人が生きていく中で人生を大きく左右する選択を迫られる時期が何度もきます。
大学はどこの何学部を志望するべきか?それとも働くべきか?就職先はどの業界でどういった仕事につくべきか?どんな人と結婚するべきか?住む場所はどこがいいか?などなど、たくさんの選択があります。
そして、その選択をミスってしまうと、「本当はこんなことやりたくないのに」と、毎日ストレスや嫌な思いと向き合うことになってしまいかねません。
その期間が長ければ長い程、人生がつまらなく後悔の多いものになってしまいます。
世の中には「好きなことを仕事にする」「好きなことだけで生きていく」という言葉があり、そう生きたいと願う人がたくさんいますが、いざ行動に移そうとすると
「何をやりたいかわからない」
「自分の好きなものってなんだろう?」
「あれが好きだと思っていたけど本当に好きなのかな?」
「嫌いだと思ってるけど、やったことなくてわからないだけじゃない?」
「自分の好きなことがわからない」
という思考がぐるぐると回ってしまい、最終的に何も決められないという人が多くいます。
仮に、「自分はこれをやりたい!」と思って決めて入ったのに、それの判断が本質を捉えきれておらず、「あれ?なんか楽しくない」「やりたいと思って入ったのに、、、」「本当にやりたいことってこれなのかな?」という状況に陥ってしまうこともあります。
ここでは、そういった方々のために、やりたいことを見つけるための簡単な方法をわかりやすく解説しています。
「やりたいことが見つからない」「やりたいことがわからない」という人がいますが、そもそもやりたいことを見つけるためには何が必要でしょうか?
それは、基準です。
よくある勘違いがやりたいことの選択肢が少ないというものです。ですが、現在の世の中は、その逆で選択肢で溢れかえっています。
スタンフォード大学の社会心理学の博士号を持つ、コロンビアビジネススクールの経営学部のシーナアイエンガー教授が、人と選択に関する研究で、人は選択肢が多すぎると決められない性質を持っているということを発表しています。
例えば、ジャムを買いに行ったときに、ジャムが3種類しかない場合、人は割と簡単に選ぶことができます。
ですが、ジャムが24種類あると、選択にものすごく時間がかかったり、どれを選んでいいかわからない、、となって結局選べないということもあります。
仮に、どれかを買って帰ったとしても「ああ、あっちにしておけばよかった」という感情が芽生えてきます。
現在の社会はジャムが何千種類も並べられている状態です。就活・転職メディアを開けば、職種が山のようにあり、その職種の中に更に仕事が山のようにあるという状態です。例えば、大手就活メディアのマイナビに掲載されている企業数は約7500社(執筆時点)です。
それどころか、就活・転職メディアサイトがいくつもある状態です。そして、そのサイト毎に掲載されている企業や内容が異なったりもします。
ひと昔前は、自分の稼業を継ぐ以外に選択肢がないという、選択肢が1つの状態だったのが、今や選択肢が多すぎて選べない状態です。
結婚相手も同じです。世の中には男性も女性もたくさんいて、誰とでも結婚していい権利をもっている状態です。
昔は、家柄やいいなづけなどたくさんの制約があり選択肢が少なかったので選びやすかったのですが、今や選択肢が多すぎて選べない状態です。
つまり、大学、就職、結婚など、どれをとっても選択肢が多すぎて選べない状態です。仮に、選んだとしても、似たようなものがたくさんあるので「あぁ、あっちにしておけばよかった」という感情が永遠に出てきます。
このような状況を一気に解決してくれるのが基準です。
例えば、目の前にジャムが1000個並べられていたとしても、「イチゴジャム」「甘さ控えめ」「小さめの紙パック」「国産」「賞味期限が2か月以上」といった基準があると、選択肢の数はぐっと絞られます。
就活の例で、マイナビで「インターネット関連」「沖縄県」「従業員数50人未満」「3年後の新卒定着率90%以上」という基準を設定すると、ヒットする求人数は7500件から1件 (執筆時点) になります。
1件であれば、応募するかしないか、他のメディアで探してみるか、もう少し基準を下げるか、といった判断をすることができます。
つまり、基準は人生を生きていくうえで超強力なツールです。
基準をつくることはとても重要です。ですが、基準の決め方を間違ってしまうと、そもそも、絞り込まれた選択肢自体が間違ったものになってしまいます。
つまり、基準をどうやって作るかがとても重要ということです。
その、とても重要な基準を作るために必要なのが、自分自身のこと明確に理解することです。
自分のことをしっかりと理解するには、自己分析を正しくやる必要があります。
