甘いものが嫌いと言う人はほとんどいません。チョコレート、ケーキ、クレープ、クッキー、はちみつなどなど挙げ始めたらキリがありません。
白米、パン、ラーメン、パスタ、うどん、じゃがいもなどみんな大好きです。
もちろん、糖は体に必要なものです。筋肉を動かすエネルギーになります。
ですが、この糖は食べ過ぎると人の体を壊し死に至らしめます。
人を病院送りにして殺してしまう。まさに猛毒といっても過言であありません。身近にありふれていますが、実は取り扱い注意な食べ物です。
そして、今の日本人は糖を摂りすぎています。
また、太らないように「油物を控えてごはんだけにしておこう」「チャーシューは外して麺だけ食べよう」という人がいますが、これも間違っています。
実は油物よりも糖の方が太りやすいです。
人が普通の生活をすることを困難にして病院送りにするほど危険なのに、なぜ人は糖を食べてしまうのでしょうか?
それは糖が脳に訴えかける力を持っているからです。
糖を食べると脳内でドーパミンとβエンドルフィンが発生します。
ドーパミンとは快楽物質と呼ばれ人に快感を与えます。
βエンドルフィンも快楽物質と呼ばれ人に快感を与えます。
どちらも人の脳を気持ちよくさせる神経伝達物質です。
ドーパミンとβエンドルフィンの2つはストレスがあるときには緩和してくれるといったいい効能も持っています。
ですが、摂取しすぎると依存症を作り出す原因になります。
ギャンブル、酒、たばこ、セックス、ドラッグ(違法薬物)もこの2つの神経伝達物質を分泌します。
つまり、糖はこの並びに入るわけです。
近所やテレビなど「美味しい」と流行って行列ができたお店を思い浮かべてみてください。
クレープ、たい焼き、タピオカ、ドーナツなど甘いものを売っているお店ではないでしょうか?これは糖の快楽物質を求め、依存性があるためです。
一方、無糖の食べ物屋さんに行列ができません。そもそも、無糖には人を依存させる効果がないことをどこの食品メーカーも知っているので、無糖の食品を売り出そうとはしません。
これだけ危険な糖です。アイスやチョコレートなどスイーツを控えようと思った方もいると思います。ですが、日常に溢れている糖だらけの食品はスイーツだけではありません。
砂糖以外にも、白米、小麦粉などの炭水化物も体内で糖に変わります。
もちろん、白米やパン、麺類を食べてはいけないというわけではありません。それぐらい身近にあってついつい取りすぎてしまうので注意が必要ということです。
白米や小麦粉、白砂糖など綺麗な真っ白をしています。
実は元々の色は真っ白ではありません。元は糖以外にもいろんな栄養素が入って茶色のような色をしています。
ですが、甘くするためにそこから栄養素を取り除いた結果、真っ白になっているのです。
栄養を無視して体への快楽を重視した結果生み出されたものです。違法薬物を思い浮かべてみてください。どれも白い粉です。
このため、精製していない玄米や黒糖の方が栄養素を含んでいるので推奨されています。
ご飯を食べた後に眠くなるというのは良く耳にすることです。人の性質だからしょうがないよと考えている人もいます。
ですが、それは知識不足からくる勘違いです。食べ眠くなるものと眠くならないものがあります。
炭水化物や甘いものを食べると体の中で糖が生成されます。すると血の中に含まれる糖の量が急上昇します。いわゆる血糖値の上昇です。
この血糖値の急上昇が人を急激に眠くさせているのです。
つまり、「ご飯を食べた後に眠くなる」と言う人は、糖をとりすぎている可能性が高いです。
糖の1番の問題点は快楽物質を出して依存症になってしまうことではありません。糖を過剰摂取した結果、体の中で起こることが危険です。
脂肪肝とは本来脂肪があるべきでない肝臓にどんどんと脂肪が蓄積されていった状態です。肝細胞の30%を超えると脂肪肝として認定されます。
脂肪肝はもともとはアルコールだけが原因と思われていました。ですが医学研究が進んだ結果、アルコールだけではなく糖も大きな原因だということが判明しました。
脂肪肝が進行すると肝臓の機能しなくなってしまいます。
糖が体の中に入るとブドウ糖になりグリコーゲンになります。
グリコーゲンは筋肉を動かすために必要なエネルギーです。ですが生成できるグリコーゲンの量は限られています。
体がもう「グリコーゲンに変換できません!」となると脂肪が血液中を伝って体の中に流れ出します。
最初は皮膚の下や内臓の周りに蓄えられていきますが、そこのキャパを超えると、行き場所を求めて、肝臓や膵臓(すいぞう)、筋肉など本来脂肪があるべきでないところに流れ込んでいきます。
これが肝臓に脂肪が溜まるメカニズムです。
肝臓に脂肪が溜まって脂肪肝になると何が悪いの?と言う人もたくさんいます。
肝臓はアルコールなどの毒を分解し外に出し血液をサラサラにする役割を担っています。このため肝臓が機能しなくなると血液がドロドロになっていきます。
血液がドロドロになると全身に栄養素や酸素をうまく運べず、慢性的にに怠い・疲れやすい・疲れがとれない・食欲不振という状態になります。
さらにドロドロの血液は詰まりったり固まったりします。固まった血液が流れ出し脳や心臓の周りの血管で詰まってしまうと、十分な血液を供給できなくなります。すると心不全や脳梗塞が発生します。
