私たちの身の回りにはニュースが溢れかえっています。LINEを開けばLINEニュース、Yahoo!JapanのtトップにはYahoo!ニュースが、テレビをつければニュースの情報が流れています。
「ニュースを見ていることは社会人の基本」「ニュースを見ていないと話しについていけない」「ニュースは話題作り」と言いますが、本当にニュースは必要なのでしょうか?
結論からいうと、ニュースを見る必要は一切ありません。なぜなら、ニュースを見なくても重要な情報を見逃すことはなく、むしろ損失の方が圧倒的に大きいからです。
ここでは、ニュースが不要な5つの理由を解説しています。
そもそもですが、なぜ世の中にこれほどまでにたくさんのニュースが存在しているのでしょうか?
LINEニュースやYahooニュースなど、本来のLINEの目的はコミュニケーションツール、Yahooの目的は検索エンジンです。ニュースなど必要ないはずです。
その理由はニュースが儲かるためです。
私たちの脳には「人にまつわる衝撃的なことや、騒々しく変化の激しい情報に過度に反応するが、抽象的で複雑で、自分なりに考えなければいけない情報にはほとんど反応しない」という性質があります。
つまり「人にまつわる衝撃的なことや、騒々しく変化の激しい情報」を配信すれば、多くの人が自動的に食いつくということです。
このため、様々なメディアが芸能人や有名人の近況や、感動的な話、悲しい話、どぎつい写真などで、人の注意を惹きつけようとします。
情報が精緻で、示唆に富み、生活や健康の本質を改善するような情報は、人を惹きつける力がないので排除されます。
つまり、私たちにとって本質的な価値はないが、ただ目を引くだけの見出や、ペラペラだけれどもスキャンダラスで衝撃的な内容は、人をおびきよせるための優秀な撒き餌です。
エサをまけば魚が集まるように、人が反応するニュースをばら撒けば人が集まります。人が集まればビュー数や利用者数が増えて、広告枠が高値で売れるようになります。
ニュースを見るべきでない2つ目の理由は「ニュースは私たちの人生に無関係なため」です。
私たちの多くはニュースが興味を引き立てて、快楽物資などを分泌するため、ニュースは有益なものだと考えています。
ですが、ニュースは私たちの人生に関係がないことがほとんどです。
ちょっと立ち止まって、あなたが去年1年間(過去10年間でもいいですが)を振り返って、ニュースから得た情報で本当に人生を好転させてくたものがあったかどうかを考えてみてください。
LINEのトップニュース、Yahoo!ニュースのヘッドラインなど、どんなニュースがあなたにとって重要な価値をもたらしたでしょうか?
その答えは0のはずです。
「〇〇が不倫した」「〇〇が結婚した」「△△でテロが起こった」「飛行機が墜落した」「首相サミットが開かれる」「総理大臣が変わった」など、印象は強いかもしれませんが、あなたの実生活に影響を及ぼすことはありません。
実生活に何一つ影響を及ぼさないということは、無関係ということです。
ニュースを見るべきでない3つ目の理由は「ニュースが損失をもたらす」ためです。
無関係で無害であればまだいいのですが、ニュースを見ることで大きな機会損失や間違った思い込みに至ることの方がほとんどです。
例えば「飛行機が墜落した」というニュースを聞いた後に、飛行機に乗ることを極度に控えようとする人がいます。
ですが、飛行機が墜落する可能性は0.0009%、アメリカに限って言えば0.000034%です。
もちろん確率は0ぜはないので、ごくまれに墜落することがあります。ニュースはこの相当なまでに確率の低い1件を大きく取り立てわめきたて、何時間にも及ぶ特集を組みます。
ニュースが流れようが流れまいが墜落確率は変わらないのに、ニュースによって飛行機にのることを怖がってしまうのは人生の機会損失でしかありません。
ニュースを見るべきでない4つ目の理由は「ニュースが時間と成功を奪う」ためです。
私たちにとってお金以上に重要なものがあります。それは時間です。