世の中には、自己分析の方法やツールが溢れかえっています。チェックマークで簡単に選べるものもあります。ただし、そのチェックマークの時点で似たような選択肢がたくさんあって、どれを選べばいいのかよくわからない、、ということも多くあります。
明確な基準がなく、迷いながら選んだ結果表示される自己分析結果は、当然、明確な基準がなく疑わしいものです。
以降で、自分自身のことを明確に理解するための、自己分析方法を解説します。
自分自身のことを明確に理解するための自己分析の手順は、次の3つを理解することです。
そして、最後でてきた答えを組み合わせると、自分がやりたいことを見つけることができます。
よく、「大事なことと、稼げることどっちを選ぶべきですか?」「得意なことと好きなことどっちを仕事にするべきですか?」という質問を耳にしますが、これらの質問は間違っています。明確な基準がなく、絞り込みができない状態です。
当然、この質問に返ってきた回答どおりに進めば、納得しない人生になる可能性が高いです。
「大事なことと、稼げることどっちを選ぶべきですか?」という質問は、そもそも、自分の大切にしていること(価値観)を理解することができていません。
あなたにとって、「稼げる」ということが大事なのか、それとも「それ以上に大事にしていることがあるのか」が明確になっていません。
「得意なことと好きなことどっちを仕事にするべきですか?」という質問は、そもそも、その2択が間違っています。
大事なのは、「得意」で「好き」なことができる仕事を探すことです。この2つはどちらも超重要な基準です。
つまり、「大切」&「得意」&「好き」という基準で絞り込むことが、正しい選択につながります。
やりたいことを見つけるためには「大切にしているものは何ですか?」「価値観は何ですか?」「得意なことはなんですか?」「好きなことはなんですか?」といった質問の回答を見つける必要があります。
ですが、この答えを頭で考えてしまうと、間違った答えにたどりついてしまいます。
というのも、人の思考は周りに影響されやすい性質を持っているため、自分で考えた!と思っていても、メディアや誰かの影響を受けているためです。
「価値観」「得意」「好き」とは、これまでの人生の中で自然と身に着いた感覚やスキルです。考えつくものではありません。
そこで、自分の感覚で答える練習をするために、次の質問を自分に投げかけてみてください。
「あなたは、どういう状態が落ち着きますか?」
ポイントは自分が落ち着くかどうかです。
「人がたくさんいる場所が落ち着きますか?それとも、人がほとんどいない静かな場所が落ち着きますか?」
「流行最先端の都心にいる方が落ち着きますか?田舎の山の中にいる方が落ち着きますか?」
「デスクワークでずっと座ってる方が落ち着きますか?動き回っている方が落ち着きますか?」
「人と話している方が落ち着きますか?一人でいる方が落ち着きますか?」
「安定した仕事の方が落ち着きますか?変化のある仕事の方が落ち着きますか?」
「日本国内にいるのが落ち着きますか?海外の見知らぬ土地にいるのが落ち着きますか?」
「言われたことをやる方が落ち着きますか?やることを自分で見つけて動く方が落ち着きますか?」
「あぁ、こっちの方が落ち着くな」と感じたことが正しい答えです。その感覚を持って次の質問に答えていってみてください。
まずは、大切にしていること(価値観)の見つけ方についてです。
価値観といえば、就活や結婚相手を探すときも「あなたの価値観はなんですか?」と聞かれるぐらいよく聞く言葉です。ですが、自分の価値観がなんなのかよくわからない、、という人がほとんどです。
価値観を見つけるために次の5つの質問をしてみてください。
一つ目の質問は、尊敬する人は誰か?です。考えるのではなく、あーあの人すごいなぁ、といった感覚で答えてみてください。
有名人でなくても、親や友達、アニメやマンガのキャラでも問題ありません。周りの人が知らない人でも大丈夫です。
複数人でも大丈夫です。その人たちの名前を書き出してみてください。
そして、なぜ尊敬するのか?をその名前の横に書いてみてください。簡単にで大丈夫です。
参考までに例をあげると次のようになります。
尊敬する人 | 理由 |
---|---|
武井壮 | 40歳を超えても体に不調がない状態でトップアスリートのフィジカルを持っているから。「今0だとしても、一つ積み重ねれば1、3年間続ければ1000を超える」という言葉が好き。 |
奥村正子 | 90歳を超えているのに、一般成人と変わらない健康的で生き生きした生活を送っているから。 |
孫正義 | 高校性の1学期で高校を自主退学して渡米したから。逃げたのではなく、周りを説得したから。 |
