「エッセンシャル思考」は2014~2015年頃に全米や日本でベストセラーになった世界的に有名な名著です。
その内容は数年経過した今でも色あせることのない内容で、今も世界中で多くの人々に読み継がれています。
ここでは日常で簡単にできる「エッセンシャル思考」の具体的な行動選択の例について解説しています。
「エッセンシャル思考」は自分自身の本質に絞って生きる生き方です。
将来、自分の人生を振り返った時に、たくさんの達成項目が並んでいるのではなく、本当に意味のある1つだけを達成したと確信できる人生を送ることです。
その選択はあなたの人生に幸福をもたらします。
ですが、エッセンシャル思考で生きるとは決して簡単なことではありません。
エッセンシャル思考で生きるためには多くの人と反対の選択や行動をすることになります。
「周りがこれがいいよね」と言う中で「私はこれだけを達成したい」にフォーカスする生き方だからです。
具体的には次のような行動をとります。
このように、一般的な人たちと真逆の行動をとるため、上手にやらないと多くの人に嫌われるというリスクがあります。
特に「断る」ことが基本の生活になるため、相手に配慮した断り方を身に付けることは必須です。
自分に迷いがあってもいけません。
迷いなく「私はこれを達成する」と心の底から思えている状態がエッセンシャル思考を実行している状態です。
周りの意見や行動に対してだけでなく、日常の中でエッセンシャル思考を実行する必要があります。
例えば、次のような選択と行動をとります。
エッセンシャル思考に基いた行動の先にあるのは、社会的な成功や大金や豪邸ではありません。満ち足りたあなたの人生です。
エッセンシャル思考を実践することで、次のような状態が加速していきます。
日々やることは減っていき、生み出すものはどんどん豊かになっていく。
エッセンシャル思考とは他の誰かが「~してください」「~した方がいいよ」と言ってきたときに、流れに任せて引き受けることではありません。
「今、自分にとって重要なことは何か?」を考えて、自分自身の行動を、自分自身で選択することです。
エッセンシャル思考の人は常に自分の人生を「コントロールしている」という感覚を持っています。
自分自身がもつ最強の武器である「自分の選択権」を決して誰かに渡すことはありません。
「エッセンシャル思考で生きる」とは自分にとっての本質を見つけ、その本質のために生きるということです。
「本質」とは「あなたが後悔しない」ということです。
自分にとっての「本質」とは何か?「後悔しないとは何か」という気付きを与えてくれるストーリーがあります。
ある男性は3歳の娘を亡くしました。その父親は娘の短い人生を形に残すために、1本の動画を作ることにしました。
父親は娘と出かけるときはいつもビデオカメラを持ち歩き、常にカメラを回していました。
これまで撮りだめてきたビデオに目を通したところ、あまりの物足りなさに驚いてしまいました。
たくさんのビデオがあるにも関わらず、写っているのは景色や食べ物や建物ばかりでした。
娘の顔のアップは数えるほどしかありませんでした。
旅行先の珍しいものを撮ることに夢中で、本当に大切なものに気付いていなかった結果です。
娘を亡くした今、もう娘の顔をビデオに収めることはできません。
この父親に残ったのは「もっと娘のことを撮っておけばよかった」「珍し風景なんかどうでもいい」という後悔です。
この父親にとって本質は「娘との思い出」だったのです。
娘を亡くした父の話からもわかるように、私たちが本質に気付けるのは「それをなくしたとき」です。
自分の今の人生から削って削って、あらゆるものをなくしたときに「あれが自分にとって本当に大切だった」と思えるものがあなたにとっての本質です。
他の全ては本質を見えなくする余計なものでしかありません。
自分からあらゆるものを取り去るとは、死の瞬間と正面から向き合うことでもあります。
人生には限りがあり、全てのことをやるにはあまりにも短すぎます。
ですが、それは悲しむことよりも、喜ぶべきことです。
人生があまりに短いからこそ、
もし、人生が永遠で終わりがなければ「いつでもできる」と考えてしまい、いつまで経っても何もできないかもしれません。
「なんでもできる」と考えてしまい、自分にとって本当に大切なことは何か?を考えようとはしないかもしれません。
つまり、私たちの人生が限られているからこそ考えられること、できることがあるということです。
「人生が限られている」「死と向き合う」というと重苦しく感じるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
むしろ、エッセンシャル思考で生きるとは身軽で楽で楽しいことです。
「私にとってこれが1番大事」「私はこれをやりたい」が見えているので、迷うことがありません。
例えば、クローゼットを開けたとき、そこにあるのは自分が好きで着たいと思える服が数着あるだけです。
「いつか着るかもしれない」「色が好みじゃないけど高かった」という服は一切ありません。
あなたが何も考えずに手に取った服を着れば、あなたの幸せな日々が自動的にスタートします。
「余裕がない」と言う人はいつも大量のタスクが並んだTODOリストを持っています。
「効率がいい」「生産性が高い」とは大量のTODOリストをいかに早くこなすかだと考えています。
ですが、エッセンシャル思考の人は違います。
そもそも、TODOリスト自体がスッキリしていて、本当に重要な事しか書いてありません。
日を追うごとにリストアップされている項目の数は減っていきます。
最優先事項の1番目と2番目の差がどんどんと開いていきます。
いつもやることがクリアに見えていて「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」や「どれからやろう」と焦ったり、悩んだりすることがありません。
多くの人が誰かに仕事を依頼されたり、プライベートの誘いを受けるとつい「やります」「行きます」と言ってしまいます。
そして後から「受けなきゃよかった」と思います。
ですが、エッセンシャル思考の人は決して流されることはありません。
自信を持って立ち止まり、ゆっくりと考え、きっぱりと断ります。
自分にとって重要な本質が見えているので、それ以外を受けることはありません。
他人に振り回されたり、こき使われることもありません。
エッセンシャル思考の人は、他人の言いなりにならないためには「自分で優先順位を決めるしかない」と知っています。
エッセンシャル思考の人は、自分のやるべきことが見えています。
「自分はこれをやる」と選び抜いた、絶対に後悔しないことに自分の行動を捧げます。
「本当はやりたくない」「あまり乗り気じゃない」「他にやりたいことがある」ということは決してありません。
「今」を生き、「今」がとても充実しています。それは身軽で、とても楽しいことです。
チベット仏教ので人々の象徴になっているダライ・ラマ14世は次のように語っています。
シンプルな人生は満たされた人生です。幸福に生きるためには、シンプルに生きることが何より重要です。
エッセンシャル思考で生きることは、後悔なく生きることです。
自分にとって本当に大切なことを見極め、自分自身がもつ最大限の時間とエネルギーをそれに注げば、後悔の入り込む余地はなくなります。
最後の死を迎える瞬間に限らず、今どの瞬間も自分の選択を心から誇りに思えるようになります。
この記事はAppleやGoogle、FacebookやTwitterなどの世界的に有名な企業でコンサルティング経験のあるグレッグ・マキューン(Greg・Mckeown)氏の「エッセンシャル思考」という本の一部要約と抜粋です。
世界的ベストセラーになったこの本には他にも人生を成功と幸せに導く格言がたくさん載っています。
興味を持たれた方は是非実際に手に取ってみることをお勧めします。