嫌なことや心配ごと、悪いことがあれば人がストレスを感じるのは当然です。ですが、よく見落とされがちな危険なストレスに「いい変化」があります。
「いい変化」が体に与えているストレスに気づかなかったり、それを無視して、無理を続けていると、ストレスが許容量をオーバーして、心の糸がプツンと切れて精神的に不安定になったり、うつ病になったり、最悪の場合は死を選んでしまうといった事態につながります。
ここでは「いい変化」とは何か?どういったことに気を付けるべきかを解説しています。
初めに、そもそもいい変化とはどういったものがあるのかを見ていきます。
例えば、会社で昇進して新しい部署に配属された。念願の彼氏・彼女ができた。結婚した。子供が生まれた。マイホームを購入した。念願の土地に引っ越した、、、などがあります。
これらの変化は喜ばしく気分が浮き立つものでもあります。人生がより一層楽しくなり、もっともっとこの喜びを大きくしたいと思うかもしれません。
一方で、悪い変化には次のようなものがあります。
これらの失敗をする、怒られる、業績が低迷しているといった悪い変化によってストレスがあるとき、人は自分にストレスがかかっていることに気づきやすいので、ストレスを発散する対処をとりやすいです。
悪い変化とは対照的に、いい変化は体にストレスがかかっていることに気づきにくいという側面があります。
特に、成功して波にのっているときや、今までやりたかったことができるようになったときは、嬉しさのあまり無理を続けてしまい、自分にストレスがかかっていることに気づきにくいです。
気づきにくさの原因になっているのは、いい変化は心と体にとって良いことで危険性はないという思い込みや勘違いです。
もちろんストレスは適度であれば人生に張りをもたらすといったいい側面もあります。特にいいストレスは人生を明るくし、イキイキと楽しくさせてくれるものです。
そして、自分にとって良いことがストレスになるわけがないという思い込みや勘違いから、そのまま無理を続けてしまいます。
そして、最終的に燃え尽きたり、心の糸がプツンと切れてしまうと、精神的に不安定になったり、うつ病になったり、最悪の場合は死を選んでしまうことさえもあります。
このため実社会の中でも、イケイケどんどんとやっていた人がいつの間にか体調を崩し仕事から離れるといったことが頻繁に発生しているわけです。
仕事やライフイベントの変化で、いい業績を収めた、転職に成功した、住みたかった場所に引っ越した、結婚した、子供が生まれたといういい変化の場合には、周りが「おめでとう!」「すごいね!」「やったね!」と称賛してくれます。
しかし、そのような場合にも称賛されている人には変化によるストレスが溜まっています。
そういった成功や達成といういい変化を手にした人は、そこに至るまでに努力を重ね、無理をしてきていることがほとんどです。このため、周りから称賛されている状態では心と体に許容量ギリギリの負荷が溜まっている場合がほとんどです。
ですが、自分にとっていいことがストレスになるわけがない という思い込みや勘違いから、無理を続けてしまい、最終的に、燃え尽きたり、心の糸がプツンと切れてしまいます。
なので、転職に成功してみんなから「おめでとうすごいね!羨ましい!」と言われているときに、更に変化を重ねて結婚をし「おめでとうすごいね!羨ましい!」と言われる。そして更に、子供が生まれて「おめでとうすごいね!羨ましい!」と言われる、、、
このように、いい変化を積み重ねていくことは危険であるということを理解しておく必要があります。
ストレスの正体は負荷です。そして、変化はいい悪いに関わらず負荷となります。そして、頑張りすぎることも負荷になります。
悪い変化に、悪い変化を重なねていくのは、当然体に大きな負担をかけます。
悪い変化といい変化を組み合わせていくことも負荷をかけます。いい変化は決して、悪い変化によるストレスを相殺するものではありません。
そして、いい変化にいい変化を重ねていくことも負荷になります。
変化 = ストレス
この公式が大切です。変化しているときにもっと頑張らなくてはと更に大きな変化を重ねないように注意しましょう。