ペコさん(近所の人) | スウェーデン国籍も持ち、日本語、英語、デンマーク語、スウェーデン語を話し、輸入・輸出業やレストランなど自分でビジネスをしているから。 |
中田敦彦 | 人の心の状態と欲しがるものを的確に捉え、優良な情報をとてもわかりやすく・おもしろく配信しているから。ほぼ毎日更新という地道な作業を黙々とやり続けているから。 |
ラリー・ページ | 表舞台に現れないのに、大成功しているから。 |
この例の場合、「健康」「長寿」「アメリカ」「北欧」「自分のビジネス(大規模すぎない)」「人の心理の理解」「優良な情報の発信」「わかりやすい」「おもしろい」「地道な作業の継続」「裏方(目立たない)」が尊敬のキーワードになります。
2つ目の質問は、「思春期に影響の大きかった経験は何ですか?」です。ここでいう思春期は具体的に何歳~何歳というものではなく、子供時代にぐらいの意味で捉えてください。
「これまでの人生で強く印象に残っている出来事は?」
と言い換えても問題ありません。複数あっても大丈夫です。
大切なのは、感覚です。頭で考えることではありません。その出来事を書き出して、その時どう感じたかを書き出してみてください。
成功か失敗か、いいことか悪いことかは関係ありません。強く印象に残ったことです。
参考までに例をあげると次のようになります。
出来事 | 理由 |
---|---|
自然の中での生活 | 保育園時代に、木々に囲まれた裏山を駆け回ることが大好きだった。早起きして外に出て自然の綺麗な空気を吸い込んだときの感覚が大好きだった。 |
小学校に上がる時に父親と別々に暮らすことになったこと | 単身赴任する母親についていくことになり、兄弟の面倒をみなければいけないという父親の役割を担うことになったから。〇〇しなければいけないという精神的に大きな抑圧がかかった。 |
祖母の言葉 | 父方の祖母から「あなたはお兄ちゃんだから〇〇しなければ」「将来は〇〇になりなさい」や「体が痛い」「あれはダメ」「これはダメ」という話を聞かされることがとてもストレスだった。 |
高校時代の部活 | 入部当時周りより下手すぎて一人で端で基礎メニューをやらされていたのが、毎日さぼらず誰よりも練習を続けたことで、最終的には部長&レギュラーにまでなれたこと。 |
大学入学 | 大学に行く理由や意味が分からない中、親に大学だけは行きなさいと言われ、祖父に言われたこれから伸びる学部を選択したこと。自分の意志とは異なる、人に言われた意見を採用してしまったこと。 |
海外留学 | 大学1年生のときに留学するという目標を立てて、バイトをしてお金を稼ぎ、自分で留学先探し飛行機を手配し、留学したこと。2年間という長期の目標を立てて、それを達成できたこと。 |
4年間片思いしていた人に振られたこと | 大学3年生のときに、4年間片思いし続けていた人に告白してフラれたこと。その時に、悲しいという現実から目をそらして過去を美化しようとした。 |
社会人5年目のアメリカ出張 | 高齢のおじいちゃんおばあちゃんが別荘地の大きな湖で楽しく遊んでいて、遠くから笑顔で手を振ってくれたこと。人生は楽しんでいいんだと感じた。 |
スティーブ・ジョブスのスピーチ | スタンフォード大学のスティーブ・ジョブスのスピーチで、コネクティング ドットの概念を聞いたとき。将来役立つかわからなくても、興味を持ったことをやり続けていたら、後の人生でそれが繋がり新しい価値を生む可能性があることを知った。 |
3つ目の質問は、「今の社会に足りないと思うものは何だと思いますか?」です。
社会のためにこうした方がいい、未来の子供のためにこうした方がいい、お年寄りのためにこうした方がいい、というテストで満点がとれそうな言葉が思いつくかもしれません。
ですが、大事なのは、周りからの情報を基に自分が考えたことではなく、自分が感じたことです。
「これが無くなればみんな幸せなのにな~」
「あれのせいでホント嫌な思いしてる!」
「もっと、こうだったらいいのに」
と感じることを書き出します。
今の社会をよりよくするために何が必要だと思いますか?という意味なので、足していくことだけでなく、あれが無くなったらいいということでも問題ありません。
参考までに例をあげると次のようになります。
足りないと思うもの | 理由 |
---|---|
実用的な英語教育 | 学校で教わる英語教育が実際に海外で英語を覚えるときに邪魔をするから。間違った下手くそな発音の人に教わり、それを正しい英語と勘違いしてしまう。実際に海外で使われていないような言い回しを多く学ばなくてはいけない。 |
外国人に対する理解 | 特に、中国人、韓国人、黒人に対する差別意識が強すぎる。その国に行ってみるといい人たちがたくさんいる。 |
