お酒は睡眠を破壊し、老化を促進し、重病にかかるリスクをあげるとても危険な飲み物です。
世界保健機構WHOも「アルコールは健康障害の最大のリスク要因の一つである」と公表しています。
日本人の主な死因は「がん」「脳梗塞」「心筋梗塞」の3つです。アルコールはこの3つすべてに直結するものです。
体を壊し死に至るまでお酒を飲んでしまうのは、お酒の強烈な依存度のせいです。お酒の依存性は違法薬物のモルヒネと同等です。たばこの比ではありません。
このため、お酒は体によくないとわかっていて、やめたいと思っていてもなかなかやめることができない人もたくさんいます。
ここではそういった人たちのために、お酒をやめる具体的な方法について解説しています。
お酒をやめる方法は実はとてもシンプルです。次の3つをやるだけです。
それぞれについてなぜ効果があるかは次の通りです。
ありきたりですがまずは周りの人に対して「お酒をやめる」と宣言することが必要です。
パートナー、家族、親戚、会社の人、友達など一緒に食事をする機会がある人たちに伝えます。
「お酒をやめる」と決意した後に、ついつい飲んでしまう一番の原因は周りの人に誘われて「悪いと思った」や「断り切れなかった」ということです。
「私はお酒をやめる」と宣言しておけば、お酒の誘いを断りやすくなります。これは非常に大きいです。
「お酒をやめます」「医者から止められています」「健康診断の結果お酒はダメになりました」とあらかじめ周りに言っておけば、それを知らない人がお酒を勧めてきても「彼・彼女はお酒が飲めないので」と事情を知っている人が止めやすくなります。
つまり、周りに宣言しておけば協力してくれる仲間が出てきます。
お酒をやめるときに「失敗したら恥ずかしい」といった理由で、周りには言わずに、一人でひっそりと禁酒することはほぼ確実に失敗します。
周りの人はあなたの事情を知らないので悪気無くお酒をすすめてきます。その時に「私はいいです」と言っていると周りとの関係が悪化してしまいます。
「いっから飲みなさい」「今日ぐらいはいいでしょう」と言ってくる人もいます。こういう人たちと同じようなやり取りをするのは大きなストレスです。
人はストレスがある行動は習慣化できず続かない生き物です。
2つ目は記録することです。
記録することは、
です。ウソを書く必要はありません。もし飲んでしまった日があれば正直に書きます。
そして、飲んだことで睡眠の質がどうだったか、翌日の体調がどうだったか、飲まなかった日はどうだったを記録します。
人の性質上、お酒をやめる睡眠の質が上がり、徐々に健康になっていきます。記録をすることは「お酒を飲まなければ体調がよくなるんだ」ということを自分の頭の中に刻み込むためです。
記録することの一番のメリットは「いつから禁酒したかわかる」ことです。
お酒をやめてから一番きついのは最初の2週間です。このため最初の2週間は依存症の離脱期間と呼ばれています。
いつやめたかを記録して、毎日記録をとっていくことはこの2週間の禁酒を大きく助けてくれます。
2週間禁酒できたらとにかく自分を褒めましょう。「よく頑張った!」「本当によくやった!」と自分に言ってあげましょう。
人が何かを習慣化するまでにかかる期間は90日間(3か月)と言われています。
お酒をやめて90日間飲まずにいることができれば、脳は飲まないことを習慣としてインプットします。
90日間日記を書き続けましょう。
3つ目に大事なことはお酒に関する真実を知ることです。私たちはお酒販売メーカーがスポンサーとなって打ち出している広告によってお酒=美味しい、カッコいい、幸せ、楽しいというイメージで洗脳されています。
そのようなイメージを持っている状態でお酒をやめることは困難です。
ですがお酒によるリスクを知ってさえいれば、飲みたいお酒を我慢するのではなく、お酒を飲みたくないという気持ちが芽生えます。
自分自身が心から納得してお酒をやめたいと思っていることはとても重要です。
これらの事実を知っているかどうかで、お酒をやめることに対する意欲は大きく変わります。
補足として「禁酒」と「断酒」の違いに触れておきます。
禁酒とは一人でやめようとする事です。断酒はみんなに頼りながらやめようとする事です。
一人でやる禁酒は高い確率で失敗します。
まわりの人や医療機関、カウンセラーなど多くの人の力を借りてお酒をやめる断酒が重要です。記録も自分だけがこっそり見るのではなく、周りに公表するとより効果的になります。
「周りに言うのが恥ずかしい」「記録を見られるのが恥ずかしい」というお酒をやめようとしていることに恥じらいを感じている人はなかなか成功しません。
お酒を飲んでいる人ではなく、お酒を飲んでいない人が知っておかなければいけないことがあります。
それは、お酒を飲んでいる人に説教をすることです。
やるべきは説教ではなく理解です。
なぜらな、お酒を飲んでいる人はちゃらんぽらんだったり、いい加減な人ではないからです。お酒にハマってしまうのは真面目、いい人、優等生、頑固、完璧主義で非常に大きなストレスを抱えている人たちだからです。
説教をすることは、ストレスを抱えている人を更に追い詰めることと同じです。余計に孤独になって1人でお酒を飲むようになります。
上に立って教えたり、アドバイスするという姿勢ではいけません。
そうではなく、その人がなぜそんなにもストレスを抱えているのかを理解して、お酒に関する知識を優しく共有する。
そして、その人の周りにいる人たちが協力して、お酒をやめられる環境を作っていくことが大切です。
現在の日本人に最も足りていないのは教育です。
お酒のをやめるための行動の3つ目の「知る」と共通しますが、そもそもお酒に関する真実が学校教育や家の中、そしてテレビなどのメディアで十分に行われていないのが現状です。
お酒はとても儲かるビジネスです。飲食店で最も利益率が高いのはお酒だと言われているぐらいです。
そしてそのお酒を売って儲けている企業がスポンサーとなっているのがテレビです。
このため、テレビではお酒がマイナスイメージになるものは放映できません。そして、もちろんお酒のイメージアップのCMばかりがガンガン放映されます。
「お酒が危険だ」と声を大にして言えるのは、飲料メーカーがスポンサーになっていない本やyoutubeなどの動画です。
国家にとってもお酒はとても儲かるビジネスです。お酒が売れれば消費税以外に「酒税」が入ってきます。
つまり、国民がお酒を飲んで、お酒が売れれば売れるほど国家財政は潤います。
例えば、350mlで220円のビールの消費税は22円ですが、酒税は約70円です。国家として消費税の3倍以上の儲けがあります。
このため、お酒が国民の体に悪く多大な健康被害が出ていても、お酒を必要悪として認めているのが現状です。
お酒はもうかるビジネスなので、お酒が危険なものだと周知する教育はまだまだ先になるかもしれません。
このため、大切なのはお酒の危険性を知った大人が子供たちにその真実を伝え、少しでも被害者を減らしていくことです。