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認知バイアスとは何か?人は思い込みを完全に無くすことはできない

認知バイアスとは何か?

認知バイアスとは、人が直感的な判断に基づいて間違った、あるいは非合理的な思い込みをしてしまうことです。

バイアスとは歪みや偏りのことです。ある一つのものに対して、主観と客観など2つの間に差が生じるようなときに使います。

「認知」とは外の世界を認識することなので、認知バイアスとは、実際に起こっていることとは偏った思い込みをしてしまうという意味です。


様々な認知バイアス

認知バイアスは社会経済学の分野を生み出したノーベル経済学賞受賞者のエイモス・トベルスキーとダニエル・カーネマンらの発見がベースになっています。

認知バイアスは、何かのトリガーがあると、脳が思考をショートカットして無意識のうちにそういうものだと思い込んでしまうものです。いわるゆ、直感的な本能です。

認知バイアスには様々なものがあります。一例は次のようなものです。

  • 確証バイアス:自分が考えていることを証明する証拠ばかりを集め、それ以外を無視する。
  • アンカリング:無意識のうちに意識したことが基準となり、その後の評価を決めてしまう。
  • ハロー効果:相手の印象で、他の物事も判断してしまう。(見た目が良い人は、仕事も人付き合いも上手くいっているなど)


思い込みも認知バイアス

「~しなければいけない」「~だ」といった思い込みも認知バイアスです。

なぜなら、この世には明確な答えなどなく、「~しなければいけない」というものは存在しないためです。

「~しなければいけない」と言った場合、本来は日本の法律だけ(他の国は違う)、家庭のルール(他の過程は違う)、会社の規則(他の会社は違う)といったように、限定された環境だけで用いられているにもかかわらず、それが全ての真実と勘違いしている状態です。

しかも、それらは所詮人が決めたことで、誰か偉い人が「違う」と言い出して制度を変えれば、簡単に書き換わるものです。


認知バイアスを増幅する会話

認知バイアスを持っている人が集まると、その認知バイアスが増幅されて強まることが頻繁に発生します。

Aさん「この会社の将来性ほんとないよな」
Bさん「ホントどうしようもないよね。上が終わってるし」
Aさん「かといって俺らには転職する才能も実績もないしな、、」
Bさん「そうだね。この会社で我慢してやっていく以外に方法がないよね」
Aさん、Bさん「はぁ~」

この会話にある認知バイアスは「会社に将来性がない」「上が終わっている」「転職はムリ」「我慢するしかない」というものです。

「会社に将来性がない」「上が終わっている」というのはAさんとBさんがそう思っているだけで、実は上は上で色々考えていて、飛躍的な成長を遂げるための大改革を行っているかもしれません。

「転職はムリ」「我慢するしかない」も完全な思い込みです。この世の中には仕事が溢れています。仕事以外にも生きていく道はあります。にも関わらず「それしかない」という思い込みを二人で増幅しあっています。


コーチングとは認知バイアスから抜け出す手助け

認知バイアスのワナにハマっている人たちは、自分たちの脳内環境をどんどんと悪化させて、自ら袋小路に入り込んでいきます

これが行き過ぎると、絶望し精神を病んだり体調を壊したり、うつ病を発症したり、自殺にまで至ったりします。

認知バイアス、すなわち思い込みは、私たちが思っている以上に危険で、非生産的なものです。

こういった認知バイアスのワナから抜け出すサポートをするのがコーチの役目です。なお、コーチとはその専門職の人のことではありません。友達でも、後輩でも、親でも、兄弟でも誰でもがコーチになりえます。

コーチがすることは、自分が持っている答えを教えることではなく、相手が自ら気づき、行動を決め、実行し学び、成長していくことをサポートすることです。

そのため、目の前にいる相手を次のように捉えている人です。

人はもともと創造力と才知に溢れ、欠けるところがない存在である。

自分で答えを見つけることも、選択することも、行動を起こすこともできるし、計画通りにいかないことも立て直すことができる。なにより、学ぶことができる。

相手がハマっている認知バイアスから抜け出すような「問いかけ」をすることで、自らの中にある本心に気づき、希望や挑戦、勇気といった勇気を奮い起させるのがコーチです。


認知バイアスを完全に除去することはできない

なお、認知バイアスは人の本能によるもので無意識のうちに自然発生するものであるため、完全に除去することは不可能です。

「私は、認知バイアスから完全に解き放たれた」と思っている時点で、認知バイアス(思い込み)にハマっています

大切なことは「人である以上、全ての人が認知バイアスを持っている」ということを理解することです。それはもちろん自分も含めてです。

自分の中に「こうすべきだ」「こうじゃなきゃいけない」「こうあるべきだ」という感情が芽生えたら「認知バイアスのワナにハマっている」「答えは一つじゃない」と理解して、相手の考えを受け入れていくことが大切です。

時には過去に学んできたことや、覚えたことを捨て去りアップデートするアンラーニングも必要です。

yuta