モノに溢れて時間がなくてイライラする。断捨離がしたい!ミニマリストになりたい!と思っていざ片付けに入ったとたん、「これは使うかもしれない」「これは必要」となって、結局ほとんど捨てれずに終わることは少なくありません。
ただ漠然と「捨てよう!」と決意しても捨てることはできません。なぜなら捨てるとは考え方と技術を必要とするからです。
もちろん特別なことではなく、知ってさえいれば誰もができることです。
ここではモノを捨てるために必要な3つの基準と5つのポイントを解説しています。
「捨てよう!」と決意していざ捨てようと思うと「まだ使うかも」となってしまうのは、自分にとって何が必要で何が必要でないかの基準がないためです。
この世にあるあらゆるモノは「いつか使うかもしれないもの」に該当します。使おうと思えば使えます。使わないでいようと思えば使わずに生活できます。
まずは判断に迷わないように、3つの基準を明確にしておくことが大切です。
この3つの基準を明確に理解しておけば、思っている以上にたくさんのモノを捨てることができます。
もちろん闇雲に捨てるわけではなく、大切なもが身の回りに残った状態になります。
一番最初にやることは「理想の暮らしを考える」ことです。
「そんなところから!?めんどくさい」と感じますがとても大切なことです。なぜなら、この世にある全てのモノは誰かにとっていつか使えるモノだからです。
そして、要る要らないを判断する基準が自分の理想の暮らしになるからです。
そもそも、これを読んでいる方は「現状はよくない。捨てたい」と考えている方です。その気持ちを深堀して、
を考えてみます。そこが明確にならないと今の状態から抜け出すことはできません。
例えば、いつかやろうと思って買っておいた資格試験の本やカメラがあるけど、それよりも家族と遊んだり出かける時間が欲しい。といった感じです。
家の中にモノがある限り心や脳のリソースの一部はそれに取られます。暇になったら身近にある「あれをやろう」「これもやろう」と考えるのは人の性質です。
でも、それが身の回りになければその時間を他のことに使えるようになります。
理想の暮らしが、たくさんのモノに囲まれてあれもこれもという暮らしであればいまのままでいいでしょう。
そうでないのなら、理想の暮らしを明確にしましょう。
時間を奪っている何かを捨てない限り、新しい時間は生まれません。
自分がそこまで好きでもないのに「高いから」「いつか役立つかもしれないから」と思ってとってあるものは、あなたの時間を奪います。
どこか出かけるとき何かをするときに選択肢の中に入ってきます。部屋の中にあるモノの数だけ考えて選択しなければいけない回数が増えます。
ブランド品、高級な洋服、カメラなど、あなたが持っているものがあなたに喜びと充実した時間を与えてくれているか、それとも理想の生活の邪魔をしているかは、理想の生活を明確にしないと見えてきません。
理想の暮らしを考えるうえで重要なことは「理想は変わる」という人の本質です。
私たちは日々の暮らしで新しい経験をし、新し知識を得ていきます。子供が増えたり大きなライフイベントがあるかもしれません。
それと同時に新しいものが発明され時代や周りの環境も変化していきます。
そのような中で理想は変化して当然です。
「モノを捨てたい」「理想の暮らしじゃない」と感じたのであれば、それは今のあなたにとっての理想を考えるタイミングです。
2つ目のモノを捨てる基準は「持っていて幸せを感じるかどうか」です。
スピリチュアルで漠然としているのでわかりにくいですが、「幸せ」や「ときめき」という基準が重要な理由があります。
そもそもモノを捨てるときにやってはいけない考え方は「捨てるモノを探す」ことです。これは捨てることにフォーカスした暮らしになってしまいます。
家の中にいる間中「何を捨てるか」を探しつづけるようになってしまい、部屋がどれだけシンプルになっても心が休まることがありません。
考えるべきは「何を捨てるか」ではなく「何を残すか」です。
何を残すかを考えて作った部屋は、自分が残したいモノで囲まれた部屋になります。
