本は家の中に必ずあり、捨てにくいモノの代表でもあります。
本棚には隙間なく所せましと本が並び、しかも書斎だけではなく、廊下やリビング、子供部屋などいたるところに本が散乱している始末です。
いざ捨てようと思っても、「お金を出して買ったのにまだ全然読んでいない」「いつか読もうと思う」「将来子供が読むかもしれない」と考えだしたら永遠に本とサヨナラすることはできません。
いざ鬼のようにまとめて処分しても、数年後にはまた同じ状態になっています。
本を捨てて、自分にとって有意義なものしかない理想の本棚を作るためにはマインドを変える必要があります。
ここでは、本を捨てて理想の本棚を作るための、本を片付ける思考法と技術を紹介しています。
すべての本を1ヵ所に集める
1番最初にするべきことは家じゅうの本を1ヵ所に集めて並べることです。
めんどくさいと思うのが普通です。ですが、この行動がとても重要です。本棚に入っているものも全て出し切ります。
1ヵ所に集める理由
本は1冊がかなりの情報が詰まったものです。そして、家にあるということは興味があって買っていることに他なりません。
1冊1冊手に取って見始めると「これは良い情報だ」「この部分は使える」という気持ちが必ず芽生えます。まったく意味のない本はありません。
そして、結局1冊も捨てられずに終わります。
大切なのは、捨てるモノを選ぶのではなく、残すものを選ぶことです。ある程度有用で、興味があって、使えるモノの中から、本当に自分を幸せにしてくれる本だけを選び抜いていきます。
そのためには、一度すべての本を集めて、1冊1冊ではなく「本」というひとつの塊として見ることが大切です。
これ以降に出てきたものは無条件に捨てる
一か所に本を集め終わったら「この他に本がないか」を確認します。そして「これ以降に出てきた本は無条件に捨てる」と通告します。
この一言がとても重要です。これだけで片付けが上手くいくかいかないかが分かれます。
これだけ言って出てこなかった本は「なくても生活できるもの」「必要がないもの」「思い入れがないもの」です。まさに捨てるべきモノです。
カテゴリーに分ける
次に、重複や類似している本を見比べるために、1ヵ所に集めた本をカテゴリーごとに分類します。
あまり細かく分けすぎると大変なのと捨てきれなくなるので、大きく次の4つを目安に分類します。
中身は読まない
家じゅうの本を1ヵ所に集めたら、いよいよ残すべき本を選んでいきます。
ポイントは中身を読まない事です。ペラペラとめくるのもいけません。
なぜなら、本は情報の塊で、中身を見たりペラペラめくれば「あっ使えるかも」という部分が少なくとも1ヵ所はあるものだからです。
むしろ何百ページの本で1つもそれが無いのであれば本として大問題です。だからこそ中身を見てはいけません。
また、過去に購入した本でも今のあなたを幸せにする力がないものもあります。過去のあなたに必要だった本で、今のあなたには必要ないものです。
それらの見分け方は1冊1冊手に取って、自分が「しあわせ」「安心」を感じるかを判断していくことです。
もちろん時間はかかります。ですが、1冊1冊パラパラめくって中身を確認するよりはかなり時間を短縮することができます。
残す本を選ぶポイント
残すかどうかを判断していくときに参考になるポイントが3つあります。
- 殿堂入りの本は迷わず残す。
- 過去に必要だった本は捨てる。
- 「いつか読むつもり」の本は捨てる。
- 途中まで読んだ本は捨てる。
殿堂入りの本は迷わず残す
何度読み返しても心に響く本、読み返すたびに心の中の炎が燃え上がったり、行動する勇気をくれる本は殿堂入りとして残しておいて問題ありません。
この世には何千万冊もの本がありますが、一度の人生の中でそこまで自分に影響を与えてくれる本は決して多くはありません。
過去に必要だった本は捨てる
殿堂入りの本と似ていますが、誰しも過去に読んだときに感動するところがいくつもあった本があります。
こういった本を手に取ると「あのとき役に立ったから、今後も役に立つかもしれない」という気持ちが湧いてきます。それが普通です。
ですが、そう思ったまますでに何年間も読まずに本棚の中で眠っている状態が続いています。
つまり、過去のあなたには必要だったけど、今のあなたは成長しそれ無しでも問題なく行動できるようになった本です。
本としての役目を立派に果たし、あなたに成長を与え、役目を終えた本たちです。
今こそ「成長を与えてくれてありがとう」という感謝の気持ちを伝えお別れするときです。
その本たちにサヨナラすることで、「今」そして「これから」のあなたに大きな成長を与えてくれる本と出合う機会が生まれます。
