マネージャーの評価はマネージャー個人の力量や能力で評価されるべきではありません。
なぜなら、マネージャーはチームを率いる人で、チームのパフォーマンスを最大化するために存在しているからです。
このため、マネージャーの存在意義を評価するには、マネージャー個人ではなく、マネージャーが率いているチームのパフォーマンス=マネージャーの評価であるべきです。
どれだけ頑張っていてもチームメンバーがやる気がなかったり、業績が上がらないのであればマネージャーの評価が高いということがあってはいけません。
プロのサッカーチームで、コーチがメンバーに対してどんなに必死で野球を教えても、大事なサッカーの試合で勝てなければ意味がないのです。
マネージャーは自分のチームだけの評価を気にしていればいいというわけではありません。チームの存在意義は会社のミッションやKPI、OKRといった目標を達成するためです。
このため、自分のチームだけ業績がよければそれでいいと考えている、視点の低いマネージャーの業績は下がるような評価システムにすべきです。
「会社のために自分のチームがいて、自分のチームが頑張ることで会社のミッションの遂行度合いや業績が上がる。だから、チームのパフォーマンスを上げる」と考え行動できているマネージャーが評価される仕組みでなければいけません。
マネージャーの仕事はチームのパフォーマンスを最大化することです。
そのためには、今自分やチームがやっている余計な仕事や労力を使う仕事を、どんどん仕組み化したり、簡単にしていくことが必要です。
すなわち、今やっている仕事をなくしていくことこそが、マネージャーの仕事です。
そして浮いたエネルギーをもっと価値ある業務につぎ込ん、より高いパフォーマンスを発揮することがマネージャーの役割です。
そのためには、マネージャーが仕事を抱え込むのではなく、どんどん仕事を外に出していくことが重要です。
チームとしてパフォーマンスを発揮するために重要なことは、チームメンバーの間のコミュニケーションを活発にすることです。
お互いが思ったことを直ぐに発言でき、一緒になって考えたり、助けてくれる人がいて、弱音や本音を打ち明けられる。そういったチームが心理的に安全で、深い絆で結ばれた本当に強いチームです。
そのためには、報連相は多すぎるぐらいがちょうどいいのです。
ただし「連絡しろ」「話せ」「なんで言わないんだ」と強制したり命令することではありません。メンバーが自ら自発的に発言するようになることが重要です。
そのためには、メンバーが自発的に発言したり、自分の意見や考えを誰かに伝える仕組みをチームの中に導入することが重要です。
報連相を多くしようとするのではなく、たくさんの仕組みを導入している結果、勝手に報連相が多くなってしまう関係が理想的です。
この仕組みを構築するのがマネージャーや社長など会社を率いる人たちの仕事です。
この記事の内容はモルガン・スタンレーやGoogleで人材育成や組織開発を率い、自身も起業家であるピョートル・フェリクス・グジバチさんの著書『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』の一部要約に個人的な見解を加えたものです。
本書は現代の組織に求めれているものは何か?それを得るためにはどうすればいいかが具体的かつ論理的に記されています。
使われている用語は専門用語ではなく、誰にでもわかりやすいものになっていて、例も豊富に乗っている非常に実践的な良書です。
会社を率いている人や部署を率いている人、あるいはマネージャーを目指している人の必読書といえます。
この記事に興味を持たれた方は実際に本書を手に取ってみることをお勧めします。