悪い変化もいい変化も負荷になるなら、もう何もできない、、と思われた方もいるかもしれません。
ですが、ストレス(負荷)自体は悪いものではありません。適度なストレスは健康にもいいです。人を成長させるものでもあります。ストレスがあるからこそ人それを発散したときの変化から幸せを感じることもできます。
悪いのはストレス(負荷)が溜まりすぎて、体や心の許容量を超えてしまうことです。
大切なのはストレスがたまったら発散したり、体を休めてストレスを取り除くことです。
いい変化があった時に「今がチャンスだから〇〇しなければ」「この波にのってるときに〇〇しておかなきゃ」「ここで手を抜いたらまたもとに戻ってしまう」「評価が下がってしまうのは嫌だ」といった感情を抱いてしまう人がほとんどです。
しかし、それは自分に無理をさせ、心と体を崩壊させる危険な道です。
いい変化によるメリット以上に大きな損失を出してしまわないために、いい変化への対処法は知っておく必要があります。
いい変化への対処は次の2つです。
まずは、いい変化が負荷になり、無理を続けると体と心が壊れることを知ることが大切です。これを理解しておかないと、休むことができません。
休んでいたとしても、「この休んでいる時間がもったいない」「今がチャンスだからもっともっとやっておきたい」という気持ちでウズウズしてしまい、質の高い回復を得ることができません。
いい変化も負荷になることが理解できたら、体が疲れたというサインを出してきたときにペースを落とし休むようにします。
こうすることで、心や体が壊れることを避けられます。そして、しっかりと回復した体でいい変化に直面できるため、よりいい成果や成長につなげることができます。
いい変化と同じぐらい軽視されがちなものに、「疲れ」があります。
疲れ = 悪 のように考え、疲れを軽視したり、疲れている人を見下したりする人もいるぐらいです。
ですが、人が感じる「疲れた」「眠い」「だるい」という感情はストレスが溜まりすぎているサインです。身体が「ストレスが溜まりすぎてる!このままいくと心と体が壊れる!ヤバいから止まって!」と大声で叫んでいる状態です。
疲れてるのはうそ、眠いのはうそ、気合でなんとかなる、というのがうそです。自分の体にそう言い聞かせて無理を重ねた結果、人は壊れていきます。
そもそも、「疲れ」自体は悪いものではありません。身体に負荷がかかりすぎていることを教えてくれて、深い眠りや回復に導いてくれているものです。
身近に、危険なことがあったらすぐに教えてくれて、体を回復させてくれる人がいたらとてもありがたいですよね。それが「疲れ」でもあるのです。
人は成長するので、「疲れる」→「休んで回復する」→「疲れる」→「休んで回復する」を繰り返していくうちに、一番最初に疲れを感じた負荷程度では、疲れなくなっていきます。
もし、疲れのサインを無視して、休まずに負荷をかけ続ければ、体は回復し成長することができず、体はどんどんと弱っていってしまいます。
人が活力に溢れ、成長し、幸せを感じるために、「ストレス(負荷)」と「疲れ」はどちらも欠かせないものです。
人生の中で「ストレスをかける」→「疲れる」→「休む」→「回復する」のループをひたすら繰り返していくことがとても大切です。
どれか一つの要素が欠けたり、順番が変わってもダメなのです。
変化によるストレスには「いい」も「悪い」ありません。いい変化も悪い変化に負けず劣らず体にストレスを与えます。
そしてストレスが溜まりすぎ許容量を超えたら人の心や体は壊れます。ですが、適度なストレスは健康を保ち、成長し続け、幸せを感じるために必要なものでもあります。
大切なのはストレスが溜まったら、発散し、休み、体を回復させることです。
しっかりと回復して、体が気力で満ち溢れている状態で行動を積み重ねていけば、今以上にもっともっとよりよい変化がたくさん訪れます。しかも、体や心が壊れることなく。
「ストレス」「疲れ」は決して悪ではありません。あなたが、あなたの体が発するサインをうまく活用して、よりよい人生を歩んでいけることを心より願っています。