「いつか読むつもり」の本は捨てる
本が捨てられずにどんどん溜まっていってしまうすべての原因は「いつか読む」という思考です。
自分の身近にある本は、ちょっとした時間さえあれば簡単に手にすることができる本です。ですが買ったにも関わらず一切手をつけないということはよほど必要がないということです。
必要性を感じてないにもかかわらず「いつか読まなければいけない」という意思の力や時間を奪われている状態です。
自分が必要性を感じない本に、時間をかけることはとても勿体ないことです。
そういったものを「いつか使うかもしれない」とため込んでいることが「時間がない」「充実していない」「幸せじゃない」と感じてしまう原因でもあります。
それらを捨てたことであなたの人生にマイナスになることはありません。なぜなら今全く手に付けていない状態で普通に暮らせているからです。
そして、手放したことでより身軽になり、今のあなたにとって本当に大切な情報と出会う機会が増えます。
途中まで読んだ本は捨てる
本の中には途中まで読んだ本もあることでしょう。そういった本も捨てます。
なぜかというと、途中まで読んでそこから読む気を失くしたということです。途中で手を止めてしまう程度で、あなたの心に響かなかったという証拠です。
これ以上興味の無い本に時間を奪われてしまうのはとても勿体ないことです。
その本の役割は「途中までよむことだった」わけです。そしてあなたは、途中まで読んで気づくという経験をしたのです。
その本は役割を十分に果たしました。「役立ってくれてありがとう」と感謝の気持ちを込めてサヨナラを言いましょう。
そしてその本の続きをよむことに使ったであろう時間を、今のあなたの心に感動や喜びを与えてくれる、今のあなたに必要な本に出合うための時間にすれば人生が有意義になります。
本は置いてあるだけで時間を消費する
本がたくさん置いてあるとなんとなく「カッコいい」「オシャレ」「知的」と思うかもしれません。
ですが、例え読まなくても本が置いてあれば置いてあるほど時間を消費します。
それは、市町村の図書館や、学校や大学の図書館、大きな書店に行ったときのことを想像してみればわかります。
中をウロウロして、気になった本を手に取っては横の本を見て、別のコーナーに移動してとしているうちにあっという間に数時間が経過しています。
家の中に本がたくさんある状態も同じです。表紙を見れば中身を想像します。そして軽い気持ちで手に取れば一瞬で数十分~数時間がなくなってしまいます。
どうしても大量の本に囲まれたい気分になったら図書館に行きましょう。
それに現代ではkindleなど、オンライン上の無数の本を取り扱うショップがあり無料で立ち読みができる状態です。
家に本を置いておく必要性はありません。
本の優先順位
本には優先順位があります。
- 何度でも感動・勇気・行動力を与えてくれる本(殿堂入り)
- 読めば気づきを与えてくれる本
- なんとなく楽しい本
- 役に立つかもしれない本
- とりあえず持っている本(貰ったり、買ってしまったけど今のところ読む気はない)
当然何度でも読み返したいのは(1)の何度でも感動・勇気・行動力を与えてくれる本です。
本(マンガも含め)を読むには時間がかかります。そして人生の中で自分に与えられた時間は限られています。
そのときに、(3)~(5)の本を持ち続けていると、(1)や(2)の自分の人生に大きな「しあわせ」「満足感」「勇気」「行動力」を与えてくれる本を読む機会が大きく減ってしまいます。
もちろん(1)や(2)に該当する本を探し出すことはとても有益です。ですが、もしそれらに該当しないとわかったのであれば直ぐにでも捨てることが大切です。
(3)の「なんとなく楽しい本」も処分対象です。なんとなく程度の本に人生の時間を使うことはとても勿体ないことです。
それよりも「すごく楽しい」「とびきり有意義」な本に使う時間を増やすべきです。
そうしないと、無意識のうちにあなたの人生の時間はどんどんと削られていきます。
ぜひこの機会に、あなたの本棚の中を見直して「どの本を手に取っても幸せ」と感じられる理想の本棚を作ってみてはいかがでしょうか。
参考
この内容は近藤麻理恵さんの「人生がときめく片付けの魔法」を参考にしています。
人生を豊かにしてくれる素敵なヒントが詰まった素晴らしい本なので、気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
▼【本】 人生がときめく片付けの魔法 (改訂版)
▼【音声】家事や運転のあいまに効ける音声版が手軽でお勧めです。