残しておくものを頭で考えると「いつか使うかもしれない」という考えにいきついてしまいます。それでは、「残したいモノ」ではなく「今は要らないけど使うかもしれないモノ」で囲まれた部屋になってしまいます。
そんな部屋にいてワクワクしたり幸せになることはありません。
モノは幸せになるためにあります。幸せにならないモノはあなたには必要ないモノです。
「何を残すか」は頭ではなく感情で考える必要があります。その基準を言語化したのが「ときめき」です。
「胸が温かくなる」「幸せな気分になる」「優しい気持ちになれる」と言い換えても問題ありません。
具体的には「モノを触った時にときめくかどうか」です。それを確かめるために、一つ一つ手に取り心の反応を確かめていきます。
自分の感情は思っている以上に大切です。
なお、「幸せを感じるか」という基準で考えるとほとんどのモノは要らなくなります。私たちが幸せを感じられるものは決して多くはありません。
断捨離や片付けで心と時間に余裕が生まれ、幸せになった人は漏れなく「幸せ」と感じないものをすべて思い切って捨てています。
人生の新たなスタートを切るにはそれぐらいの思い切りが必要です。
もちろん「幸せと感じるモノ」や「ときめくモノ」を捨ててはいけません。それをしてしまうと捨てたことで不幸になってしまいます。
3つ目のモノを捨てる基準は「モノの役目を考える」ことです。
いざモノを捨て始めると「理想の暮らし」と違っていたり、「幸せ」「ときめき」を感じなくても捨てられないものがでてきます。
例えば、お守りや寄せ書き、昔大切にしていたもの、なかなか着る機会のなかた服などです。人には歴史や思想があるので直観だけでは捨てられないモノが必ずあります。
その時は捨てる基準として「モノの役目」を考える必要があります。モノには例えば次のような役割があります。
買ったことで新しい経験や気づき、学びがあったはずです。それがあなたにとってのそのモノの役割です。
具体的にどうすればいいかというと、「それを買ったときの気持ちを思い出します」。
当然、お金をだして買ったり、家の中にとってあるということは、買ったり貰ったタイミングがあったということです。
どういう気持ちで買ったか、そして、どんな学びや経験、気づきがあったかを思い出してみます。
もし、今もあなたの生活に役目をもたらしているのであればとっておきます。
もう役目を果たしているのであれば、感謝して手放します。
例えば洋服の場合は、
幼い頃にお気に入りだった洋服は、幼い頃のあなたにたくさんの幸せやときめき、思い出を与えてくれました。その洋服は十分すぎるほどにお役目を果たしています。
「似合うかな」「これを着たらモテるかな」と思って勇気を出して買ってみたものの、着づらくて、合せづらくて、気恥ずかしくて全然着なかった服は、「あなたには合わない」「買っても幸せにならない」ということを教えてくれました。この洋服たちも十分に役目を果たしています。
身の回りのモノも人間関係と同じです。
生きていく中でたくさんの人と出会います。ですが、その中で長く関係を持つ人は少ししかいません。共に生活を歩んだり、親友になる人はほんの数人です。
「気が合う」「気が合わない」もあります。「一緒にいるとなんとなく落ち着く」人もいれば、「生理的に受け付けない」という人もいます。
モノも同じく、生きていく中でたくさんのモノと出会います。ですが、その中で長くずっと一緒にいるものは決して多くありません。
年を重ねればだんだんと離れていくモノもあります。ある時急にパッと役目を終えるモノもあります。ずっと一緒に連れ添うモノは片手で数えるほどでしょう。
一つづつ役割を考えて捨てていき、最後に残ったものたちが今のあなたに必要なモノです。
日本人は戦争中に根付いた「もったいない」「使えるものは何でも使う」という根性が強い国民性です。
それ自体は悪いことではありません。ですが、そういった思考の結果、モノをたくさん捨てる人=モノを粗末に扱う人というイメージが蔓延しています。
ですが、モノをたくさん捨てる人=粗末に扱う人は間違った認識です。
