営業というと「お客さんに自社の商品やサービスを売り込むことだ」と考えている人が少なくありません。
商品やサービスについて細かく説明して、気に入ってもらって買ってもらうというスタイルです。
ところが、売り込みを一切しなくても、商品を売る方法が存在します。ここではその方法についてまとめています。
売り込みではなく、仲間づくり
売り込みを一切せずに、商品やサービスを売る人は、商品やサービス自体を売ろうとするのではなく、自社や自分のビジョンや価値観に賛同してくれる仲間を探します。
つまり、売り込みではなく「仲間づくり」をしています。
ビジョンや価値観を前面に押し出す
売り込みではなく「仲間づくり」をするために重要なことは、ビジョンや価値観を前面に押し出していくことです。
「私たちの企業は〇〇を目的としています」「私たちの企業は〇〇をするために存在しています」と言ったことを公言します。
すると、そのビジョンや価値観に共感を持った人が必ず現れます。
そういった人たちは、こちらのビジョンや価値観に既に興味を持っているため、その信念に基づいた商品やサービスにも興味を持っている人たちです。
そういった人に「もうちょっと深い話をしませんか?」と会話する機会を設け、その人たちを助けたりより幸福にするために商品やサービスの説明をします。
既にビジョンや価値観に共鳴しているので、売り込みをしなくとも説明するだけで「試してみたい」という人が必ず現れます。
お客さんやクライアントよりも仲間
ビジョンや価値観に共感して商品やサービスを使ってくれている人は、企業にとってお客さんやクライアントという関係よりも、「仲間」という関係性です。
仲間のためによりいい商品を作り、仲間のためによりいい商品を届ける、仲間の生活を豊かにする手助けをする。
会社や社員が頑張るという構図ではなく、ユーザーと一緒に成長していく、幸せになっていくという構図です。
このような商品を使ってくれる人と価値観レベルでつながっている関係性こそが、最も生産性の高い関係性だといえます。
まとめ
一切売り込みをせずモノを売っていく方法は、ビジョンや価値観レベルでつながれる仲間を増やしていくことです。
そのためには、ビジョンや価値観を明確にし、それに沿った商品を作ることが非常に重要です。
そして、それを使ってくれる人たちと価値観レベルの信頼関係で結びつくことが、企業とユーザーのお互いを幸福にする関係性になります。
参考
この記事の内容はモルガン・スタンレーやGoogleで人材育成や組織開発を率い、自身も起業家であるピョートル・フェリクス・グジバチさんの著書『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』の一部要約に個人的な見解を加えたものです。
本書は現代の組織に求めれているものは何か?それを得るためにはどうすればいいかが具体的かつ論理的に記されています。
使われている用語は専門用語ではなく、誰にでもわかりやすいものになっていて、例も豊富に乗っている非常に実践的な良書です。
会社を率いている人や部署を率いている人、あるいはマネージャーを目指している人の必読書といえます。
この記事に興味を持たれた方は実際に本書を手に取ってみることをお勧めします。