【簡単解説!】フォールバックとは何か?バックアップ、フェイルオーバー、フェイルバックとの違いを実例で解説

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「フォールバック(Fallback)」という言葉を聞いたことがありますか?

ITやシステム開発の現場でよく使われますが、具体的にどういったことを指しているのか?また、似た意味を持つ「バックアップ」や「フェイルオーバー」と何が違うのか、いまいちピンとこない方も多いかもしれません。

この記事では、システムがダウンする最悪の事態を防ぐための「フォールバック」の基本的な意味を、初心者の方にも分かりやすいように、具体的な例を交えて解説しています。

さらに、混同しやすいバックアップ、フェイルオーバー、フェイルバックとの違いについても解説しています。


フォールバックとは何か?

フォールバック(Fallback)とは、システムや機能が正常に動かなくなったときに、完全に停止してしまうのを避けるため、機能や性能を制限した「代替(だいたい)の手段」や「予備の動作」に切り替えて、限定的ながらも稼働を継続する仕組みや動作のことです。

機能や性能は犠牲になりますが、サービスの完全停止を避けることで、ユーザーは、遅くなったり、一部の機能が使えなくなったりしても、最低限の作業は続けられます。

日本語では「縮退運用(しゅくたいうんよう)」とも呼ばれます。


フォールバックの考え方

フォールバックの主な目的は、ユーザーや利用者がサービスを全く使えなくなる最悪の事態(完全停止)を防ぐことです。

例えば、障害・負荷増大などの問題が発生し、 通常の動きができなくなくなった場合に、機能の一部を停止したり、より単純な方法に切り替えたりして、「完璧ではないけど、最低限は動いている」状態を保ちます。

この考え方は、ITシステムだけでなく、日常生活のさまざまな場面にも応用されています。


フォールバックの実例

フォールバックは私たちの生活にとても密接に関わっていて、身近なところでたくさん使われ提案す。

実際にフォールバックがどのように使われているか、具体的な例をいくつか紹介します。


ウェブサイトのフォント

ウェブサイトでは、デザインを良くするために「Webフォント」という特殊なフォントを使うことがあります。

通常時であれば指定したフォントが読み込まれます。ですが、通信の問題などでWebフォントの読み込みに失敗することがあります。

そういった場合、サイトの表示が止まるのを防ぐため、ブラウザにあらかじめ入っている一般的なフォント(例えば「メイリオ」や「ゴシック体」)に自動的に切り替えて表示をします。

ユーザーからすると、デザインは少し変わるものの、文字はきちんと表示され、情報を読むことができます。


通信速度の切り替え

スマホやPCなど、通信の状況が悪くなったときにもフォールバックが機能するように設定されています。

例えば、通常であれば高速な通信規格(例:5G、Wi-Fi 6)で接続し、快適な速度で動画視聴などができます。

ですが、通信環境が悪くなり、高速な接続を維持できなくなる場合、接続が完全に途切れるのを防ぐため、低速な通信規格(例:4G、Wi-Fi 4)に自動的に切り替わります。

このフォールバックにより、速度は遅くなるものの、接続自体は維持され、メッセージのやり取りなどは続けることができます。


フォールバックとバックアップの違い

障害や問題が発生したときの対応方法には「フォールバック」以外にも「バックアップ」があります。

この2つには大きな違いがあります。

フォールバックは「何があっても止めない」ようにする対応です。バックアップは「いつでも元に戻せる」ようにするための対応です。

項目フォールバック(Fallback)バックアップ(Backup)
目的機能を制限してでも、サービスを「止めずに」継続すること。(可用性の維持)データやシステムを「復元できる」状態にしておくこと。(データの保護・復旧)
動作問題発生時に、より簡易的・低機能な代替手段に切り替える「緊急対応」問題発生前に、データなどを別の場所にコピーして保存する「事前の備え」
結果性能や機能は低下するが、現在の作業は続けられる。データは保護されるが、復元が完了するまではサービスは停止することがある。
高速回線が使えないとき、低速回線に自動で切り替えて通信を続ける。パソコンの故障に備えて、大切なファイルを外付けHDDにコピーしておく。


フェイルオバーとフェイルバックとの違い

フォールバックに似た用語で「フェイルバック(Failback)」と「フェイルオーバー(Failover)」というものがあります。

フォールバックは「機能は落ちても、とにかく止めない」という考え方なのに対し、フェイルオーバーは「機能も性能も落とさずに、完璧な予備に切り替える」という考え方です。

フェイルバックは「完璧な予備機能から、元の機能に戻すこと」です。

用語目的・意味
フォールバック問題発生時に、機能や性能を制限しながらも、サービスを継続すること(縮退運用)。
フェイルオーバー問題発生時に、予備のシステムに切り替えて、同じ機能・性能でサービスを継続すること(完全な代替)。
フェイルバック問題解決後に、フェイルオーバーで切り替えていた予備システムから、本来のシステムに戻すこと。
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