【言い訳は成長のチャンス】即時にストレートなフィードバックを返す|言い訳する部下への対処法

コーチ・リーダー
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職場には多かれ少なかれ言われたことをやらない人や、期限を守らない人というのが存在します。

そういう人に「なぜできなかったの?」と訊ねると「これがこうで、ああしてこうして」という言い訳が泉のように湧いてきます。

こうした言い訳にはもううんざり「言い訳をしないで!」と強く言いたい気持ちになったり、実際に言ってしまうこともあるでしょう。

「言い訳は嫌い」と一刀両断する人もいます。

ですが、相手が言い訳をした瞬間というのは、適切にコーチングすることで相手が一段成長するチャンスにもなります。

ここでは、言い訳を成長のチャンスにする方法についてまとめています。


言い訳は相手のメッセージ

期限を伝えて仕事をお願いしたのにも関わらず、アウトプットが出てこなかった場合に当の本人に「なぜできなかったの?」と伝えると「情報が足りなかった」「あなたの仕事の依頼方法が適切でない」といった言い訳が返ってくることがあります。

こうした言い訳は、相手が仕事をどのように捉えているかというメッセージでもあります。

その言い訳の裏には「情報は自分で取りに行くものではなく、教えてもらうもの」「仕事の依頼内容が適切でなければやらなくてもいい」といった意識があります。

今後同じチームで仕事をしていく上では、こうした稚拙な思い込みを取り払い、自分から情報を取りにいかなければいけないと考えを改めてもらう必要があります

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言い訳は「私は仕事をこう捉えています」というメッセージ。


見下しや押しつけはNG

相手に考えを改めてもらうときに「そのぐらいはわかるだろう」「バカかお前は」といったように、相手を見下したり押し付けるやり方をするのは効果的ではありません

それは相手の自尊心を傷つけ、チームへの帰属意識を低めます。見下されたりバカにされた出来事は心の石に深く刻み込まれ恨みに発展することもあるためです。

やらされているという意識を持ちながら仕事をすることは、モチベーションの低下を招きます

また、自分が経験を積んで上の立場になったときに、そのような行動をした部下がいると同じように見下し、自分の正しさを押し付けるようになります。チームの中に負の連鎖が起こります。

短期的にみれば相手は言われたことをやるようになるかもしれませんが、長期的に見れば相手にとってもチームにとっても大きなマイナスになります

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見下しや押しつけ、怒りをぶつけることは長期的に見てマイナスになるので、やってはいけない。


問いかけで気づきを促す

では、相手にどのようにして考えを改めてもらうかというと、その方法は「問いかけで気づきを促す」ことです。

例えばメンバーが「情報が足りなくてできなかった」と言い訳したときに、「その言い訳をクライアントにした場合に相手はどう感じると思いますか?」「その言い方をしたことで、状況が変わらない場合、あなたにどんなことができると思いますか?」といった問いかけをします

すると「クライアントはそんな言い訳は聞き入れないと思います。。」「もっと早くに、自分から情報を取りにいくべきでした」といったように、自分の中で何がいけないかを導き出すことができます

「じゃあ、今から対応するとしたら、次に何をすればいいと思いますか?」「その作業をするうえで具体的に必要なことは何がありますか?」「進められない問題が出たときはどうしますか?」といった追加の問いかけをすることで、次に何をするべきかについても自分の中から答えを導きだすことができます

こうして得た気づきは、決して押し付けられたものでもなく、今後も続くものです。

このように、相手の言い訳をきっかけに、相手自身が気づきを得て対処法を自ら考え、一回り成長する結果を導くことができます

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言い訳に対して問いかけをすることで、相手の気づきと成長を促すことができる。


伝わらない場合はストレートなフィードバックをする

問いかけをしても相手が「何を問われているのかさっぱりわからない」「何が問題なのかわからない」という状態であれば、その時は問いかけではなくストレートなフィードバックをする必要があります。

「クライアントに『情報が足りなかったのでできませんでした』と伝えても相手は納得してくれないよ」「一度やるといったことをできなかったなら、あなたはどう責任を取るの?」といったストレートなフィードバックをすれば、相手は自分のしたことの事の大きさに気づくことができます。

ストレートなフィードバックを伝えるときに重要なことは決して「感情的になってはいけない」ということです。

感情をぶつけると、論理的な対話ではなく、感情の対立になってしまい、気づきを妨げてしまいます。

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即時のストレートなフィードバックも気づきを与える効果的な方法の一つ。


アイ・メッセージで伝える

ストレートなフィードバックをするときに「あなたは、〇〇をしていない」という「あなた」を主語にしたフィードバックはしてはいけません。それは相手に対する否定になります。

否定的な会話の流れからは建設的な対話は生まれません。

そうではなく「私は~したい」「私はこう思う」というように「私」を主語にしたアイ・メッセージを伝えることが建設的な対話を進める上では欠かせません

「私は、あなたに〇〇を△△までにして欲しい」という伝え方は相手を否定せずにこちらの要望を伝えることができる、コーチングで必須の手法です。

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要望を伝えるときの主語は「あなた」ではなく「私」にする。


禁句集をつくる

「情報が足りなかった」「あなたの仕事の依頼方法が適切でない」といったありきたりな言い訳については、あらかじめ禁句集を作って共有しておくことも効果的です。

このチームではこういう姿勢は許されないということを共有しておくことで、メンバーがどのような姿勢を求められているかを理解することができます

「忙しくてできなかった」という言い訳も、仕事の依頼を受けるときに「今他の仕事でこれぐらいしか時間がない」と一言伝えておけばいいだけの話です。

あらかじめ「忙しくてできなかった」は禁句だと伝えておけば、仕事を受けるときに対処法を自発的に考えるようになります。


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