チーム内で決断が割れた時の対処法|最も力を持つ二人で話し合って決めさせる(会議の目的は最適解を決めること)

ビジネス
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ミーティングで来期の戦略会議など何かの意思決定をするときに、意見が対立してまとまらないことがあります。

どちらも妥協や譲歩する気がない場合、意志決定を下すのは非常に困難です。

そういったときに、最適な意思決定方法についてまとめています。


2人で決めさせる

意見が割れるとき、たいていは二つのうちのどちらかに絞られることがほとんどです。

こういった場合多数決で決める方法もありますが、納得感をあげる方法の一つに「二人で決めさせる」という方法があります。

具体的には次のような条件で意思決定をします。

2人で決めさせる方法
  • 各意見に対して最も大きな決定権をもつ二人を選出する。
  • 2人に更に情報を集めさせて、協力して最適な解決策を考えさせる。
  • 必ず期限を切る(1週間か2週間が妥当)

重要なことは、「現在争っている2つの案のどちらかにしなくてもいい」ということです。

たくさんの情報を調べたうえで、二人で相談し、全く別の案を解決策として出してもいいということです。

期限を切ることを忘れてはいけません。〇〇までにという期限があるからこそ、二人とも集中して決めることができます。


連帯感が高まる

2人で決めさせることのメリットはお互いが納得した意思決定をするだけにとどまりません。

心理学の研究で、いがみあうチームの中を改善する方法は、共通する一つの目標を立てて協力して解決することだということが明らかになっています。

2人で決めさせるという行為は、まさに「解決すべき共通の目標を立て」「二人で協力して解決する」ということです。

このため、いがみ合いぶつかり合う傾向にあった二人が、意志決定後に連帯感が高まるという結果になります。


「みんなが合意したか」ではなく「最適解か」

会議は意思決定を行うための場です。そこで行う意思決定に関して、会議をリードする人がしっておかなければいけないことがあります。

それは「みんなが合意するか」ではなく「最適解か」ということです。

会議における意思決定でよくありがちな大失敗は、みんなが賛成する当たり障りのない意見を採用することです。

当然ですが、その決定を実行したところで十分な成果にはつながりません。それどころか社内に癒着の精神が生まれます

会議において最も重要なことは「最適解を決める」ことです。

現在話し合っている議題に対して、最も効果を及ぼす方法を決定することが、会議における意思決定の本質です。

point

会議はみんなに配慮した決断ではなく、最適解を決めるための場。


トップが決断を下すのは、社内政治につながる

2人の意見が割れたときのように、社員どうしで意思決定ができないことがあります。そういった場合に、最終決定を下すのが常に社長などのトップというのは、理に適っているようで一つ大きな問題があります。

それは、社内政治が蔓延しやすくなることです。

なぜなら、社長が決断を下す場合、社員は事業にとって本当に効果をもたらすことは何か?よりも社長の好みにあった提案を優先して考えるようになります。

なぜなら、そっちの方が採択されるからです。

結果として、「社長にいかに採択されるか」を考える人が増え、事業の本質よりも社内政治につながりやすくなります

事業を良く導き、組織にとって最善の判断は何か?を社員が本気で考え、責任を持つことで、組織全体の力も強くなっていきます。

point

社長が決断を下す場合「目的のために何をすべきか」よりも、「社長に採択されるために何が必要か」が優先され、社内政治が蔓延しやすくなる。



全員が意見を出すことが大切

意見を絞っていく上で対立が起こったときに、その議論に対して最も影響力を持つ2人で決めさせることは有効ですが、それはあくまで対立が起こった時の対応方法です。

基本はミーティングに参加している全員が自分たちの意見や不満を打ち明けて、その上で議論をし最適解を出すことが重要です。

そのためには、ミーティングを開始してから一人一人に意見を求めるのでは遅すぎます。

あらかじめ、各個人にその議題についてどう思うか、どういう印象を抱くか、どんな不満があるかといった自分の考えをまとめてもらう時間が必要です。

point

会議に参加した時点で、参加者全員が自分たちの意見を言えるようにあらかじめ準備しておく。会議の主催者は、参加者たちにそうするよう促す必要がある。


対立や衝突ではなく討論

会議の場で最適解を出すには、それぞれが本心をぶつけ合う本気のミーティングが必要です。

本心では全然納得していないのに周りに合わせたり、納得していないことを口には出さず雰囲気で出している場合は、決して最適解にたどり着きません。

ミーティングを全員が本心を言える場にできているかどうかは、とても最適な要素です。

白熱した議論のことを「対立」や「衝突」というネガティブな捉え方をする人がいますが、そうではありません

白熱した議論は最適解に向かうために必要なプロセスの一つです。

「対立」や「衝突」ではなく「討論」と呼ぶべきものです。



参考

この記事の内容はGoogleのCEOと会長を務めたエリック・シュミットやプロダクト責任者を務めたジョナサン・ローゼンバーグらが書いた「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の内容の一部要約と自分なりの解釈を加えたものです。

ビル・キャンベルはAppleのスティーブ・ジョブズやGoogleやTwitterの経営幹部のコーチングを務め、世の中に偉大なリーダーを何人も送り出してきた人物です。

ビル・キャンベルが貫いてきた生き方やそこにまつわるストーリーには、最高のチームを作るためにリーダーやコーチが知っておくべき考え方や行動が宝の山のように詰まっています。

その考え方はビジネスやチームを成功に導くだけでなく、人として幸せに生きるためのより本質的な知恵でもあります。

この記事に興味を持たれた方は、本書を実際に手に取ってみることをお勧めします。あなたの人生をより幸せにし、成功へと導いてくれることは間違いありません。



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