お酒は危険だ体に悪いと言われていますが、具体的に健康にどういった被害を及ぼすのか?については知らない人が多いのが現状です。
ここではお酒が体に与える影響について「なぜそうなるのか」という理由を含めて解説しています。
お酒が体に与える重大な影響は主に次の4つがあります。
お酒は睡眠を破壊しますと言われても、「それだけ?」と思う人もいるかもしれません。
ですが、睡眠とは人の体を回復させる唯一の方法でもあります。
睡眠の重要さをわかりやすくするために、スマホの充電を考えてみてください。
もし、あなたが寝る前にスマホを充電器にセットしておいたにも関わらず、朝起きてみたらバッテリーが60%までしか回復していなかったらどうでしょう?
その日一日持たずに充電が切れてしまいます。このスマホおかしい!といってイライラが溜まるのではないでしょうか?
「こんなスマホ要らない!」「交感したい!」と感じるのではないでしょうか?
睡眠が壊されている状態というのは、あなた自身が充電が上手くできないスマホと同じ状態になっています。
夜11時に寝て朝7時に起きたのに、体が60%しか回復していないという状態です。
むしろ、60%回復していたらまだいい方です。お酒を飲む量や時間帯によってはそれ以下になっている可能性もあります。
睡眠の質が下がってしまう原因は大きく2つあります。
お酒を飲んだ後は気持ちよくなって寝れるように感じますが、脳の中ではドーパミンがでて「楽しい!」「気持ちいい!」という興奮状態になっています。
体内でアルコールが分解されたときに出る毒素 アセトアルデヒドが交感神経を刺激するためです。
交感神経が優位な状態で、副交感神経に切り替わったわけではありません。
睡眠の質が下がるのはもちろん、更に悪化して副交感神経が上手く働かなくなれば自律神経失調症になります。
お酒は水分ですが利尿作用があるため、飲んだ以上の水分が体から出て行ってしまいます。
このためお酒を飲むと脱水症状を引き起こしやすくなります。
更にアルコールは体内で分解され有害な毒素アセトアルデヒドになります。アセトアルデヒドは刺激臭でつまる臭いがある悪臭物質です。
アセトアルデヒドの初期症状は顔が赤くなる、吐き気、動悸です。
アセトアルデヒドを分解するには水が必要です。ですが、利尿性により脱水症状になっているとアセトアルデヒドを分解することができません。
その結果、体内に残ったアセトアルデヒドにより頭が痛くなります。これが二日酔いです。
利尿作用、脱水症状でトイレにいきたくなったり、喉が渇いたり、頭が痛くて途中で起きてしまうため、睡眠の質はとても低くなります。
お酒は水分なので太らない・太りにくいと考えている人がいます。ごはんや甘いものを抜いて、お酒を飲めば大丈夫という人もいます。
ですが、お酒を飲むと太ります。なぜならアルコールにもカロリーがあるからです。1本で約1食分のカロリーがあります。(アルコールのカロリーは60gで約430kcalです)。
1日3食ご飯を食べた後に、最後の締めでアルコールを飲めば1日4食食べているのと同じです。
お酒を飲んでいる人は当然飲まない人と比べて太りやすくなります。
お酒は睡眠の質を壊すだけでなく、体の老化や劣化をもたらします。
アセトアルデヒドなどの体内に発生した毒を分解するのは肝臓です。
肝臓でアセトアルデヒドを分解するときに「活性酸素」と呼ばれる種類の酸素が発生します。これはワンパクすぎる元気な酸素で、体内で鉄などの物質と簡単に結びつきます。つまり、体内を酸化させていきます。
また、アセトアルデヒドの量が多ければ分解の負荷は高く、他に傷ついている細胞を修復する余裕がなくなってしまいます。
そして、劣化した細胞すなわち老廃物がどんどんと体の中に溜まっていきます。
これにより細胞が劣化し、老化が進みます。
最新の研究で年をとるとみんな老化していくわけではなく、老化は病気の一つで、防げるものであることが発表されています。