挑戦の場 | 失敗を許容できる場や人が少なすぎる。人は失敗しながら成長していくのに、そのことを理解し許容している環境があまりにも少ない。 |
誉めること | 叱る、厳しくするという人の割合に対して、誉める・伸ばすという人が少ない。制限する人や規律ばかり。 |
お金に関する教育 | 生きていくうえで重要なものの一つである、お金に対する教育が欠如している。特に、先生などアカデミックな人たちほど、お金を稼ぎは汚い といった間違ったイメージを持っている人が多い。 |
異性に関する教育 | 生きていくうえで重要なものの一つである、異性に対する教育が欠如している。男はどう考える傾向があって、女性はどう考える傾向があるかを、最新研究結果に則って考えていくことが、人に対する苦手意識をなくし、人種差別をなくし、お互いを受け入れ合うよりよい社会を作り出すことにつながる。 |
子育てに関する教育 | 子供の育て方、特に心理面に関する教育が足りていない。自立心や自尊心を持った子供に育てる育て方や、なぜそれをするかの理由が、子供だけでなく大人にもつながる。 未だに、子供を育てるために叱ることが必要だと勘違いしている人が多すぎる。 |
無駄な飲み会や会議を減らすこと | ただ傷をなめ合うだけや、参加することが目的なだけの無益な飲み会や会議が多すぎる。そして、それに参加することを強要する人、あるいは、無言の圧力をかけてくる人が多すぎる。 |
地方の仕事や教育レベル | 都会と田舎で仕事や教育の格差が大きい。インターネットが普及している現代では、田舎や山奥でも世界のトップクラスと同じ質の教育を受けたり、仕事をすることができる。 |
新しいことや良いものを受け入れること | 既得権益を守ろうとする人が多い。取り入れたら多くの人が幸せで暮らしやすくなることが受け入れられていない。 新しいことめんどうだとして、試すことなく拒絶する人が多い。 |
4つ目の質問は、「私は何を大切にしてそうですか?」を周囲に聞くことです。
パートナーや、友達、親、同僚など、身近にいて自分の行動をよく知っている人に聞いてみます。
自分が考えていることと、周りの人が見て感じていることは合っている場合もあれば、違う場合があります。
それを聞いたら、なぜそう思うか?も聞いてみてください。いい悪いは関係なく、とにかく聞いたことを書き出すだけです。
参考までに例をあげると次のようになります。
「時間」と「お金」。理由は、いつもそれを言っているから。
自分ではそこまで意識して言っているつもりはないのですが、周りから見るとそれをよく口にしているということがわかります。
5つ目の質問は「周りの人に助言したいことはなんですか?」です。ここでは自分の信念を見つめます。
次の3つのステップで行っていきます。
まずは、周りの人に助言したいことを書き出します。
言葉だけでなく、示したい行動でも大丈夫です。
例えば、どこの大学を志望すればいいか迷っている人、転職するべきか迷っている人、どの人と結婚するべきか迷っている人、子供を産むか迷っている人、パートナーや親友がピンチに陥いったときにける言葉や行動が何かを書き出します。
参考までに例をあげると次のようになります。
次に、自分がパートナーや子供、親友、家族、同僚に伝えたくないことも書き出します。そして、その横に、その逆がを書き出します。
それが、自分の信念でもあります。
参考までに例をあげると次のようになります。
↓ 逆にする
最後に、書き出したものに優先順位をつけます。
言い回しが長いものはシンプルにし、似ているもは一つに統合します。紙を小さく切って、そこに一つ一つ書き出し、並べ替えると優先順位付けしやすくなります。
最後にそれを、ピラミッドのように積み重ねた図にすると、自分の価値観がかなり明確にわかるようになります。
参考までに例をあげると次のようになります。
例えばこの例だと、一番重要な価値観は「自分の気持ち」だということがわかります。
周りとの調和ではなく、自分がどう感じているかという、自分の内面や内なる声に耳を傾け、その望む通りに行動していくことを価値観にしています。
そして、家族や子供、世の中の人が、今よりももっと幸せで生きやすいと感じる方向に行動することを軸としています。
まとめると「自分の気持ちを大切に自分のやりたいことをやる」→「嫌なことがない、落ち着く環境」→「家族・子供が幸せになる」→「世の中の人がより幸せで楽しくなる」が人生の軸となっていることがわかります。
もちろんこれは一例で、「周りの人との調和が一番大切」「親愛なる人の想いを実現することが一番大切」というように、人によって中身や優先度は大きく変わります。
この章の最後のステップは、可視化した自分の価値観を「仕事の目的に言い換える」ことです。
