よく誰かを幸せにしたいと願う人に「自分が幸せにならない限り、人を幸せにできない」という言葉をかける人がいます。
まずは自分の幸せを確保することが先。自分が幸せになればその幸せがあふれ出て、周りの人を幸せにするという言い分です。
一見、自分を大事にしていてとてもいい言葉のように聞こえますが、この言葉には危険な落とし穴があります。
ここでは「自分が幸せにならない限り、人を幸せにできない」がなぜ危険なのか、自分や人を幸せにするにはどういう考え方がいいのかについて解説しています。
「自分が幸せにならない限り、人を幸せにできない」という言葉は「~しなければ」という限定が入った言葉です。
この言葉を信じ込む人は、自分が幸せだと言い切れるまで、他人の幸せを無視して自分の幸せばかりを追求します。
ですが、本当にそうでしょうか?
自分が不幸の中にいても、誰かに恵みを与えることができる人は存在します。子供を事故で失って悲しいはずの人が、目の前で苦しんでいる人に手を差し伸べることもできます。
ですが「自分が幸せにならない限り、人を幸せにできない」を信じ込んでいれば、決して誰かに手を差し伸べることはしません。なぜなら自分が幸せではないからです。
「自分が幸せにならない限り、人を幸せにできない」は更に酷い思い込みに至ると、「自分が幸せでないのだから、他人も幸せになってはいけない」という考え方に発展することもあります。
幸せをつかむはずの言葉が、自分の幸せばかりか、相手が幸せになることをも否定してしまいます。
自分が幸せでなくても、人を幸せにすることはできます。しかし、自分が幸せでないのに、周りばかり幸せにしようとしていると、自分がどんどんすり減っていってしまいます。
私たちは、人を幸せにしようとする以上に、自分自身を幸せにする必要があります。
なぜなら、あなたの幸せを心から考えることができるのはあなただからです。
パートナーや親など世界中の全ての人が敵に回ったとしても、自分だけは自分自身を信じてあげるべきです。
自分自身が「私はこれがやりたい」と言ったときに、周りが何を言おうが自分が「やる」と決めて行動することはできます。
最終的に自分自身にダメなレッテルを貼り、否定しているのは自分自身です。
自分がどう考え、どう行動するかを決めるのは自分しかいません。
「自分が幸せでなくても、人を幸せにできる」しかし「自分自身を幸せにする義務がある」とすると、どうすればいいのでしょうか?
その答えは簡単です。既に自分が幸せだと無責任に決めればいいのです。
そもそも幸せかどうかを決めるのは自分自身です。周りの人が「あなたは幸せだね」と言っても、自分が「私は不幸だ」と考えれば不幸です。
周りの人が「あなたは不幸だね」と言っても、自分が「私は幸せだ」と考えれば幸せです。
つまり、幸せか不幸かの決定権は自分自身にあります。
「自分が幸せにならなければ、他人を幸せにすることはできない」も「自分が幸せでなくても、人を幸せにすることができる」もどちらも、信じ込めば人はそのとおりに行動します。
つまり、何を信じ込むかが大切ということです。
であればこの世を幸せに生き抜く最高の思い込みは「自分は幸せだし、他人はもっと幸せになれる」です。
自分は十分幸せ。だから周りの人に幸せを分け与えることができる。そうすれば、周りの人はもっと幸せになることができるということです。
自分が幸せだと心から思える魔法の言葉があります。それは「ちょうどいい」です。
例えば、売り上げが上がらない時に「売り上げが低い」と考えれば不安やイライラがたまります。決して幸せではありません。ですが「売り上げが低いぐらいでちょうどいいんですよ」と言えば、不安やイライラが消えます。それどころか幸福感が湧いてきます。
私たちがあらゆるものに文句や不満を言えるように、「ちょうどいい」もあらゆるものに適用できます。
「ちょうどいい」を口癖にするだけで人は幸福になることができます。まさに魔法の言葉です。
この記事の内容は複数の企業を経営する中村信二さんの「営業の魔法」の一部要約および、自分なりの解釈を加えたものです。
営業の魔法は音声版で楽しく学ぶことができるものです。美しい心理描写のストーリー仕立てで、主人公が学びながら成長していく姿がありありと目に浮かびます。
最初から最後まで心からうならされる学びで満ちています。感動にも満ち溢れ、心が熱くなること間違いありません。
仕事や生き方で迷っている人はぜひ聞いてみることをお勧めします。心に希望の光を与えてくれる、何度も何度も聞き返す価値のある素晴らしい一冊です。