るのではなく見守るのです。

子供を見るということは見守るということです。はいはいやよちよち歩きを始めた赤ちゃんは、少しづつお母さんのそばを離れて探索行動を始めます。

観察するとわかるのですが、ひとりで勝手に行ってしまっても、その先で何か不安を感じると必ず赤ちゃんは振り返るのです。

その時に親がそれに関わる人が「いいよ」という顔をすると前に進み、「ダメ」という顔をするとストップします。このような行動をソーシャル・リファレンシング(社会的参照)と言います。

乳幼児期に親などからの見守りがなかった子の多くが、非行や犯罪に走ることが研究によってわかっています。そのくらい親からの眼差しは大切なのです。

子供を見守ってあげてください。見張るのではなく「見守る」のです。

子供の表情やしぐさから、何を感じているかを読み取ってください。そして、その子にしかないかわいらしさや、得意なこと、大好きなものをみつけてください。そんな眼差しを向けられるのは、親だけだという誇りをもってください。


参考

この内容は、川崎医療福祉大学特任教授、横浜市リハビリテーション事業団参与で、自閉症を持つ人々のための支援プログラム、TEACCH(ティーチ)を米国から日本に紹介するなど様々な経歴をもつ精神科医 佐々木正美先生の「この子はこの子のままでいいと思える本」の要約と一部抜粋です。

本書には他にも、気づきを与え、心を軽くしてくれる、子供の育て方に関する金言がたくさん載っています。

興味を持たれた方はぜひ一度手に取って見てはいかがでしょうか?

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