妻や彼女と買い物に出かけると、あちこち寄り道したり、さっき通った場所を行ったり来たりと、行動に無駄が多く決断に時間がかかり「早くしてくれないかな」と急かしたくなる気持ちになります。
あまりの遅さにイライラして「あと何が必要なの?」と急かしたり、「必要なものを言って。俺が買ってくるから」と言って買い物を手伝おうとする人も少なくないでしょう。
ですが、その言葉を発しった結果、妻や彼女から返ってくるのは「もう、うるさいな」「こっちのペースで買ってるから、横から口出ししないで」という返答です。
妻や彼女は不機嫌になり、お互いイライラがつのります。
なぜ妻や彼女の買い物はこんなにも非合理・非効率で時間がかかるのでしょうか?そこには脳科学的な理由があります。
女性は直感は働くまでに時間がかかる
女性は右脳と左脳をつなぐ脳梁という神経系が、男性の脳と比較して20%も太い性質を持っています。
このため、見て感じたことを論理に置き換える能力に非常に優れています。何かを見たときに、その感情すぐに口にできるのは女性の脳の性質上普通の能力です。
このため、女性は直感が非常に優れ、何かを買う時は直感で判断します。ただし、この直感がフルに機能するには時間がかかります。
というのも、直感に使われる神経系は脳の神経の中でも比較的長く、数センチから数十センチ、長いと1mを超えるためです。
この神経が活性化するためには、色々見て感じる必要があります。
「これいいかも」「使えそう」「かわいい」「おしゃれ」「イマイチ」などといった感性を働かせるうちに、だんだん直感が鋭くなり、自分がピンとくるものが買えるようになります。
男性は目的と比較を重視する
女性が直感で何を買うか決めるのに対し、男性は目的や比較検討によって買うものを決めます。
このため、買うものが既に決まっている場合は、そこに向かって最短経路で突き進み、モノを買って終了です。
できる限り短時間で速やかに買えるほど、目的の達成感は上がり喜びを感じます。
何を買うかを決めなければいけないときは、あれこれ見てまわるのではなく、候補を決めてスペックやサイズを比較検討し、論理的に最善の商品を選び出します。
直感を使うことはないので、関係のないものを見て回ったり、寄り道をすることはありません。
むしろ、関係ないもや寄り道は思考にノイズが入るので極端に嫌います。
妻との最適な買い物方法
(未婚の場合は、以下の「妻」を「彼女」に置き換えてください。女性の脳の仕組みは既婚かどうかは関係ありません)
妻と買い物に出かけたときに一番やってはいけないことは、妻の買い物を急かすことです。
徐々に直感を活性化させ、最終的に直感で決める妻の行動を一切邪魔してはいけません。時間がかかることも寄り道することも、女性の買い物はそういうものなのだと納得する必要があります。
一番いいのは一緒に買い物に行かないことです。妻は妻の見たいものを見て、夫は夫の見たいものを見るのがベストです。
しかし一つ困ったことに、妻は一人で出かけたいわけではなく、夫と出かけたいのです。
こういった場合の解決策は次のようなものがあります。
別々に買い物し、最後に合流する
一番ベストなのは、妻を目的の店に降ろして、自分は他のところを見に行き、最終的に合流する方法です。
妻は夫に小言を言われることなくお出かけができます。購入したものを自分で持ち運ぶ必要はなく、運転も夫に任せることができます。
夫は夫で、妻の寄り道に付き合わされることもなく、自分の好きなものを自由に見て回ることができます。
買い物を「ながら」で行う
しかし行く場所によっては、夫は見るものがない。という状況も頻繁に発生します。
そういう場合は、妻に断わってイヤホンを着け、音楽やAudibleでの読書をしながら付き添うことです。
妻の買い物をメインにすると「遅い」「無駄が多い」「非効率」「非合理」ばかりに意識がいってしまいイライラするので、買い物を”ながら”にしてしまうという方法です。
もちろん、妻の声が聞こえる程度の音量にしておいて、何かを言われたら妻と会話できるようにしておくことも重要です。
重い荷物を持ち、運転を担当すれば基本的には問題ないはずです。
先に売り場に行って情報収集しておく
冷蔵庫、洗濯機など大きな金額の商品を共同で選んで買わなければいけないときも、別行動がベストです。
妻はぶらぶらと色々見ながら直感をウォーミングアップし、夫は売り場で商品を入念に比較しどれがいいかを検討しておく。
売り場に妻がついたら、まずは妻の直感で選んでもらいます。決して、夫が自分の中で出した結論を「これに決めたから」と言って勝手に決断してはいけません。
夫婦円満のために大切なのは、何を買ったかではなく、購入に至るまでのプロセスです。
「なるほど。君の直感はこれを選んだか」「ちなみに、それはサイズが少し大きくて入らないんだ」というように、夫が比較検討した結果を判断材料として与え、意思決定の手助けをします。
仮に最終的には夫が選んだものになったとしても「最初から俺がいったじゃないか」という態度をとってはいけません。
とても重要なので何度も言いますが、建設的な意思決定に大切なのは、どのように判断に至ったかのプロセスです。判断結果は副次的なものでしかありません。
このため、判断に至るまでに次のステップを確実に踏むようにしてください。