自分が求める「仕事の要件」と言い換えることもできます。
参考までに例をあげると次のようになります。
先ほどの例で挙げた価値観のピラミッドだと、優先度の高い順に次の4つです。
これを、仕事の目的に言い換えると、
となります。
つまり、お金は稼げるけど自分がやりたいと思っていないことや、誰かに勧められたからやるのはNG。仕事をする場所が自分が落ち着かない都心な場合はNG。山な中など自分が落ち着く場所であること。
そして、自分がやりたいことで、落ち着く場所でできるけど、家族や子供をないがしろにしたり、自分がそれをやることで、家族や子供が幸せを感じられない、または、家族や子供に幸せを与えられない場合はNG。
家族や子供が幸せになったとしても、世の中に幸せや楽しいを増やす方向に向かわない仕事はNGとなります。
2つ目は、得意なこと(才能)の見つけ方についてです。
「才能」という言葉を聞くと、僕/私には才能なんてない。飛びぬけてできることなんてない。他の人たちと変わらない人間だ、、という人がいます。
ですが、それは、ドラマやニュース、アニメ、マンガなどで「才能」の意味を勘違いしている場合がほとんどです。
才能とは他の人が絶対に真似できない地球上で自分しかできないことや、大会で1位を獲ったりオリンピックに出れることではありません。
才能とは誰もが持っているものです。そして、自分では当たり前のように楽にできてしまうことです。
「そんなのできて当たり前でしょ」「そう?簡単じゃん」と思っていることが才能なのです。だからこそ気づきづらいものです。
才能に関するよくある勘違いが3つあります。
1つ目は、自分がこうありたいと思うことを才能だと考えてしまうことです。
例えば、自分芝居に出る人が、「演技が上手だとみられたい」という思いを持っている時に、そのお芝居を観た人に、「足が長くてキレイだね~」という感想をいわれた場合、「そんなことより、私の演技はどうなのよ!?才能ある?」と思ってしまうことがあります。
ですが、この人の才能は「足が長くてキレイ」というところです。足が短い人やスタイルの悪い人からすれば、足が長くてキレイというのは、とても素晴らしい才能です。
当たり前のように持っていて、ずっとあったからこそ、その才能に気づけていない、それどころか、その才能をないがしろにしてしまう人は意外に多いです。
2つ目のよくある勘違いは、才能とスキルがごっちゃになってしまうことです。才能は、当たり前のように楽にできることに対し、スキルとは努力や積み重ねなどで後天的に身に付けるものです。
TOIEC900点、税理士の資格、高度なプログラミングが組める、学校の成績が1位だった、大会での優勝経験などは、才能ではなくスキルです。
才能は、大して苦しいとも思わない練習で大会で優勝できた。TOIEC900点をとるために、地道な努力を何年間も積み重ねることができた。という部分です。
3つ目のよくある勘違いは、好きを才能と勘違いしたり、嫌いを才能ではないと勘違いすることです。
才能とは「当たり前のように楽にできること」であって、本人が好きか嫌いかとは関係ありません。
例えば、自分は人前で喋るのが嫌いだという人が、人前で喋ると誰もがその話に聞き入って、そして、周りが「話すの上手ですね!」と言ってくる場合、人前で喋ることはその人の才能の一つです。
逆に、英語が好きで好きでしょうがないけど、10年間やっても一向に喋れるようにならない。という人は英語の才能がありません。残念ですが、、
次の5つのステップを踏むことで、自分の才能を明確に言語化することができます。
そして、その5つをまとめたものが、自分の取り扱い説明書になります。
1つ目の質問は、「一番充実していた体験はなんですか?」です。
成功したことや達成したことではありません、自分が充実していたな~と感じたことです。それを書き出します。
複数あっても構いません。一度書き出してから、一番充実していたものを決めます。
参考までに例をあげると次のようになります。
両者を比較すると、高校時代の部活の経験の方が充実しています。それは、その過程で一緒に練習したり励まし合う友達がいたからという理由です。
このように、複数書き出して、理由を考えて一番充実していたものを選ぶと、なぜ充実していたのか?がより明確になります。
2つ目の質問は、「最近イラっとしたのはいつですか?」です。
参考までに例をあげると次のようになります。
自分がこうありたいと思うことを才能だと思いこみ、勘違いしてしまう人が多くいます。
才能のとは、他の人にとっては大変なことでも、自分では当たり前のように楽にできてしまうことです。
それを知る一番正しく、正確な方法は周りの人に聞いてみることです。
もしかすると、自分が考えもしなかったことを周りの人は才能として挙げるかもしれません。
