出産にあたって育休をとったけど、そろそろ復職したいという気持ちが出てきた。でも、子供と過ごす時間はとても幸せで、子供のためにももう少し一緒にいてあげたほうがいいのでは、、?親が働いて子供を預けたら、その子はかわいそうだとも思う。
親として子育てに専念するべきか、それとも復職するべきか?
そんな、ありふれた、でも、とても深刻な悩みに答える8個の金言をご紹介します。
専業主婦でいるのも、仕事に復帰するのも自身の決断。子供のせいにだけはしないこと
出産のために休職をしていつかは仕事に戻りたいと思いつつも、子供のためにこのまま専業主婦でいたほうがいいのではと悩む人は少なくありません。
仕事と子育てが両立できるのか?子育てに専念した方が自分らしくいられるのか?は人それぞれです。十人いたら十通りの回答があるでしょう。
自分で決めるしかないのです。ただし、子供のせいにだけはしないことです。「本当は〇〇したかったけど、この子のために諦めた」ということがないようにすることです。
子供を預けて働くことに負い目を感じる必要ない。でも、子供に会う時はパパとママで
子供を預けて働くという選択をした場合にも、負い目を感じる必要はありません。そのことで、実際に子供に何か影響があるようなことはありません。
大切なことは、仕事を終えて子供を迎えに行くときは仕事の顔で行かないことです。気持ちを入れ替えてママやパパとして迎えに行くことです。
子供は仕事で問題を解決してくれる人ではなく、ママやパパを待っているのです。けっして子供のいる場所に職場のことを持ち込まないことです。
一番よくないのは「仕事で働いて疲れてるんだから、あれこれ要求しないで」という気持ちになることです。働くことを選んだのは自分です。そのしわ寄せが子供にあってはいけません。
子供に接する時間が長ければいいわけではない。時間の充実度を重視する
仕事をしたり、共働きであれば子供と接する時間が短くなってしまいます。でも、子供と接する時間が長ければいいというわけではありません。
短ければ短いほど、子供と接する時間の充実度を重視すればいいのです。
そして、子供を預けるときは、そこのスタッフと仲良くすることが大切です。預け先が祖父母であっても同じです。
親が預け先の人を信頼していればいるほど、赤ちゃんであっても、その場所でのびのび過ごすことができます。
○歳まで母親の手で育てるは根拠がないこと。そろそろだなと思ったときがベストタイミング
子育てのため仕事を休職中、復帰する時期についてもう少し子供と一緒にいてあげた方がいいのかなと迷っている。
でも、復帰する時期については一人一人違います。○歳まで母親の手で育てるべきは根拠がないことです。そろそろだなと思ったときがベストタイミングなのです。
復帰することが決まったら、お子さんに説明してあげるのがいいです。「お仕事頑張るから、協力してね」と真剣に伝えれば、子供は幼くても理解します。親を助けてあげられることを嬉しく思うでしょう。
お子さんに働く姿を見せてあげれば、お子さんは心から誇らしく思うでしょう。
ストレスが大きく自分で処理できなくなると、体の弱いところに反応が出る
毎日のように「足が痛い」「お腹が痛い」など体のどこかが痛いと訴えたり、頻繁に熱を出したり、大声で泣くことがある原因は、人間関係の中で生じるストレスです。
心因反応(しんいんはんのう)というのですが、苦痛、不安、恐れ、つらさなど自分では処理できないストレスに支配されると、その人の体の弱いところに反応が出てしまうのです。発疹、熱、下痢、便秘など症状は十人十色です。
これは「ストレスが大きいから、注意しなさいよ」という体からのサインで、大人にも子供にも、色んな程度で現れるものです。
親との関係、友人との関係、先生との関係、あるいは何か別のストレスを感じている可能性もあります。
溢れる愛情がわが子に愛情として届いているか見直してみてください。
「愛着のもとは、自分はこの人から無条件に愛されているという信頼
人は愛着関係を基盤にしながら、少しづつ他者との関係を築いていきます。
このため、友達と親しく交われないなど、人間関係にストレスを抱えている人の中には、愛着関係の土台ができていないことが少なくありません。
愛着とは、特定の個人との深い感情的な結びつきのことです。愛着の元になるのは、自分はこの人から無条件に愛されている」「この先、何があっても一生愛される」という信頼感です。ほとんどの場合、母との関係で築かれるものです。
幼いうちにしっかりと親子の愛着関係を築くことができなければ、社会における人間関係の成立が難しくなることがあります。
「激しく泣いて訴えるのは、普通に言ったら聞き入れてもらえないと思っているから」
子供が激しく泣いて訴えるのは、普通に言ったら聞き入れてもらえないと思っているからかもしれません。「怒られない」「ちゃんと受け止めてもらえる」と信じられるようになれば泣かずに言うようになります。
長時間でなくてもいいので、子供の話を聞いてあげてください。イライラせず、怒らず、穏やかにうなずいてください。それだけで愛情は確かに伝わります。
親が聞きたい話を聞くのではありません。妹とけんかしたとか、「お母さんは私のことなんてどうでもいいんだ!」とか、そんなことも全部聞くのです。
要求をすべて聞き入れるという意味ではありません。間違った意見であれば「そうではないと思うよ」と言っていいのです。ただし穏やかに言うのです。怒ったり、拒絶したりしてはいけません。
それでもギャーギャー泣く時は抱きしめてあげるといいです。子供は暴れて振り払おうとしますが、それができないくらい強く抱きしめるのです。「大好きだよ」「大事だよ」と言います。でも決して、その後に「だから、〇〇してね」は言わないのです。
「〇〇が痛い」というならば、痛む部分を優しくさすってあげてください。気持ちが安らげば痛いという回数が減ってくるかもしれません。
「幼い頃のことは気にしなくていい。子供は今だけが大事」
昨日より今日、今日より明日が少しでも進歩していけばいいのです。ときに後退することがあってもいい。ほんの少しでもいい方向に進んでいると実感できれば、子供の目はどんどん輝いていきます。
幼い頃のことは気にする必要などありません。子供は「いま」だけが大事なのです。今すぐに始めてみてください。
参考
この内容は、川崎医療福祉大学特任教授、横浜市リハビリテーション事業団参与で、自閉症を持つ人々のための支援プログラム、TEACCH(ティーチ)を米国から日本に紹介するなど様々な経歴をもつ精神科医 佐々木正美先生の「この子はこの子のままでいいと思える本」の要約と一部抜粋です。
本書には他にも、気づきを与え、心を軽くしてくれる、子供の育て方に関する金言がたくさん載っています。
興味を持たれた方はぜひ一度手に取って見てはいかがでしょうか?