お金は働けば増やすことができますが、私たちの時間は限られています。現状であれば平均90歳がリミットです。
そして、できる限り年齢が若いときに何を学び、どんな経験をするかが、自分のキャリアやその後の進路に非常に重要になってきます。
そのためには、学んだり経験を積む時間が必要です。ところが、ニュースはその時間を奪います。
あなたが朝、昼、夜と10分だけニュースを眺めたとします。1日の合計は30分です。1年で183時間失うことになります。
10年間でたった10分間3回ニュースを見ると、1830時間もの時間を失ったことになります。
また、あなた個人だけではなく、世界中の人の時間を奪います。
例えば、2008年にインドのムンバイで発生した同時多発テロの報道は世界中で放送されました。仮に、少なく見積もって、10億人の人々が10分間そのニュースや報道に目を止めたとすると、世界全体で100億分が失われたことになります。
19,025年つまり、90歳まで生きる人の211人分の人生が失われたことになります。
ニュースをどれだけ見ても決して成功することはありません。それは社会が証明しています。
あなたの身の回りにもゴシップ好きで、いつもニュースをずっと気にかけている人がいると思います。そういった人たちは会社や社会の中で成功をおさめている人たちでしょうか?
長者番付を見てもニュースを見ている人たちが成功しないことは明らかです。トップにジャーナリストやニュースを毎日欠かさず入念に見ている人の名前は入っていません。
むしろ、ニュースを毛嫌いして、その時間を自分のビジネスに当ててきた人たちこそが成功しています。
ニュースを見るべきでない5つ目の理由は「ニュースは人を不安やネガティブ思考にさせる」ためです。
ニュースで流れるのは人の注意を引くものばかりです。そして私たちの脳が注意を払うのは急激な変化やスキャンダルです。
このため「〇〇が自殺」「〇〇が不倫」「災害で〇人死亡」「交通事故で〇人死亡」「ヘリが墜落」「飛行機が空中分解」「子供たちが犠牲に」といった不安を煽る内容ばかりが取り沙汰されます。
そういった情報に毎日毎日欠かさず触れた結果、「この世は怖い」「危険」といった感情で洗脳され、ネガティブ思考に陥ります。
他にも「羨ましい」「ズルい」といった妬みや嫉妬の感情が煽られます。
「ニュースを見ていないと話題に乗り遅れて、友達や同僚から仲間外れにされてしまう」と不安になる人もいるかもしれません。
ですが、決してそんなことはありません。
むしろ、ニュースに当てていた時間を、専門的な本や小説などに使って、より深い考察を得てそれを語った方が人々の関心を惹くことができます。
日本一の話術氏とまで言われた島田紳助さんや、斬新な切り口で人気を博したEXITの兼近さんは、次のように語っています。
「みんなが見てるものを見てなくて、みんなが見てないものを見てるから、なんでそれ知ってるの!?となる。」
つまり、世の中の多くの人が見ているニュースでは驚きを与えることができず、会話としての価値はほとんどないということです。
「ニュースを見ないと、震災など重要な情報が入ってこない」と不安になる人もいるかもしれません。
ですがそれも問題ありません。
重要な情報を得るために大切なのは、ニュースを見ることではなく、あなたの身の回りにいる人を大切にすることです。
あなたの身の回りにいる人と良好な人間関係を築き、定期的にコミュニケーションを取っていれば、本当に重要は情報は自ずと入ってくるものです。
そして、そういった情報の方はニュースの無関係でどうでもいい話題でなく、あなたに密接に関わるものばかりになります。
また、震災などが起こったり、何か異変を感じたり、疑問に思ったら、そのときに欲しい情報を取りに行けばいいだけの話です。
ニュースを毎日定期的に見なくても、あなたが欲しい情報は簡単に手に入れることができます。情報は逃げません。
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