参考までに例をあげると次のようになります。
自分では英語、日曜大工からプログラミングまでオールマイティにこなせることや、HP制作やサイトの構成を考える力かなと思っていたので少し驚きました。
ちなみに、「空気が読めない」「自分に厳しいぶん、他人にも厳しい」という指摘もいただきました。長所と短所は表裏一体です。
仮に、現在の仕事を今やめたとして、もっとやっておきたかったことは何ですかという質問です。
もしくは、過去にやっていた仕事で、もっとやってみたかったなーと思うことです。
仮に、今の仕事を今日辞めなければいけなくなったとしたら、社内専用サービスを構築の裏側をもっと経験しておきたかったなと思います。具体的には、
裏側のシステムを地道に紐解いていき、カスタマイズして再構築することです。
そのスキルを使って田舎の企業や人々の暮らしの改善に貢献できたり、若い子に希望を与えることができれば、それは大きなやりがいになります。
これまでの人生を振り返って成果がでたことはなんでしょうか?「あれは成果でたな~~」と思うことです。
そして、どんなことをしたか?なぜ効果がでたのか?ということも併せて書き出します。
自分ではそんなの当たり前でしょ?これだけやったんだから。と思うかもしれませんが、実はそれが他の人には難しいことで、自分の才能を知る大きな手掛かりになります。
レギュラーになりたい!英語を使って海外で仕事がしたい!WEBサイトを自分で作りたい!プログラミングが自分でできるようになりたい!と思って、その目標に向かって努力してきて、1~数年越しで成果が出る。
努力している間は、劣等感や、できなくて悔しく苦しい思いをしているが、日々コツコツと積み重ねていると最終的に成果がついてくる。
自分の才能は目標を定めて、他のことにわき目もふらず、日々コツコツと続けていくこと。悔しくてもそこで辞めない。むしろその悔しさや、自分に足りていないという気持ちが大きなモチベーションになる。
ここまでの5つの質問の回答が、自分の才能です。そして、その才能をまとめたものが自分の取り扱い説明書になります。
自分の取り扱い説明書が自分の判断の基準となります。
これがあれば、転職やお誘いがあったときに、自分にはこれが向いている・向いていないがはっきりわかるので、迷うことがなくなります。
ここで重要なのは、(1)自分が向いていることと、(2)自分が向いていないことの2つを明確にしておくことです。
まとめると、自分で調査・計画を立て、そこに向かって改善を積み重ねながら地道に努力を重ねることが得意です。
任されれば、自分で調査を重ね、最善を求めて努力・改善を重ねます。明確な目標を持った、苦労・悔しい・きつい・しんどいはモチベーションにつながります。
少人数で責任の所在や、やるべきことが明確に分担され、実行すれば成果が出やすい環境に向いています。
個人ではなくチーム戦で、かつ、プロダクトの提供先がローカルや個人であるほどモチベーションが上がります。
ビジネス的な成果が出るよりも、自分が努力して作り上げたプロダクトでクライアントがすごく喜んでくれる、という方がモチベーションにつながります。
なので、誰のために何をつくるかがとても大切です。
やりすぎてしまう傾向があるので、休憩や休むことにも自由裁量があり、ヤバいと感じてるときに休める空気である必要があります。期限があれば、そこに合わせて自分で調整します。1時間単位でスケジュールが全て決まっているといった環境には向いていません。
型にはめられて、誰かが決めたことを、なぜそれをやる必要があるのか?の理由もなく一作業者として動かなければいけないような組織・環境・プロジェクトに参画させてはいけません。
また、現状に満足している人たちや、不安・不満を言う人たちがいる環境に入れてはいけません。ストレスが爆発します。
自分の意見が通りずらく、行動するまでに複数人の承認を得なければいけない大きな組織・大企業などには向いていません。
企業存続やビジネスの目的がお金のみにフォーカスしている環境には向いていません。モチベーションが上がりません。
好きなこと・やりたいことだけを考えて、自分の価値観や才能に合わないことをしていては、上手くいきません。
自分のやりたいことを考えるのは、自分の価値観や才能(得意なこと)を明確にしてからです。
そうしないと、やっていて何か違う、自分には合わない、モチベーションが上がらない、楽しくない、転職したいという気持ちになってしまいます。
その気持ちを無視し続ければ、気分が落ち込み鬱になってしまうリスクもあります。
例えば、自分が田舎や地方が好きで、機械いじりが好きだから、大手企業で地方向けの農業製品を扱う会社に入って商品検証などの仕事をするという仕事を選んだ場合、