つまり私たちの体には老化を防ぐ機能が元々備わっているのです。体内で老化の原因となる劣化した細胞を修復し、老廃物を外に出す機能です。
その唯一の条件は、体内の修復作業や老廃物の排出を邪魔しないことです。アルコールはこの老化を防ぐための機能を邪魔してしまいます。
アルコールを飲むと睡眠の質が下がり、太っていけば重病にかかります。
アルコールには多量の糖分が含まれています。摂りすぎた糖分は分解されず肝臓や膵臓、筋肉などに溜まり、機能を阻害します。
血液をドロドロにして高血圧、糖尿病となり、心不全や脳梗塞などの死に直結する病気をもたらします。
間接的なダメージ以外にも、アルコールは体を直接傷つけます。
体内で分解されたときにでる毒素アセトアルデヒドが細胞のDNAに傷をつけます。DNAに傷をつけると何がおこるかというと、傷ついたDNAのある細胞ががん細胞に変化します。
肝臓がん、膵臓がん、食道がんなどになりやすくなります。
特に危険な人はお酒に弱いけど、頑張れば飲めてしまう人です。
お酒に弱い人はお酒を飲むとすぐに顔が赤くなります。顔が赤くなるのはアルコールを分解する能力が弱いからです。
そこですぐに飲むのをやめていればガンになるリスクは少ないです。
ですが、頑張れば何とか飲めてしまう人は、アルコールを分解する機能が十分でないにもかかわらず、アルコールをドンドンと体に入れてます。毒素アセトアルデヒドが分解しきれず体内に残ります。
そういう人が最もかかりやすいのが食道がんです。
顔色が変わらない人は、ついお酒をたくさん飲んでしまいがちです。そしてアルコール依存症になっていきます。
アルコール依存症になり、毎日アルコールを飲み続けると、体中のいたるところでDNAが傷ついていくのでどこにがんが発生してもおかしくない状態になります。
アルコールの利尿作用により、夜中に目が覚めてしまうなど睡眠が破壊されます。ですが、アルコールの利尿作用にはそれ以外にも恐ろしいリスクがあります。
人は何でできているかご存じでしょうか?人の半分以上を占めるのが水分です。約60~65%が水分でできています。
水分がなくなると血液がドロドロになっていきます。血管がドロドロになると、心筋梗塞や脳梗塞などの血管や血液に関係する病気のリスクが上がります。
体質がお酒に強い・弱いというのは関係なく、お酒は飲めば飲むほど依存度と耐性が上がっていきます。
薬を摂りすぎると効かなくなってくるのと同じです。
お酒を大量に飲めるようになったというだけで、体内の負荷が軽くなったわけではありません。糖質により脂肪がたまり、アセトアルデヒドを分解するのに精いっぱいになり、睡眠の質が悪く体が回復しないという状態になります。
そして、健康寿命は短くなり、平均寿命よりも短命でこの世を去っていく人がほとんどです。
具体的にどのぐらい寿命が短くなるかというと一般の日本人の平均寿命が84.7歳に対して、アルコール依存症者の平均寿命が52.4歳です。
アルコールを大量に飲んでいる人は30年以上無駄にすることになります。
失う時間は「今いいところなのに邪魔された」「これから~しようと思ってたのに」などのように時間を奪われるこのとの比ではありません。
アルコール依存者でなくともアルコールを飲めば人生が短くなるリスクは大幅に上がります。
日本人の主な死因は「がん」「脳梗塞」「心筋梗塞」の3つです。アルコールはこの3つすべてに直結するものです。
むしろ「がん」「脳梗塞」「心筋梗塞」という最終状態までいければ長く生きれた方です。お酒により睡眠が破壊されるので、体の免疫はとても低い状態になっています。
このため、細菌やウイルスなどの外からの病気にもかかりやすくなり、途中で息絶えてしまうリスクも少なくありません。
アルコールの利尿作用やアセトアルデヒドは思っている以上に危険です。