一つ一つを手に取り、そのモノとの思いでを呼び起こして、今も役割があるか確認し役割が終わっている場合は感謝して手放す人は、モノを粗末に扱っているどころか、とても丁寧に扱っています。
むしろ、たくさんモノを溜めこみ、一度も振り返らず、どこに何があるのかも忘れて、新しいもので埋もれさせている人の方がモノを粗末に扱っています。
自分が大切だと思える大事なものを身の回りにおいて丁寧に生活することは、粗末ではありません。モノを大切にしているとても丁寧な暮らしです。
モノを捨てる基準が明確になったら、次はいよいよモノを捨てる方法です。その時に気を付けなければいけない5つのポイントがあります。
モノを捨てるために守るべきポイントの1つ目は「捨てるモノを家族に見せない」ことです。
あなたは既に捨てるときの3つの基準を理解し、それに沿ってモノを捨てていきます。
ですが、周りの家族はその基準を理解していませんし、理想の生活も思い描いていません。
当然、すべてのモノ=いつか使えるモノなので、家族の誰かが普段は全く使ってなくても「これ使うかもしれない」「これ高いのに」「売れるかもしれない」と考えれば、「あなたが使わないなら私が使う」と言って捨てるはずのモノを漁っていきます。
あなたが「理想の暮らしには必要ない」「幸せやときめきがない」と感じたものがまた家の中に残ることにになります。
他にも、父や母が昔買ってあげたぬいぐるみや、洋服を見ると「もったいない」と感じてしまい、あなたが「役目を終えた」と思っているものが家の中に残ることになります。
本来、役目を終えてそれを手放す覚悟をしたことは成長と自立なのに、そう見ることができない親、特に子供に離れっていってほしくない親にありがちです。
どのくらいのゴミが出て、何を捨てたかを家族に伝える必要はありません。
モノを捨てるために守るべきポイントの2つ目は「家族・後輩はあなたのモノを必要としていない」ことです。
捨てるモノを家族が見て回収していくことがありますが、それは家族にとって必要なモノではありません。
なぜなら、家族はあなたのモノがなくても普通に暮らせていたのです。新たに要らないモノを生活に追加すると、家族まであなたの二の舞になっていきます。
また、あなたが捨てるモノを家族や後輩にあげるのもやってはいけない行為です。
こちらも同じく家族や後輩はあなたのモノがなくても普通に生活できています。
そして、もし必要になったら家族は家族、後輩は後輩で買います。あなたの要らないモノを押し付けてはいけません。
「これあげるよ」と言ったときに「いらない」とはなかなかいいづらいものです。特に、相手の方が年下である場合は尚更です。
後輩など気を使って「ありがとうございます」「いります」と言って引き取ってくれるかもしれません。
もしくは、全ての人が持つ性質「いつか使うかもしれない」病が発生して引き取っていきます。
ですが、結局使わずに「捨てづらい」「捨てるのめんどくさい」という余計な手間を与えて終わります。
モノは過去のあなたにとって必要だったから買ったもので、今のあなたにも、今の家族や後輩にも必要ないものです。
モノを捨てるために守るべきポイントの3つ目は「短期間で一気に捨てる」ことです。
片付けは毎日少しづつコツコツやっても一向に物は減らず、家の中やマインドが変化することはありません。
やっても変化や効果が分かりづらいので達成感もありません。
やればやるほど時間を失います。片付けをコツコツやることほど非効率なことはありません。
片付けとは祭りであって、毎日するものではありません。
片付けは1回で終わらせるべきです。そして1回で終わらせるからこそ、劇的な変化を感じ、たくさんの時間を生み出すことができるのです。
そもそも片付けが苦手な人は「私は片付けが苦手」という苦手意識を強く持っています。それが、一気に片付けをやることで、大きな変化を感じられ、「私でも片付けができた」とうい気持ちに変化していきます。
モノを捨てるために守るべきポイントの4つ目は「カテゴリー毎に実施する」ことです。
