商談の場において話が短くまとまっているというのは非常に重要な要素です。
話がダラダラと長いと、相手は「こいつ話長いな」と感じてしまい、こちらの提案内容への関心度が急激に薄れてしまいます。
ここではそうならないための話を短くまとめる方法や、話を短くすることによるメリットについてまとめています。
「話を短くまとめる」ことによる大きなメリットは、「自分の時間が増える」ということです。
商談の時間が短くなるので、その分他の仕事に回す時間を生み出せます。
ある程度数をこなすことが重要なビジネスの世界において、話を短くまとめられるかどうかは、優秀な成績を残せるかどうかの生命線になります。
例えば、話をコンパクトにまとめて、商談を30分で終わらせる人と、話が長く商談が2時間かかる人では、4時間の中でこなせる商談の数が、8回と、2回で大きく変わります。
つまり、話をコンパクトにまとめられるというのは、優秀な営業成績を残すための必須要素です。
話をコンパクトにすることの2つ目のメリットは、「話が伝わりやすい」ということです。
逆に、話が長い人は、要点を得ず何を言っているかわかりません。
長々と時間をかけて話した結果、相手の頭の中に浮かぶのは「で、結局何が言いたいの?」というものです。
なぜ、短いと話が伝わりやすく、長いと伝わりにくいかは、「3000文字で伝えるのと5文字で伝えるの、どちらが頭に残りますか?」という話です。
つまり、情報量が多いと記憶に残りづらいです。
逆に、情報量が少なければ少ないほど、記憶に残りやすくなります。
これは、会話だけでなく文章も同じです。
3つ目のメリットは、相手との距離が縮まるということです。
話がコンパクトな場合、相手との会話のキャッチボールの数は増えます。
結果として、相手とよりコミュニケーションしながら話を進めていくことができます。
話をコンパクトにまとめるための基礎の基礎は「結論から話す」ことです。
「値段はいくらですか?」といった質問を受けたときに、
「うちの商品は〇〇と△△で、それぞれ~といった特徴があり、金額は□□円です」
と、理由を説明してから結論を答えるのは、話が長くなる悪い状態です。
「御社の強みは何ですか?」といった質問をうけたときに、
「弊社は〇〇をやっていて、こういう特徴がありまして、なので強みは□□です」と答えるのもNGです。
「値段はいくらですか?」といった質問を受けたときに、「今回のこの商品は、この金額です」と端的に結論から先に答えるのが、話をコンパクトにまとめるために必須です。
まずはお客様が一番知りたいことに答える。理由の説明はその後からで全く問題ありません。
「御社の強みは何ですか?」といった質問をうけたときに、
「弊社の強みは一言で言うと〇〇です」と結論を話すと話をコンパクトにすることができます。
話をコンパクトにするときに、文章を細かく区切っていくことも非常に重要です。
どういうことかといえば、「。」をたくさんつけるということです。
例えば、会社の説明をするときに
「私たちの会社は、いついつ企業しました、そこから〇〇といった事業を始め、その後に△△をして、その間に□□といったできごとがあったんですが、最終的には今に至っています」
これは、一文の中に「、」がたくさんあり、文節が何個も続いているので非常に冗長で悪い例です。
良い例は次のように一文一文を区切ることです。
「私たちの会社はいついつ起業しました。」
「そこから〇〇といった事業を始めました。」
「その後に△△をという事業をしました」
「ちなみに、その間には□□といったできごとがありました。」
「最終的は今に至っています」
このように、文章を区切ることで、一人で一方的に話すのではなく、相手とのやりとりが生まれます。
箇条書きを使うことも話をコンパクトにする素晴らしい手段です。
文章はもちろん、商談などの会話でも使うことができます。
例えば、「御社の強みはなんですか?」と聞かれたときに、「弊社の強みは〇〇です。なぜなら、大きく3つの理由があります。①~、②~、③~」と話すといったものです。
話をコンパクトにする上で大事な心得の一つに「最後の言葉はしっかりと言い切る」があります。
ダラダラと続けたり、ボソボソっと話が終わったのか、終わってないのかよくわからない状態にしてはいけません。
語尾を意識して、「~です。」「~します。」と完全に文章の終わりを言い切ることで、話がコンパクトになります。
話が上手いというと、「ペラペラ」と一人漫談のようにずっと話せる人を想像しがちですが、相手とコミュニケーションをとりながら話を進めていく、一般的な会話や提案、商談の場においてそれは一切当てはまりません。
話が上手い人の共通点は「聞き上手」であることです。
聞き上手とはどういうことかというと、「自分:3、相手:7」ぐらいで話すということです。
人は自分が話しているときは「話長いなー」と思いません。
誰かの話を聞いているときに「この人話長いなー」と思います。
仮に現在の話の割合が、「自分7:相手3」や「自分6:相手4」であれば、それはあなたの話が長く、相手は「この人話長いな」と感じているということです。
体感として話を短くする重要なポイントがあります。それは「笑い」です。
同じ10分や1時間でも、その場の雰囲気や内容によって人が感じる長さは変わります。
例えば、1時間の授業はとても長く感じますが、好きな人との1時間はあっという間です。
「笑い」もこれと同じ現象を生み出すことができます。
「笑い」のある商談は、笑いの無い商談にくらべて、体感時間がグッと短くなります。また、心の距離もグッと近くなります。
「笑い」を生み出すこともそうですが、商談に限らず人と話すときに重要なポイントは、相手との「会話を楽しむ」ことです。
話をコンパクトにする上で注意しなければいけないことがあります。
それは、話の中身が薄くなってしまったり、相手の興味関心を満たせないことです。
話を短くコンパクトにする目的は「相手にわかりやすく伝える」「コミュニケーションの量を増やし仲良くなる」ためです。
そのために、情報量をグッと減らして、コンパクトに伝えるのです。
あくまで、コンパクトに話すことが目的ではないということは注意が必要です。