この世の中には後ろ向きな人やネガティブ思考の人がたくさんいます。「私にはできない」「私には無理」と言って諦めてしまう人で溢れかえっています。
ですが、本来人は前向きな生き物です。多くの人がその当たり前のことを忘れています。
私たちはこの世に生まれたとき、何もできない状態で生まれてきます。できることは息をすることと泣いて知らせることぐらいです。
ところがその後、寝返りができるようになり、座れるようになり、ハイハイできるようになり、立ち上がれるようになり、歩けるようになり、食べれるようになり、喋れるようになっていきます。
その過程で何度も何度も失敗します。
転んでは頭を打ち、大声で泣き、あちこちに傷を作ります。痛い思いを何度も何度もします。ですが、その度に何度も何度も立ち上がり、もう一度挑戦します。
後ろ向きなんて言葉は知りません。ネガティブ思考なんてものはありません。いつも前向きです。いつも新しいことができるように努力を続けます。
それが私たちに備えられた本能です。
もし赤ちゃんが後ろ向きでネガティブ思考だったらどうなるでしょうか?
「痛いのは嫌だ」「失敗するが怖い」「私にはできないかもしれない」そんな事ばかり考えていたら、挑戦することはありません。
一度失敗したら二度と立ち会がることはありません。
立つことも、歩くことも、喋ることもできないまま人生を終えていくことになります。
でも決してそうはなりません。誰一人例外なくです。みんな前を見て成長していきます。
仮に手足がない赤ちゃんが生まれてきたとしても、その子たちはそのことに絶望すらしません。自分にできる中で必死で前を見て生きようとします。
生まれた環境も関係ありません。電気やガス・水道がなくても、身分の低い家に生まれても、家がないところで生まれても、戦争中でも、赤ちゃんは前向きに一生懸命生きようとします。
後ろ向きやネガティブ思考というのは、成長していく過程で周りによって後から付け加えられた重りです。
本来前向きなはずの心に「ダメだ」「できない」「無理だ」「意味ない」といった余計な重りがどんどんとついていきます。
そして、気づいたときには、心についた重りによって、本当の心が見えなくなってしまいます。その状態が後ろ向きやネガティブ思考です。
心にたくさんの重りをつけて、身動き一つ取れない状況に陥れば、人は絶望して当然です。後ろ向きになりネガティブ思考になって当然です。
心に重りがある状態で行動したら、いい結果が生まれないのは当然です。行動する度に疲れて苦しくなるのは当然です。
囚人が足につけているような重りをつけたまま日常生活を送るようなものです。
動きは重く、動くたびにくるぶしと鉄がすれて皮膚が破れ血が出ます。そんな状態なら動かない方がいい、動きたくないと考えるのが普通です。
私たちは洋服を着こんで、アクセサリーを着けた状態で水の中に飛び込めば、水の奥底へと沈んでいきます。
どれだけ懸命にもがいても水面に顔を出すのは難しいでしょう。
ですが、アクセサリーを外して洋服を脱ぎ去り裸になれば、水の上に浮くことができます。何一つ力はいりません。
プカプカと浮かび、水の流れに身を任せることができます。
心も同じです。驚くほどに前向きな状態が私たちの本当の心の状態です。多少の痛い、きつい、そんなことに臆することはありません。
心の周りにたくさんの重りをつけて、背負う必要のないものまで背負い込んでいれば、社会と水の中に沈んでしまいます。
心の周りについた重りを取り払い、力を抜いてもがくことをやめ、水の流れに身を任せれば、もっと楽に自然に生きることができます。
それが自分らしく生きるということです。
自分の過去、現在の境遇のすべてをスッと受け入れて、あがくことやもがくことをやめる。そうすれば本来私たちが持っている前向きな心が、何度も何度もあなたを立ち直らせてくれます。
この記事の内容は複数の企業を経営する中村信二さんの「営業の魔法」の一部要約および、自分なりの解釈を加えたものです。
営業の魔法は音声版で楽しく学ぶことができるものです。美しい心理描写のストーリー仕立てで、主人公が学びながら成長していく姿がありありと目に浮かびます。
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仕事や生き方で迷っている人はぜひ聞いてみることをお勧めします。心に希望の光を与えてくれる、何度も何度も聞き返す価値のある素晴らしい一冊です。