片付けをするときにやりがちな間違いは部屋ごとに片付けを実施することです。リビング→廊下→寝室→浴室→子供部屋のような流れです。
それより細かく、引き出しの一番上からという片付け方も部屋が片付かない間違った片付け方の代表例です。
例えばリビングのモノを全て選別して片付け終わって、次の場所に移動すると、リビングにあったものと同じようなものがあるのはよくあることです。
部屋ごとに片付けてしまうと、その部屋では総数が少ないため捨てる対象に入らないことがあります。
せっかく時間をかけて掃除したにも関わらず、家の中には似たようなものがいくつも残っている状態になってしまいます。
また、似たものを何度も選別するのはめんどくさくやる気も下がっていきます。捨てた後の変化も見えずらいです。
各部屋ごとに同じカテゴリーのものを2つ捨てるのを5部屋繰り返すのと、一気にまとめて10捨てるのでは、後者の方が楽で気分も爽快です。達成感もあります。
大切なのはカテゴリーごとに掃除することです。カテゴリーとは「洋服」「靴」「本」「食品」などです。
まずカテゴリーを決めます。「洋服」を捨てると決めたら、家中のクローゼットや引き出しの洋服を全て出して一か所にまとめます。
クローゼットを一つづつ片付けていくのと、一か所に家じゅうの全ての洋服がまとめてある状態を想像してみてください。一か所にすべて集まっている方がわかりやすく片付けやすいのは明白です。
そして、要る・要らないを判断していきます。すると「あれ同じものが2つもある」「こんなところにあったんだ」「これはもう使わないな」というのがとても分かりやすくなります。
選別が終わり最後に残ったモノは重複がなくスッキリしています。あとはそれを定位置に戻していくだけです。
これだけでかなりの量を減らすことができます。
モノを捨てるために守るべきポイントの5つ目は「思いでの品は一番最後」にすることです。
カテゴリーごとに片付けを行うことで劇的に片付けがやりやすくなります。この時に注意することはどのカテゴリーから始めてもいいわけではありません。
カテゴリーごとに「捨てやすい」「捨てにくい」という難易度の差があります。
その中でも一番難易度が高いのが「思いでの品」です。写真アルバムや子供のお絵かきなどを見始めるとその時の記憶がよみがえり、ついつい思いにふけて、気づくと何も捨てられずに一日終わるという状態になります。
最後に、カテゴリーごとの難易度について解説します。
「思い出の品」が強敵であるように、カテゴリーごとに難易度が変わります。
モノは特徴別に大きく次の4つに分けることができます。
どれにも該当しないものは捨てやすく、4つの要素が大きいほど捨てにくくなります。
片付けをするときは初めに難易度の低いカテゴリーから徐々に次に進んでいく必要があります。
例えば、洋服や文房具は難易度が低いカテゴリーです。
希少性が低いので必要になったらまた買うことができます。捨てるかの判断は機能性で「まだ使えるかどうか」です。
逆に写真は必ず「感情」が伴うので捨てにくい対象でもあります。複数ある写真から「これは必要」「これはもう思い出をくれて役目を終えた」と一つ一つ判断していかなけらばならず時間がかかります。
処分する難易度と、処分した後に収納し直す難易度を考慮したとき、片付けが最もはかどる順番は次のようになります。
モノを捨てる順番を変えるだけで、残すか捨てるかの判断がとても速くなります。
徐々に乗ってくるので精神てきにも楽しく片付けをすることができます。思い出の品から始めてしまい、結局何も捨てられなかった、、と後悔に暮れることもなくなります。
実際に片付けるときの具体的な方法については下記をご参考ください。
この内容は近藤麻理恵さんの「人生がときめく片付けの魔法」を参考にしています。
人生を豊かにしてくれる素敵なヒントが詰まった素晴らしい本なので、気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
▼【本】 人生がときめく片付けの魔法 (改訂版)
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