血液が詰まり血管がパーン!と破裂すると心筋梗塞や脳出血となります。
また、肝臓自体も悪化していきます。最初は肝臓がどんどんと固くなっていきます(肝硬変といいます)。そして肝臓がんへとつながっていきます。
脂肪肝は死に直結する病気の一歩手前の状態です。
糖を含んだ食べ物をたくさん食べると血糖値が急激に上昇します。
血糖値が急上昇するとそれを抑制しようとして膵臓(すいぞう)がインスリンというホルモンを一生懸命作ります。
このとき膵臓には大きな負荷がかかります。
この膵臓への負担を続けていくとやがて膵臓が疲弊してインスリンを正常に分泌できなくなり、血糖値を下げられなくなります。これが糖尿病です。
すると血糖値が高い状態が続きます。血糖値が高い状態になると血液がドロドロになり詰まりやすくなり、失明や感覚の麻痺、腎臓の機能低下を招きやすくなります。
血栓が心臓や頭に詰まったり、血液が溜まってパーン!と爆発すれば、脳梗塞や心筋梗塞、心不全などの死に直結する病気を発病します。
早食い
↓
血糖値が急上昇
↓
膵臓がインスリンをたくさん作る
↓
膵臓が疲労
↓
膵臓がインスリンを正常に分泌できない
↓
血糖値が下げられない
↓
ドロドロの血管が詰まる
↓
命に関わる重大な病気
ここまで読んでいただければ「糖はこわい」「明日から糖は全カットしよう」と思う方もいるかもしれません。
ですが、急激な糖質カットは逆効果です。
これまで糖質を多量に取っていた人が急に糖質を大幅カットすると、体が飢餓状態だと勘違いします。
そして、体中の糖を肝臓に集めようとします。
肝臓は毒を分解する機能です。そこに脂肪が溜まっていくと肝臓が機能しなくなっていきます。
血液がドロドロになり脳梗塞や心筋梗塞の原因になったり、肝臓自体が劣化して肝硬変や肝臓がんになるリスクが上がってしまいます。
体を危険な状態にしないためにも、まずは糖質を15%程度オフにするのが安全です。
普通の食事に加えて、お菓子やジュースを食べているのであれば、まずはお菓子やジュースをやめる。
お菓子やジュースはあまり食べていないけど、ごはんやラーメンなど炭水化物をたくさん食べているという人は、その量を少しずつ減らしていく。
いきなり4分の1(25%)も削らなくていいのです。もっと優しくて簡単なことで大丈夫です。
ポイントは1日やったらOKというわけではなく、糖質15%オフした食習慣を身に付けることです。
最新の医学では糖質制限よりも食べない時間を増やす長くすることを推奨しています。
これまでは食生活に気を付けて健康になる場合に、1食の中で何を食べるかや量にばかり注目してきました。
野菜を多く食べるべきだ、お肉や油物は少なくするべきだ、食べる量を半分にするべきだといった考え方です。
ですが、それよりも体にとって大事なのは胃が空っぽの空腹時間(食べない時間)がどれだけ長いかです。腸や肝臓などの内臓にどれだけ休む時間を与えられているかです。
では、どれだけ空腹時間(食べない時間)が必要かというと16時間です。
1日24時間のうち16時間空腹でいると残りの時間は8時間です。現実的に考えてかなり無理があるように聞こえます。
ですが、睡眠と組み合わせれば決して達成不可能な時間ではありません。
とはいえ、16時間も食べない時間をつくり習慣化するには、自分自身が納得できる理由が必要です。
なぜ16時間必要で、16時間空けるとどういうメリットがあるのかについて解説します。
体の中の細胞は16時間何も食べ物が入ってこないとスーパー能力を発揮します。それがオートファジー(autophagy)という機能です。
日々の暮らしの中で私たちの体はくたびれ年老いていきます。そして内臓の中には多くの古くボロボロになった細胞たちが溜まっていきます。
これまで新しかった細胞たちもどんどんと古ぼけていきます。
ですが、オートファジーが発動すると、体内にあるたんぱく質や古くボロボロになった細胞たちをかき集めて新しい細胞を生み出すことができます。
ただ新しい細胞ができるだけではありません。体の中で邪魔になり悪影響を及ぼす古い細胞を取り除いってくれるのです。
つまり、体が若々しく生まれ変わります。
このようにオートファジーはかなり凄い魔法のような能力です。発動条件はただ1つ16時間何も食べないだけです。
人は何千年も昔から健康で長生きする秘訣を追い求めてきました。秦の始皇帝も同じです。多くの者に不老不死の秘薬や食事を探させました。
そして珍味や水銀の入った食事を体にいいと思い込んで食べ続け、年老いる前に亡くなってしまいました。
2016年になり、人類が追い求めてきた質問の答えがようやく出たのです。そこには秘薬も珍味も何も必要ありません。ただ16時間何も食べないだけです。
人々がずっと追い求めてきたものは、すごく身近にしかも無料で眠り続けていたのです。
つまり、空腹時間を16時間空けるとはそれだけの価値が十分にあることです。
16時間何も食べない時間をつくるとは決して不可能なことではありません。オートファジーの具体的な実践方法については下記をご参考ください。
(参考)オートファジーの具体的な実践方法
糖質15%カットや空腹時間を設ける以外にも、健康を保つための食習慣や、安くて手軽で栄養満点のお手頃な食べ物もたくさんあります。