仕事から帰ってきた夫、仕事モードから家庭モードに気持ちを切り替えて、妻とちゃんと会話をしようと思って、相手を思った言葉を発したのに、なぜか妻の怒りが爆発して小言を言われるという経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか?
男性が帰宅後に悪気無く何の気なしに口にすれば、100%妻がブチ切れる言葉があります。
それは「今日は何してたの?」「君は子供と一緒に過ごせて羨ましいよ」です。
「なぜその言葉が悪いの?」と疑問に感じる男性も少なくないでしょう。ここではなぜその二つの言葉が、それほどまでに妻の怒りを爆発させるのかについて解説しています。
第一に男性が知らなければいけないことは「子育てと家事は男の想像を超えて忙しい」ということです。
未だに世の中の男性の中には「家事や育児より仕事の方が大変」と考えている人がいます。ですが、決してそんなことはありません。
昨今では育休をとって子供の世話をする男性も増えてきましたが、必ず到達する結論は「家事と育児に比べたら、仕事は全然楽」というものです。
ここが理解できないと、なぜ「今日は何してたの?」「君は子供と一緒に過ごせて羨ましいよ」で妻がキレるのかを理解することはできません。
職場はある程度コミュニケーションができる人が揃い、言ったことはある程度言ったとおりに遂行されます。予想外の出来事がたまには起こりますが、それほど頻繁ではありません。
自分のタイミングでトイレに行ったり、休憩することができます。残業時間などもある程度コントロールできます。
子育てはそうは行きません。すべて子供のペースに合わせる必要があります。自分がこうしたいと思ってもそれ通りに進むことはほぼありません。
仕事に置き換えると、自分がやりたいと思っていることが全然思い通りにできないという状況が一日中続きます。
育児の大変さの中でもとにかく大変なのが「寝不足」です。子供は夜泣きなど、夜に3,4回は起きます。
質が高くいい睡眠の条件はノンレム睡眠の間寝続けること、すなわち8時間まとまって寝ることです。
ところが、子育て中は子供のペースで睡眠が破壊され、寝不足になることを避けられません。
寝不足になればストレスは抜けず、体の疲れも取れず、イライラと疲労が蓄積していきます。
育児だけでも相当に大変なのに、更に家事が加わります。
男性は家事なんて大したことないと思うかもしれませんが、それは男性が意識するレベルの家事です。
女性が男性以上に家事に振り回されるのは、女性の脳は男性とは異なる仕組みなっているためです。
男性が狩りを主体としてきたのに対して、女性は子供を身ごもり、産み、無事に育てることを重視した本能になっています。
具体的には女性の脳は、次のような特徴を持っています。
こういった脳の特性上、男性よりも細かい粒度で家事をこなし、家の中を綺麗かつ安全に保たなければいけないという義務感が発生します。
このため、妻は好むと好まざるとによらず、一日中ありとあらゆる家事に追われることになります。
男性が帰宅後に悪気無く何の気なしに口にすれば、100%妻がブチ切れる言葉の1つ目は「今日は何してたの?」です。
男性からすると、ただ妻の状況を聞いてコミュニケーションを図ろうとしているだけです。「なんでこれがダメなの?」と疑問に思う気持ちもわかります。
ですが、この言葉は、大して意識をせず何の気なしに出てきたもので、妻への配慮が欠けています。
妻は自分が「やらなければいけない」と感じる膨大な家事と、全く思い通りにいかない子育てで、「やらなければいけない」と思っていることができていない状態で夜を迎えます。
そんな状態で「今日は何してたの?」と聞かれると、「お前は家事をろくにできていない」というふうに聞き取ってしまいます。
また「家事と育児でめちゃくちゃ大変なのに、今日は何してたかじゃねーよ。毎日必死に家事と育児をこなしてんんだよ」という感情も沸き起こります。
もし妻の心理が想像しにくい男性がいたら、自分が仕事に行って、汗水や冷や汗を垂らしながらも歯を食いしばって家族のために一生懸命働いて、ボロボロになって帰宅したときに、妻に「今日は何してたの?」と言われた状況を想像してみてください。
きっと「何してたの?じゃねーよ。こっちはお前らのために必死に働いてきたんだよ。ふざけるな」という気持ちが湧いてくるはずです。
妻が感じているのはまさにこの感情です。ブチ切れて当然です。
男性が帰宅後に悪気無く何の気なしに口にすれば、100%妻がブチ切れる言葉の2目は「君は子供と一緒に過ごせて羨ましいよ」です。
この言葉には夫の「子供と一緒に過ごすのは楽しくて喜ばしいこと」という感情が詰まっています。それは、1日の中でほんの数時間しか一緒にいない夫だから思える意見です。
ところが、妻にとって身を削って行っている子育ては、決して楽しいものでも羨ましいものでもありません。
全く思い通りにいかず、泣きわめかれ、寝付かなくて、イライラと疲れがMAXになる仕事です。
言う事を訊けず泣きわめく子供に「もう!どうしたらいいの!」となって精神が錯乱し、泣き出してしまったり、精神を患ってしまう女性も少なくありません。
職場で精神が錯乱して泣き出すまで追いつめられることはほとんどありませんが、子育てではそれが頻繁に発生します。
そんな精神状態の妻に対して「君は子供と一緒に過ごせて羨ましいよ」と言えば、「羨ましいじゃねーよ。そんな生易しいもんじゃない。わからないくせに軽々しく喋るな」という気持ちが噴出します。
もし妻の心理が想像しにくい男性がいたら、自分が仕事に行って、上司や同僚、クライアントがまったくこちらの言う事を聞かず、そればかりか無茶苦茶な要求をしてきて、心を踏みにじられたとします。それでも、家族のためにお金を稼がなければと自分に鞭打って働いて一日を終えて帰宅したときに、妻から「あなたは好きな仕事ができて羨ましいわね」と言われた場合を想像してみてください。
「ふざけんじゃねえ。そんな生易しいものじゃない。軽々しい口を叩くな。いい加減にしろ」と怒りが噴出するはずです。
妻が感じているのはまさにこの感情です。ブチ切れて当然です。
「今日は何してたの?」「君は子供と一緒に過ごせて羨ましいよ」と同様に、妻の傷口をえぐり、ストレスを増大させる言葉があります。
これらはどれも「あなたのやっている家事や育児は大したことない」というニュアンスを含んでいます。
家事や育児をしたことがないか、一日のうちでほんの数時間しか関わらない人の勘違いです。
こういった言葉は、妻に多大なストレスを与えたり、傷つけるだけなので、いい家庭を築きたいと思っているのであれば、二度と口にしないようにしましょう。
仕事から帰宅して「今日は何してたの?」「君は子供と一緒に過ごせて羨ましいよ」と言っただけでブチ切れられるなら、もう妻とコミュニケーションはできない、と諦めたり投げやりになってはいけません。
確実に間違った声掛けがあるように、確実に正しい声掛けもあります。それは「大変な中、ここまでややってくれてありがとう」と言って、妻がやってくれた家事や育児を認め感謝することです。
妻の骨折りの努力に感謝するには、妻が抱えている家事と育児のコンボがいかに大変かということを理解しなければいけません。
「自分の仕事よりも大変なことを、妻はこなしてくれているんだ」と思うことができれば、「大変なのに、本当にありがとう」という言葉が自然と出てくるはずです。