会社のトップやマネージメントなど、チームのトップの役割を担っている人にとって「どうしたらチームとしてよりいい成績を出すことができるか」を追い求めることが一番の仕事です。
チームとして何を重要視して、どういう方針で動いていけばいいか?は重要なクエスチョンです。
ここを間違うと、個人のパフォーマンスが悪化し、チームの成績が下がり、組織全体の成績が悪化します。
ここでは、チームを成功に導くために、リーダーとしてどう考えどう行動すべきかについてまとめています。
エッセンシャル思考の著者 グレッグ・マキューンは、500人以上の経営者やリーダーにインタビューを行い、1000を超えるチームのデータを収集し、まとまりのあるチームと働くことと、まとまりのないチームで働くことにどのような違いがあるかを調べました。
調査の結果、チームの成績は目的に明確さによって大きく左右されることがわかりました。
目的が明確であれば、チームのメンバーは予想以上の力を発揮してくれます。
一方、チームの目的や個々人の役割が明確でない場合、チームは混乱し、ストレスがたまり結果は失敗に終わります。
目標を明確にするとは「何でもかんでもやってみる」とは真逆の戦略です。
どんなに収益性が高く魅力的なチャンスでも、チームが追いかけている目標から外れる場合は断る必要があります。
私たちは日々数えきれないほどのチャンスに直面しています。少し探して手を伸ばせば目先でプラスになることが大量に転がっています。
結果を出せない組織のリーダーはそういったすべてのチャンスを追いかけようとします。
その結果、メンバーに過大な負担がかかり、個々人及び組織全体のパフォーマンスは低下します。
結果を出せるリーダーは決して全てをやろうとはしません。
明確な目的を持って仕事を選別し、あらゆる業務を「より少なく、しかしより良く」という方針で進めます。
数々の魅力的なチャンスに流されず、最も重要な仕事だけを追求していきます。
その結果、チームの結束は強まり、より大きな成果を生み出して行きます。
結果を出せない組織のリーダーは人を選ぶときに、明確な基準がないままどんどんと雇い入れます。
その結果、ダメな部下の管理や教育に多大な時間をとられます。
間違った人材を雇うと「無能の連鎖」が発生します。「無能の連鎖」とはダメな社員がダメな社員を呼ぶことです。
無能の連鎖が発生すると、かつては優秀だった企業も内部から崩壊し落ちぶれていきます。
成果を出せる組織のリーダーは人材選びに徹底的にこだわります。
決して妥協することなく、確固とした基準を持って完璧な人材を選び取ります。
そして、足手まといになる人材は容赦なく切り捨てます。
その結果、一流の人材ばかりが集まり、チームの相乗効果によって、個々の優秀な人たちの集まり以上の成果が出せるようになります。
結果を出せないリーダーはあらゆるチャンスに手を出そうとします。
メンバーとのコミュニケーションはその仕事をいかに割り振るかに使われます。
メンバーは山のような仕事を振られて、どうでもいい作業に時間を費やし、重要な仕事に手が回りません。
結果、組織としても個人としても、あらゆる方向に1歩づつしか進めず成果が出ません。
結果を出せるリーダーは「目的を完全に明確」にします。目標が不明確な状態で走り出すことはありません。
みんなが同じ方向を向くので、チーム全体の結びつきは強くなります。
結果、チームが一致団結して、個人個人の1歩よりもずっと大きく前に進むことができます。
結果を出せないリーダーは自分自身が具体的に何を追い求めているのかをわかっていません。あれもこれもと手を出します。
当然、メンバーへの仕事の割り振りも曖昧になります。役割と責任が明確になっていません。
メンバーの役割と責任を明確にしないことを「フレキシブル」や「アジャイル」という体のいい言葉で隠そうとする人もたくさんいます。
メンバーは自分の役割が明確になっておらず、誰が何の役割を担っているのかもわからないため、サポートに入ることができません。
何を達成すべきかわからないので、ただ忙しいふりをして「できる」と見せかけている人もでてきます。
結果を出せるリーダーは各メンバーの役割をとことん明確にします。
曖昧な言葉は決して使いません。
メンバー全員が自分の役割を完全に理解し、さらに、自分以外の役割もすべて把握できるようにきちんと話をします。
情報を伝えるのが下手なリーダーは、抽象的でわかりにくい言葉を使い、言っていることがコロコロ変わります。
言われた人は「結局、何が言いたいのかよくわからない」というクエスチョンマークが頭の中に残ります。
情報を伝えるのが上手いリーダーは、具体的で簡潔な言葉を使い、誤解することがないように話します。
無意味な流行言葉を使うことはありません。
常に言う事が一貫しています。
このため、組織のメンバーも何が重要なのかをはっきりと理解し、本質的でないものを避け、本質を選び抜くことができます。
指導が下手で人材育成ができないリーダーは、仕事を振ったら振りっぱなしでその後の確認をしません。
そもそも、仕事を大量に振りすぎて、なんの仕事を振ったのか忘れている場合すらあります。
仕事を振られたメンバーは確認されることがないので、適当に手を抜くことを覚えます。
まじめにやったところで、どうせリーダーは何を振ったか覚えておらず、達成の基準も明確でないので変わらないからです。
人材育成ができるリーダーは各メンバーがやるべきことを明確にしています。
誰が何をやっているかが明確なので確認も簡単です。
各メンバーが着実に小さな進捗を重ねているかを確認し、困ったことがあれば手を貸します。
自分のやったことをきちんと見てもらえるので、メンバーはよりいっそう頑張ろうとします。
組織を成功に導けるリーダーはそもそもメンバーが一つの仕事に集中できる環境を作ります。
各メンバーに「最優先の役割を一つだけ選ぶ」ことを迫ります。そして、それ以外の仕事はするなと指示します。
そのメンバーが選んだ役割以外のことを相談しにいっても拒否します。
年次評価シートも工夫して、会社に対して最も貢献したことを一つだけ書くようにします。
こうした環境作りの結果、各メンバーは自分のやるべきことを明確にすることができ、「組織に貢献するために何をすればいいか?」を自発的に考えて行動するようになります。
この記事はAppleやGoogle、FacebookやTwitterなどの世界的に有名な企業でコンサルティング経験のあるグレッグ・マキューン(Greg・Mckeown)氏の「エッセンシャル思考」という本の一部要約と抜粋です。
世界的ベストセラーになったこの本には他にも人生を成功と幸せに導く格言がたくさん載っています。
興味を持たれた方は是非実際に手に取ってみることをお勧めします。