自由裁量でスピーディーに動くということはできません。自分の意見も中々とおりません。製品自体は田舎の人向けでも、社内の評価システムは「誰が喜んだか」、ではなく「上の人にどれだけうまく取り入れたか」という政治的要素が強くなってしまいます。
大企業で給料もいいので、変化を好まず、現状維持を望む人も多くいます。そのような環境では、自分の才能をフルに発揮することはできません。
自分の努力や行動で、具体的に誰かがとても喜んでくれるといった経験もできないので、モチベーションも上がりません。
そこは決して自分が輝ける環境ではないのです。
そういった間違いを犯さないために、自分の価値観と才能を明確にしておくことはとても重要なのです。
自分の価値観や才能を理解したら、ようやく、好きなことややりたいことを考える段階です。
ここで1つ注意しておかなければいけないことがあります。
これをやっておけば儲かる、将来食いはぐれることがない、いつか役に立つ、社会で需要があるという、合理性など頭で考えたものは外します。
むしろ、ここで見つけるのは、「合理的でも生産的でもないのに好きだ」ということです。それこそが、人の本当の情熱です。
他の人から、「なんでそんなに突き進めるんだ」「そんなことはやめておいた方がいい」「合理的じゃない」「生産的じゃない」そんな言葉を言われる。でもやりたい!と思えること。それが情熱です。
他人から、上記のような言葉を言われたら、それは自分しか持たない情熱ということです。チャンスだと思ってください。
特に、「これを言ったら非難される」、「きっと理解してもらえないから、人に言うのが恥ずかしい」、「理解されないから、言ったところで無駄」と思っていることこそがあなたしか持たない情熱です。
きっとどんな人にも、そんな感情があるはずです。
例えば、
それを誰かに話したときに、「寒いところなんて嫌だ」「大勢の人がいて賑やかな方がいい」「便利な街の方がいい」「人気がないのは寂しい」って言うだろうなと思ったり、
あるいは、実際に話したときに「え~、そうー」とか怪訝な顔をされたとかです。
それこそが、他の人が持っていない、あなただけの情熱です。
役に立つことではなく自分の興味のあることと言われても、自分が何に興味があるのかがよくわからない。。
興味があるから好きなのか、役に立つから好きなのかがよくわからない。。
という人もいるかと思います。そういう人も次の5つの質問に答えていけば、自然と自分が興味があり好きなことを見つけることができます。
仕事や役に立つからやるというのではなく、お金を払ってでも身に付けておきたい、あるいは学んでみたいと思うことは何かを挙げてみてください。
これをすることで、自分が今情熱を持っているものが何かわかります。
お金以外でも、自分の大半の時間をかけてやってみたいことでも構いません。
例えば、次のようなものです。
自分の本棚に並んでいる本は、自分が興味を持っているから買ったものの集まりです。
本棚の本を見渡すことで、自分が何に興味を持ち、無意識の中で、購入という行動に移しているかがわかります。
読んだ読んでいないは関係ありません。また、実際の本以外にも、電子書籍やAudibleなども併せてみてみてください。
例えば、以下のようになります。
それぞれのジャンルから心情を推測すると、自分のやりたい道に突き進んでも生きていけるのかが不安で、その道に進むための、自分自身の説得材料を探しているということがわかります。
また、現在できていなかったり、苦手意識が強い、時間を生み出す技術や対人スキルの習得に興味があることがわかります。
これまで生きてきて、「あの経験・あの一言で本当に救われたな~」とか、「本のこのジャンルで救われたな~」と思えるものが何かを挙げてみます。
一つでなくても複数でもいいです。自分が涙を流すぐらい感動して、そして行動につながった経験を書き出します。
例えば、
転職や未来への不安があり自分の好きなことができていないときに、背中を押してくれる本やメディアには感謝の念がとてもあります。
社会的地位よりも優先すべきことがある。見通せる未来があり、そこに向かって希望を抱き努力を積み重ねることが可能である。
現在を捨てて、自分のやりたいことを優先しても人生はダメになんかならない。むしろ、自分のやりたい道に進まない時間が勿体ないと諭してくれるメディアには、本当に勇気をもらいました。
また、お金のことや、人間関係の考え方や接し方、男女の違いを教えてくれる本など、生きていくうえでとても重要で深刻なのに学校では一切教えてくれないことを説いてくれる本から学んだことはとても大きいです。
自分が最もお礼を言いたい人は誰でしょうか?お礼を言いたい仕事はなんでしょうか?そしてその理由はなんでしょうか?
例えば、
怒りと聞くとネガティブな印象ですが、怒るエネルギーが湧いてくるというのは、あなたがそこに情熱を持っているからともいえます。
そこに情熱や興味が一切なければ、なにかが起こってても目を背けるか、気にもとめないのが普通です。
あまりにも固定観念や押しつけが強い。
というように、決めつけて押し付けてくる人がとても多いと感じる。
「~やりたい!」と言ったときに、「おおいいじゃん、大変かもしれないけど頑張って!」となぜ言えないのか?
なぜ、「え、そんなの大変だよ。やめておいた方がいいよ」「今のままの方が安泰でお金ももらえるよ」「今はまだそんなときじゃない」「もったいない。やめておいた方がいい」など、やる気をそぐ言葉ばかりを言う人が多いのか。
何かをやりたい!やってみたい!という人の背中を押しあう社会の方が絶対にいいと思う。
世界でに行動心理や人間心理、子供の心理などの研究がどんどん進んで、本当にいいことが解明され公表されているのに、未だに「~が常識」という古臭い考えに固執して押し付けてくる人がいることもとてもイライラする。
人の考え方は様々で「~しなきゃいけない」ということは存在しないのに、未だに「~しなきゃいけない」と言って、多様性や柔軟性を許容できず、固執した考えを押し付けてくる人が多いことにもうんざりする。など。
最後に5つの質問の答えから、自分の情熱がどこに向いているかをまとめます。
まずは、これまでに調べてきた、「価値観」「才能」「情熱」のうち、
「情熱」と「才能」の2つを掛け合わせて、やりたいことの候補をできる限りたくさん書き出します。
まずは、自分の「情熱」と「才能」のまとめを並べて見比べます。
この2つから自分が好きで、才能ともマッチしていると思えることを挙げていきます。
「情熱」x「価値観」でやりたいことをリストアップしたら、次に「仕事の目的(価値観)」でその項目を絞ります。
なお、ここでの絞り込みというのは、リストアップしたものを削るだけではなく、新しく追加の条件を付け足すことでもあります。
これに対して、仕事の目的を見ながら、中身を考えなおします。
絞り込むや再考すると次のようになります。
この条件が自分のやりたいことになります。
そして、例えばマイナビに掲載されている企業数約7500社に対して、ここで導き出した条件を当てはめれば、その数はぐっと狭まります。
もしかすると、その7500社の中にはないかもしれません。そうしたら、他の情報誌や実際に足を運んで自分で見つけ出すこともできます。
もしかしたら、この世には自分の夢が実現できるところが現時点ではなく、自分で作り始めるという道が開けるかもしれません。
いかがでしたでしょうか?(例が長々としていてうっとおしかったらすみません。そこは無視してください)
自分の才能や自分の情熱(好きなこと)を知り、そこから自分がやりたくて得意なことをリストアップし、それを、自分の価値観から導きだ出した仕事の目的でフィルタリングすることで、自分に限りになくフィットする条件を導き出すことができたのではないでしょうか?
自分の基準ができれば、たくさんの企業のリストを見て何を選んでいいのかわからず悩んだり、焦ったりすることが無くなります。
選択肢をかなり絞り込むことができます。
少し長いプロセスではありますが、1日(長くても2日)もあればできることです。これからの自分の人生の何年間を捧げ、人生の充実度や幸せに直結してくることなので、やって損することは決してありません。(むしろ、やらなければその日数分だけ損し続けます)
あなたが自分の基準を明確にして、充実した人生にへの一歩を踏み出せることを心より願っています。